神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] シャッターアイランド

2010-05-01 06:56:34 | 映画
シャッター アイランド - goo 映画


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「人間の脳は、自分の都合の良いように物事を解釈させる」
錯視の紹介から始まる冒頭の説明から、もう騙され始めていたのかもしれない。

嵐の孤島、なぞが多い登場人物、閉ざされた精神病棟、額の絆創膏……。

物語の基本設定。暴かれる真実。さらにそれをひっくり返すどんでん返し。と言えば、わくわくするが、最後のそれはあまりにもひどい。

宣伝を見て、本格ミステリーの謎解きを期待して見始め、幻覚シーンが多用される中で叙述ミステリーを疑い始め……。

謎解き映画としてキャンペーンを打ったのは配給会社の勝手であって、この映画はそういう映画じゃなかったのではないか。謎解きに囚われずに、トラウマに苦しめられる男の苦悩を描いた映画だと思って見た方がいい。

物語はどんでん返しを繰り返す。そこで示される構造をそれぞれ第1の真実、第2の真実、第3の真実と呼ぼう。映画的には第3の真実が本当の真実ということになるのだろうが、どうもそう考えるには不自然なことが多すぎる。

公式サイトでは、なぞの手がかりをいくつ見破れたかというキャンペーンをやっているが、括弧書きされた内容に納得がいかない。そのシーン自体は覚えているが、本当にこじつけやその他の解釈を許さない手がかりとして画面上に見えていたかは疑問符を付けざるを得ない。後から考え直しても、自分が見つけられた「手がかり」は、幻覚絡みの中だけで、それは“真実”を描くのであれば反則だろう。

そんなこんなで、ここは第2の真実こそが本物説を主張する。つまり、主人公は第3の真実が真実であると思い込まされる罠に嵌ったのだ!

……そう考えると、ラストシーンはちょっと怖いよ。



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