神なる冬

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ミステリー・ワンダー・ランドのセンス・オブ・ワンダー[23] リマ再び

2016-05-06 10:42:32 | ペルー

国内線の小さな飛行機に乗って、フリアカからリマへ。ペルー初日に泊まったのは新市街だったが、今日は旧市街の方へ観光へ。

機内のドリンクサービスでは、気になっていたチチャ・モラーダをいただく。これは紫トウモロコシの搾り汁にレモン果汁などを入れたもの。トウモロコシ酒のチチャとは違って、アルコール分は無い。インカコーラに並ぶペルーの国民的ドリンクで、チチャ・モラーダ味のキャンデーなども一般的。

飲んだ感想は、うーん、ちょっと微妙。ぬるかったせいもあるのだろうが、なんとなくぬめっとした感じですっきりしない。色はブドウジュースのような紫色。高山地帯は甘い果実が少ないから、こういう飲み物ができたんだろうか。

リマの空港で出迎えてくれたのは、ガイドのSさん。敢えて名前は秘すが、名前からして明らかに沖縄系で、沖縄三世。この人も日本に出稼ぎに来ていたことがあり、それなりの要職を経験したらしい。父親もペルーでの成功者だが、彼が大学生の時に亡くなってしまい、学費が払えなくて日本に行ったのだそうだ。

エリートお坊ちゃんから異国での出稼ぎ労働者という、いわば異色の経験を持つせいか、いろいろと性格がひねくれていて、話を聞くには面白いんだが、添乗員さんには影で苦情を言われていたのを聞いてしまった。ペルー人としての誇りと、ペルー人を蔑む気持ちが同居していて、あんな感じになっているんじゃないか。その辺は、クスコのホセさんの自虐的なペルー人ネタとは必然的に異なっている。

まずはバスで空港からリマの旧市街へ。この道もフジモリ大統領の時代に整備されたらしい。フジモリさんは日系人たちの誇りだというのが伝わってくるし、フジモリ派のペルーの人々はみんな親日的。ちなみに、娘のケイコ・フジモリ氏が出馬した2016年ペルー大統領選挙は6/4が決選投票。

道路を走る車は様々で、最新式のトヨタ車もあれば、よく言われる日本の廃棄中古車も走っているし、ぶっっ壊れそうな旧時代のフォードも現役だ。信号待ちでフォードの写真を撮ったら、ドライバーのおじさんがこちらを向いてサムアップしてくれた(笑)。

リマの旧市街に入ると歴史的な建造物が増えるが、荒れ放題の建物も少なくない。なかには、火事で焼けたまま放置されたものも。これは歴史建造物の建て替えが禁止されているためで、所有者が復元するだけのお金が無い場合はそのまま放置され、最終的には政府が買い上げることになるのだそうだ。形がそのまま残っている建造物も、1階だけ使っていて、2階以上は危険だから立ち入り禁止のものも多いとのこと。Sさんがガイドだと、こういう無駄に政治経済的な知識ばっかり増えていく。

市内を流れる大きな川は、リマの語源にもなったリマック川。意味はうるさい川。今は整備されているが、流れが急で土石流の被害が頻発したのだという。ちなみに、マチュピチュ同様、この川の整備にもJICAが係わっている。

 

最初の観光地はサンフランシスコ教会。ここは建物内撮影禁止。しかし、ミサをやっている大聖堂の中だけは、なぜか撮影OK。どうもルールが良くわからない。

写真が残っていないので、詳細な記憶は残っていないけれど、修道士たちの食堂や更衣室なんかを見ることができた。壁のフラスコ画などで、教会を作ったサンフランシスコさんの業績が過大(キリスト並の奇跡を起こしたらしい!)に表現されているのが面白かった。

廊下の壁や天井にはイスラムっぽい青いタイルが張られていて、美術文化的にもそういう時代だったのだなということがわかる。なお、Sさんによると、最初のタイル職人は妻を殺した罪で投獄されてしまったが、地震ではがれた時に誰も修復することができなかったので、タイルを修復するために恩赦されたのだそうだ。

この教会では「最後の晩餐」の南米バージョンもみることができた。基本的には有名なレオナルド・ダ・ヴィンチのものと一緒なのだが、キリストと12人の弟子は丸テーブルについている。子供たちがその周りで給仕をしていて、テーブルの上にはジャガイモ。そして、キリストの横には女性が。そう、これが『ダヴィンチ・コード』の元ネタなわけだ。

撮影禁止なので、出所不明の拾い物画像でも張っておこう。あくまでも、出所不明ですからね……。

さらに、教会の地下にあるカタコンベ(地下墓地)へ。特に罪人がとか、大量死がとかいうわけではなく、普通に墓地として使われていたものだそうだが、なぜか頭骨は頭骨、大腿骨は大腿骨といった形で一か所に集めてあるのが異様な感じ。さすがに死んですぐにバラバラにしたわけじゃないんだろうけど、一旦埋めてから、埋葬場所確保のために古いのを掘り出して整理するんですかね。

Sさんは最初にここに来たとき、一人になってしまい、頭骨がいっぱい安置されている穴を除いた瞬間にミサのオルガンが鳴り響いて、恐怖のあまり飛び出してきたんだとか。自分が怖かったせいか、「ほらそこに」みたいなことを言って何度も怖がらせようとする。ぜったいに罰があたるぞ、お前。

さすがに、ここの骨の写真は無しで。

 



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