『S-Fマガジン 2010年6月号』 (早川書房)
“スチームパンク・リローデッド”と称して、欧米のスチームパンク事情を紹介する特集。
日本でスチームパンクというと、ギブスン&スターリングの『ディファレンス・エンジン』を筆頭に、ティム・パワーズ、ジェイムズ・ブレイロックの小説が上がるのだが、現在の欧米では、もっと広範囲なもうひとつの過去(19世紀、もしくはその時代の科学技術や文化の延長にある世界)を描いた作品群を指すらしい。
たとえば、リードの《移動都市クロニクル》なんかは、過去ではなく、未来を描いているが、ベースとなる技術や風俗が19世紀を模しているため、スチームパンクの代表作ともいえる。
これは小説だけではなく、映画でも盛んに取り込まれ、『シャーロックホームズ』や『パルナサスの鏡』、『アリス・イン・ワンダーランド』なんかもこの系譜につながる。
日本の宮崎アニメなんかもこの系譜につながるものと認識されていたり、メイド喫茶もスチームパンク風俗として捉ええられていたりと、日本では考えられないくらいに19世紀回顧が広がっているらしい。
それは閉塞した現代、閉ざされた未来の中で見る夢という、身も蓋も無い考え方ができなくも無い。そうであれば、これからの日本でもスチームパンクが流行るんだろうか?
いや、アニメや風俗ですら、気づかないうちにスチームパンクになっているんだから、ブームになるまえに拡散してしまったということなのだろうか。
○:「ハノーヴァーの修復」 ジェフ・ヴァンダーミア
主人公が記憶を取り戻すと同時に、急激に広がる世界がめまいを与える。
○:「愚者の連鎖」 ジェイ・レイク
世界観がわかりづらい。後から考えれば、そういうことかとわかるのだが……。
△:「タングルフット」 シェリー・プリースト
少年の友達がホラーな話。なんとなく、類型的か。
△:「砕けたティーカップ」 ジョージ・マン
ミステリ仕立て、ホームズ風。これもありがちの枠を超えていない気が。
○:「収容所群島」 樺山三英
収容所の情景に、読んでいるうちに引き込まれてしまったが、正しいメッセージを受け取れているかどうかがわからない。
◎:「ナタ」 小林泰三
連載の中の一話なのだが、このエピソードだけでも完成度が高い。苦しくて悲しい話。
-:「零號琴」 飛浩隆(著者名間違えてましたもうしわけありません)
話がわからなくなってきた。採点不能。
“スチームパンク・リローデッド”と称して、欧米のスチームパンク事情を紹介する特集。
日本でスチームパンクというと、ギブスン&スターリングの『ディファレンス・エンジン』を筆頭に、ティム・パワーズ、ジェイムズ・ブレイロックの小説が上がるのだが、現在の欧米では、もっと広範囲なもうひとつの過去(19世紀、もしくはその時代の科学技術や文化の延長にある世界)を描いた作品群を指すらしい。
たとえば、リードの《移動都市クロニクル》なんかは、過去ではなく、未来を描いているが、ベースとなる技術や風俗が19世紀を模しているため、スチームパンクの代表作ともいえる。
これは小説だけではなく、映画でも盛んに取り込まれ、『シャーロックホームズ』や『パルナサスの鏡』、『アリス・イン・ワンダーランド』なんかもこの系譜につながる。
日本の宮崎アニメなんかもこの系譜につながるものと認識されていたり、メイド喫茶もスチームパンク風俗として捉ええられていたりと、日本では考えられないくらいに19世紀回顧が広がっているらしい。
それは閉塞した現代、閉ざされた未来の中で見る夢という、身も蓋も無い考え方ができなくも無い。そうであれば、これからの日本でもスチームパンクが流行るんだろうか?
いや、アニメや風俗ですら、気づかないうちにスチームパンクになっているんだから、ブームになるまえに拡散してしまったということなのだろうか。
○:「ハノーヴァーの修復」 ジェフ・ヴァンダーミア
主人公が記憶を取り戻すと同時に、急激に広がる世界がめまいを与える。
○:「愚者の連鎖」 ジェイ・レイク
世界観がわかりづらい。後から考えれば、そういうことかとわかるのだが……。
△:「タングルフット」 シェリー・プリースト
少年の友達がホラーな話。なんとなく、類型的か。
△:「砕けたティーカップ」 ジョージ・マン
ミステリ仕立て、ホームズ風。これもありがちの枠を超えていない気が。
○:「収容所群島」 樺山三英
収容所の情景に、読んでいるうちに引き込まれてしまったが、正しいメッセージを受け取れているかどうかがわからない。
◎:「ナタ」 小林泰三
連載の中の一話なのだが、このエピソードだけでも完成度が高い。苦しくて悲しい話。
-:「零號琴」 飛浩隆(著者名間違えてましたもうしわけありません)
話がわからなくなってきた。採点不能。
ずっと前から、お礼を言おうと思ってました。前回、瀬名秀明論でコテンパンに酷評された時に、比較的好意的な意見を書いてくださいましたよね。
選評であれだけ言われると相当に落ち込んで、次回はもう応募はやめようかと思ったほどでした。それでももう一回がんばってみよう、と思えたのは、ひとつにはkats-takamiさんのおかげであるんです。
おかげでやっと結果を出すことができました。ありがとうございました。まさか、その受賞作でスルーされるとは思ってませんでしたが(^^;
いや、苦情を言ってるんじゃありませんよ。そんな、恩人にとんでもない!興味を覚えていただけなかったとしたら私の不徳の致すところでして、次回はがんばります。
でも、kats-takamiさんがちらと書いておられた「鈴木光司論」はとても面白かったので、ぜひ見てみたいです。次回、チャレンジなさいませんか?
あいさつ文に書いたとおり、今夏のTOKONでは上映企画やります。そのとき、お会いできたらいいですね。
ちょードキドキしちゃってます。
高校時代に美術の授業で美術館に行った時に、まさしく一枚の絵のSFを感じたことがあって、そのことを書こうと思ってたんですよ。
TOKONには申し込み済みですが、仕事で行けるかどうかが……。
自分のエントリを読み返しても、あんまり好意的なことは書いてないような気がしますので、恩人なんて呼ばれると困ってしまいますが。
書き忘れていたというエントリをアップしました。結局のところ、高槻さんの書いてあることには無関係な自分語りに過ぎませんが、スルーしたわけじゃないですよー、ということで。