かっつん・あわー ~小さなアトリエにようこそ~

ヨコハマにある小さな絵画教室『あとりえカツヤマ』での生徒さんの作品や制作風景、自身の作品などを紹介しています。

手で

2012-05-01 03:22:25 | アトリエ
アトリエ 一般のコースの方にも“木炭”にチャレンジしてもらいました。 Sくんの牛骨のデッサンです。
木炭デッサンでは描く時に、さらさらと木炭を積み重ねて描くだけでなく、自分の指やガーゼ、あるいは消し具などで画面を押さえたり、擦ったりして複雑な色(濃淡)を出して行きます。(異なる技法もありますが) この“自分の手で直接描く”という作業、最近とても大事なんじゃないかと思っています。
日本画では絵具を溶く時に絵皿の上で顔料と膠を指で混ぜ合わせます。すると良く混ざるのと同時に絵具の粒子の感覚や温度、濃淡などの情報が手を通して直接的に自然に頭に流れ込んで来るように感じます。
最近高校の授業の関係で“箸”について調べる機会があったのですが、見た本の中に 『手食』 のことが書かれていました。その本には手食はその文明が未開だからなのでは無い。手で食べ物に触れることにより、その触感、温度などが直接わかる。いわば手でも料理を味わっているのだ・・・みたいなことが書かれていました。
近年は世の中便利になるばかりですが、もっとも単純な“自分の手”で触れるということの中にとても大切なものがあるように思います。

コメント
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