初めて撮った多摩川のヒレンジャクです。一瞬でしたので前からの画像はありません。
野鳥の中でも一度見ると忘れられない容姿をしている。キレンジャクと共にスズメ目レンジャク科に属する冬鳥で、大きさはムクドリより一回り大きい。レンジャクは尾羽の先と風切り羽根の縁の色が異なり、キレンジャクは黄色、ヒレンジャクは紅色である。どちらも風切り羽根は紺色で横に白色の縞模様がある。特徴的な冠羽を持っていて、まるで、モヒカンカットである。数はキレンジャクに比べヒレンジャクは少ない。
この時期、東高根森林公園にはヤドリギがあるため、キレンジャクとヒレンジャクが来ている。高木の上にいるため、カメラマンも苦労しているようである。日に何度か巡回してきて、ヤドリギの粘着性が強い実を食べる。ヤドリギの方でもよく考えていて、実を食べてくれるレンジャクとの共同作業で子孫を増やしている。レンジャクの方も他の野鳥に食べられないヤドリギの実を独占できる。実は粘着性を持っているため、他の鳥は嫌って食べない。粘着性の糞と共に排出されるヤドリギの種は、日光の良く当たる高木に付着し、成長する。共存共栄である。進化の過程でどちらも利用してきたのであろう。
数日前に多摩川でベニマシコやジョウビタキを捜していたが、相棒のカメラマンの話で、ヒレンジャクが居るとのこと。撮影に入ったが、数秒で飛び去った。原因は、中洲に下りていたハヤブサに突然おそわれたためである。ハヤブサの目がよいことは判っていたが、撮影したのは僅か6枚であった。ヒレンジャクを見たのは、数年多摩川で撮影しているが始めてのことであった。なぜならば、多摩川にはヤドリギがないからである。多分、高根に飛来していた1羽が間違って多摩川に来たのであろう。それにしてもラッキーであった。
レンジャクは群れで行動をする。全国各地で見られるようであるが、市街地から山林など結構行動範囲は広いようである。とはいえ、多摩川では見たことが無く、木の実はヤドリギだけではなく、好んで食べるのがヤドリギの実ということである。その意味では多摩川に来ても良いのであるが。
野鳥撮影は一瞬の場合が多い。人になれていない鳥はちょっとした物音や人影で逃げてしまう。雌に比べて雄の方が警戒心は強いようである。それと猛禽類におそわれないように刷り込まれたT字型の鳥には危険を感じるらしい。一斉にかも類や鳩等が飛び去る。挑戦するのは集団で追いかけるカラスだけで、カラスが騒ぎ出すと猛禽類がいることが多い。