神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 2013 J2 第36節 札幌 vs 群馬

2013-10-06 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第36節 コンサドーレ札幌 1-3 ザスパクサツ群馬 @スカパー


まさか、プレーオフの出場を争うチームが、J2陥落を争うチームに連敗するなんてありえないよね。まさかね。


今日の札幌。なんだか練習試合臭がする布陣。フェホとレコンビンの先発は練習試合でよく見られたということもあるが、人材不足とはいえ、日高をボランチで起用し、シンジンを右サイドバックに入れるというのはあまりにも間に合わせ的な選手選択に見える。パウロンを入れたいならば、そのまま、奈良かソンジンと入れ替えでよかったんじゃないか。


悪い予感は当たり、前半開始早々に失点。日高がボールを奪われ、ゴール前でパウロンとソンジンの間を割られるという、まさに今回の選手起用をあざ笑うかのような間の悪さ。

札幌のサイド攻撃が調子いいときは、サイドアタッカーが中に入ってゴール前を厚くし、その大外をサイドバックが駆け上がってクロスという形が多いのだけれど、右サイドバックがソンジンなので、アーリークロスがせいぜい。逆に、攻撃的にプレッシャーをかけられないので、押し込まれてソンジンのところで攻撃の起点を作られてしまう。

上がりの遅いDFラインと、フェホを狙うロングボールのおかげで中盤スカスカ。真ん中の位置でのプレーに経験のない日高はどこに行っていいのかわからずに右往左往。

ソンジンは攻撃に絡めず。日高は守備で利いてない。これはどう見ても選手起用の失敗。せめてポジションが逆だったら、もっとなんとかなったかもしれないのに。

レコンビンと宮澤だけが気迫を見せるが、それも、特にレコンビンが空回り気味。

そして糞審判。ファールとり過ぎ。イエロー出し過ぎ。荒れた試合になっているが、明らかに審判が荒れさせている。ゲームをコントロールするのではなく、選手に懲罰を与えることが審判の仕事だと間違っている。こいつは小学校の教師になったら暴力で教室を掌握するタイプ。人格的に審判に向いていない。

前半終わって0-1。下位チーム相手、しかも、前回はアウェイで負けているので、かならずホームでリベンジしなければならない相手なのに、稀にみるひどい出来でイライラしっぱなし。


後半開始に選手交代。フェホに変えて前田。早めに動いたのは評価できるが、どちらかと言えば代えるのはそこじゃない。前田にボールが収まるようになって攻撃の形は作れるようになったが、中盤から後ろのちぐはぐさは変わらず。

後半開始早々にもあっさりと追加点を奪われ、出足をくじかれる。曳地のファンブル。これはなんとかしてほしかったが、杉山の方がましとも思えん。

そこでやっとソンジンに変えて荒野を投入。日高がサイドバックに戻る。その直後に、日高のクロスから荒野がものすごいスーパーボレーシュートを決める。最初からこれで行けばよかったのに。財前采配のまずさが強調される結果に。

しかし、札幌の受難は続く。パウロンが手の治療で外に出ている間のセットプレーで集中力を欠いて3失点目。

ここでパウロンに替えて河合を投入。なんと宮澤真ん中の3-5-2へ。まったく意味不明。そこでパウロンを下げたら、ソンジンを下げた意味ないし。

※このとき、パウロンはバイシクルキックか何かのときに手をついて骨折していた模様。骨折じゃ交代は仕方無いけれど、故障明けの先発試合でさらに故障ってどういうことじゃ。

やっと復活したキャプテンの河合はファールでイエロー。そのジャッジへの異議で2枚目のイエローをもらい退場。いくら糞審判だからとはいえ、フェホが退場の時に宥めに行ったキャプテンはどこにいった。自分から率先して退場してどうする。まぁ、それだけ審判が糞だったということだ。

結局、1-3で負け。厚別不敗神話は最終戦を持って終了しました。


確かに審判はクソだったが、試合内容はもっとクソ。そのクソさを呼び込んだのは財前監督の謎起用。先発でいじったすべての選手が悪い方向に働いてしまった。審判の退場時には、群馬の選手がびっくりするぐらいのブーイングが巻き起こっていたが、試合に負けたのは審判のせいではなく、明らかに札幌の自滅。ブーイングする相手は審判じゃなくて監督。

それにしても、財前監督の謎起用はどうしたことか。これからの山形、京都、千葉戦に向けて選手を試そうとでも思ったのだろうか。しかし、いくら下位チームだからと言って、J2がそんなに甘くないってことをまだわかっていないのか。

「下位争いしてるチームに、まさか二連敗なんてないだろう」とサポが思うのはまだしも、監督や選手がそう思っちゃいけないだろ。

せっかく9試合負け無しと、聖地厚別が復活したのに、最終戦でこれかよ。やっぱり、残り試合をドーム開催に変えたから、厚別の神様が怒っちゃったんじゃ。……つまりは、ハムが悪い。

 


