引き続きカモメです。
朝の10時に炊飯し始めて、配り終わったのは3時半を回っていた。5時間半の格闘であったが、今年もまあまあの出来であった。太巻きは海苔を縦に使ったのの字巻きであった。食べているところを見たことはないが、無言で西南西に向かってかぶりつく様を想像すると、大きな口に良く入るものだと感心する。遊び心を多分に含むイベントであることで、人目を気にしていては願いも神様に伝わらないのであろう。
桜デンブを九州では寿司の花と呼んでいた。なかなか風流である。関東では寿司の花といっても判らないであろう。以前、女房の弁によれば、食料品屋で「寿司の花を下さい」と店員に言うと「かんぴょうですか?」といぶかしがられたそうで、憤慨していた。
1升を五合に分けて2回炊飯したが、大方のすし飯は海苔巻きに変わった。太巻き8本、中巻き2本、細巻きを10本作った。近所に配り、今日の勤めは終わったが、次回のための忘備録として、申し上げると、かんぴょうと椎茸の含め煮汁は絞って使わないと、巻いたときに、海苔のぱりっとした食感が失われる。この他にも、マグロの解凍は、常温で解凍するよりも、冷蔵庫の中で、1昼夜かけて解凍した方が水っぽくならないようである。湯がいた芹も水気を良く絞って使う。
細巻きの納豆巻きは、納豆を挽き割ったものを使う。この際、醤油は使わない方がよいと思われる。前述と同様で、水分が多いと海苔の食感に影響するからである。海苔巻きのパリとした食感を保持するための秘訣かも知れない。巻きすも使用している内に、シャリがこびり付くことがあり、ぬれ布巾で拭うが、この時の水気が海苔に水分を与えることになる。巻きすは常に乾いた状態で使う。海苔も湿気を嫌うので、箱状の缶に入れて、空気に触れさせないよう気を付けたい。炊事場はどうしても湿気が高くなりがちだからである。
今回はマグロを使ったが、わさびは使わなかった。子供も食するため、サビ抜き作っても数が多くなると、どれに入れたか判らなくなるためで、また、太巻きは元々わさびを入れないで作っていたと思う。サビ抜きでも、食するときに醤油を使えば、好みでわさびを付ければよいと思ったからである。
これから春にかけては寿司がおいしく感じられる。新鮮な寿司ネタ類が多く市場に出回るからかも知れないが、江戸時代から始まったと言われるにぎり寿司は、当時の軽食の部類にはいるようで、市中で気軽に食べていたようである。何時の時代からか高級寿司店が普通となり、回転寿司の誕生となる。食文化としても海外で天ぷらと並び、日本食の代表格になっている。安価で気軽に楽しめることも食文化の特徴であろう。