[コンサ] 2013 J2 第35節 熊本 vs 札幌

2013-10-06 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第35節 ロアッソ熊本 2-1 コンサドーレ札幌 @スカパー


まさかの上里全治8か月に続き、河合、深井が離脱。なかなかメンバーがそろわない。

愛媛の石井が来季に札幌復帰とのニュースも流れたが、FWよりもボランチ不足を何とかしてほしいところ。石井よりも岩沼に帰ってきて欲しいぐらい。山本真樹なんて贅沢は言わないから。

そんなわけで、砂川ボランチ。レコンビンが出場停止で、フェホもベンチ。他はいつものメンバーかと思いきや、GKは前節に続いて曳地。このまま正GKに定着できるのか。


守備面で不安のある砂川は、ボールホルダーに突っ込み過ぎな感じもあるがこれが効果的なフォアチェックになっている。ただし、このままスタミナが持つのかは疑問。

攻撃では、その砂川から内村への縦パスが非常に効果的。このホットラインは完全に完成していて、札幌最大の武器になっている。あとは、内村を囮にした攻撃などへのバリエーションを広げるぐらい。

ところが、セットプレーからあっさり失点。ニアでのヘディング。狙って打ったというよりはバウンドがちょうど誰も触れないところに弾んでいった感じ。マークに付いていた宮澤も、セーブできなかった曳地も責められない。

しかし、今の札幌は失点で一気に失速することがなくなった。これはメンタル面で、今年もっとも成長したところだと思う。熊本にペースを握られることなく、熊本ゴール前までボールを運ぶ。

やはり砂川からのパスを上原がオープンスペースで受けてから、センタリングを上げずに自分で持ち込んで誕生日ゴール。これで同点。

その後も、きれいに崩す形も見られたが、シュートは枠の外。

結局、前半は1-1の同点。シュート数も 4-5 で、他のスタッツもほぼ互角。ポゼッションの札幌にカウンターの熊本というわけでもない。


後半の開始直後は熊本の方がボールの繋がりがいい。前半は見られなかったサイドチェンジで左右に振ってくる。札幌は砂川からの縦パスが相変わらず多い。

次第に札幌の保持率が上がってチャンスが生まれ始めると、まず熊本が選手交代。されにつられるように札幌も選手交代。三上に代えてフェホ。

熊本は5バックがべた引きでスペースが無く、フェホのスピードが生きない。高さもいつものことで、心理的恐怖を与えているものの、技術的にはマイボールにできるわけではないので、この交代は失敗だったかも。

完全にお疲れな前田に代えて、地元の岡本を投入するも、こちらもいまひとつキレがない。最近使われなかったのでどうしたのかと思っていたが、これじゃ確かに先発に使えない。

圧倒的にボールを保持していながら、べた引きの相手を崩せない状況が続く。こういう時に欲しいのは、やっぱり上里のミドルシュートなのだけれど……。

取れるときに点を取らないと、相手にワンチャンスを決められるのがサッカー。悪い予感の通り、熊本が追加点。ヘディングのこぼれ球を逆サイドから押し込まれる。後半1本目のシュートがこぼれて2本めのシュートでやられた。まさにワンチャンス。

ここで砂川に代えて翔太を投入。しかし、やっぱりスペースが無いのでスピードを活かせない。

そのまま試合終了。降格争いのチームに、プレーオフ進出を狙うチームが2-1で負けた。こういう取りこぼしが多すぎる。例えアウェイであっても、下位チームに負けていられる状況じゃないだろう。とはいえ、今回は完全に弱小チームのセオリー通りにやられてしまった。(熊本が弱小チームと言っているわけではないので注意)札幌もそれだけ強大チームになったのだと思っておくことにしよう。

それにしても、熊本で勝てないのはなぜなのか。そんなに暑いのか。だいたい、この試合が熊本での初得点とか。やっぱり相性が悪いとか、方角が悪いとかなのか。

この試合でも、内村が角度のないところから南の股を2回も抜くが枠に行かず。それ以外でも3点ぐらいシュートミスで損してる気がする。

とにかくひとつひとつのプレーの精度を上げていくこと。それしかないんですかね。

それにしても、いらいらする試合だった。ゲームでこんな試合だったら、ぜったいコントローラーをぶん投げてるよ!

 

 


[SF] SFマガジン2013年11月号

2013-10-05 23:19:11 | SF

『S-Fマガジン 2013年11月号』 (早川書房)

 

「The Best of Foreign Short Fictions 海外SF短篇セレクション」と銘打たれた特集。久しぶりの小説特集なのだが、やはりSFマガジンの真骨頂はここにありといった感じで、どれも外れ無し。ただ、オールタイムベスト級として熱狂的に押せるほどの作品が無かったのはちょっと残念。後篇が残っているストロスに期待したい。

やっとレポートが載ったSFシンポジウムは結局参加できず。コンサドーレなイベントや、ビールなイベントを優先してしまったからな。パオロ・バチガルピvs藤井太洋の対談なんかは、ぜひとも聞きに行きたかったんだが、そもそもあれはSF大会企画だから無理か。

というわけで、来年の「なつこん」にはエントリーしました。夏のつくばでお会いしましょう。

あ、そうそう、カリン・ティドベックの作品は小林泰三や牧野修を思わせる作風なので、ぜひ「なつこん」にゲストで呼んで対談させようw


「ホワイトフェード」 キャサリン・M・ヴァレンテ/佐田千織訳
 背後にあるのが第二次世界大戦なのでずいぶん古めかしい気もするが、テーマとしては普遍。というか、日本だとハーレム系エロマンガになってしまいそう。

「ジャガンナート――世界の主」 カリン・ティドベック/市田 泉訳
 小林泰三かよ! 最後に主人公が口にしたものが何だったのかを考えるのも、続きがありそうで面白い。

「最終試験」 メガン・アーケンバーグ/鈴木 潤訳
 なかなか面白い仕掛け。読み進めると、いったいこれは何なのかという疑問が二転三転七転八倒。物理的な世界の終りと、個人的な世界の終りが量子的に重ね合わさったかのような不思議な感じ。

「真空キッド」 スティーヴン・バクスター/矢口 悟訳
 バクスターにしてはジュブナイル的なw 巨大な陰謀とバイオハザードの悲劇を明るいヒーロー物に仕立て上げ、SF的な「大宇宙へ行こうぜ」というメッセージを語りきった手際は、いろいろな意味ですごいと思った。

「パリンプセスト〈前篇〉」 チャールズ・ストロス/金子 浩訳
 例によって評価は〈後篇〉を読んだ後で。

 


[SF] ZOO CITY

2013-10-01 22:38:41 | SF

『ZOO CITY』 ローレン・ビュークス (ハヤカワ文庫 SF)

 

2011年度アーサー・C・クラーク賞受賞。この賞は選考委員会方式なので、アメリカのネビュラ賞や日本の日本SF大賞に相当するらしい。しかし、選考委員の顔ぶれのせいか、受賞傾向が見えにくい賞だ。

「読みにくいしSFじゃない」という感想が多いのは知っていたが、2012年度受賞の『世界を変える日に』がなかなか良かったので、英国SFの現状を知る上でも読んでみようと思った。

結果、感想は……読みにくいしSFじゃない。

アフリカSFとして頭に浮かぶのはレズニックの『キリンヤガ』あたりだが、そこまでアフリカっぽいわけではない。時代は現代。つまり、パラレルワールド的ヨハネスブルグ。舞台となるこの街は2chの“ヨハネスブルグのガイドライン”そのままな犯罪都市。しかしながら、アパルトヘイトや、急激な社会変化によって空洞化した都市中心街といったヨハネスブルグ特有な味付けは薄く、中南米や東南アジアのスラム街が舞台と言っても通るぐらいな感じ。よく言えば普遍性があるということなのだろうけど、南アらしさが、いまひとつ感じられなかった。

著者は南アフリカ在住とのことなので、これが本当の南アであって、著者から見たリアルなスラムであるということなのだろうか。

物語に大きく影響する呪術的側面も、事件を巡る大きなカギではあるけれども、社会情勢や市民生活の中にはそんなに入り込んでいない。実際、主人公も呪術には懐疑的であるし、小説中の描写においてもオカルティックな現象ではなく、ドラッグ的な描写にとどまっている。

で、SF的、もしくはファンタジー的設定である“動物連れ”(“動物憑き”とは違う)にしても、いまひとつ解釈が定まらない。アフリカ特有の文化や、呪術的な何かのアナロジーかとも思うのだけれど、全世界的な現象であるということから、この解釈も成り立たない。

人間の根源的何か、性格や原罪といったものを示しているのだろうかとも思うが、断片的に挟まれる記事からの類推では、なかなかしっくり来るものは見つけられない。あるいは、日本でいうところの“犬”の刺青とか、まったく正反対に聖痕とか。

物語としても、これらの動物連れや、それに伴う超能力(というほどのものではないが)はメインではなく、犯罪都市を舞台にしたハードボイルド小説の側面が大きい。個人的な感想から言わせてもらえば、(狭義の)SFでもなく、マジックレアリズムの範疇からも外れており、SFの文脈で評価される理由がよくわからない。

そうはいっても、中盤を過ぎて、文体や世界設定に慣れてきたあたりからは、かなり惹きこまれる展開で面白かった。あくまで、ハードボイルドとして。

分量の大半を占める第一部が終わって、第二部という表記を見たときに、動物連れの真相や手がかりが語られるのかと思ったが、第一部の背後にある呪術的な真相が明かされ、さらなるアクションシーンに突入してしまったのは期待外れだった。

これはこれで面白いんだけれどね。しかし、どうして現代なのに我々の知っている世界とちょっとだけ違うのかとか、動物付きが暗示するものはなんなのかなど、どなたか、すげーとおもえるようなSF的(もしくは文学的)解説をプリーズ。