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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

パンドーラーの箱

2015年02月07日 00時00分01秒 | 紹介

 「パンドラの箱」という言い方が一般的であるが、ギリシャ神話に登場するゼウス神が火を盗んだ人間に対する罰で、人類に災いをもたらす初の女性として、パンドーラーは神々が地上に送った女性であり、決して開けてはならない、甕(かめ)又は壺を贈り物として持参したとされている。しかし、開けてはならないといわれると開けてみたくなるのが人情というもので、パンドーラーは開けてしまう。このときに様々な災い(疫病、悲嘆、欠乏、犯罪など)が蓋から出てしまう。こうして人類の世は災厄が満ちあふれてしまうという神話である。甕又は壺は後世に箱となったという。

 これには続きがあり、蓋を閉めたとき、エルピス(Hopeの原語)すなわち、希望とか予兆といわれる物が壺に残ったとされる。終わりが見えないのが希望であり、人類は希望や予兆と悲惨な結果とを繰り返す運命となったそうである。

 ヨルダン政府による、ヨルダン人パイロットの残酷な火あぶりによる虐殺を行ったイスラム国への報復が始まった。イスラム国に拘束された日本人ジャーナリスト2名の斬首を受け、我が国もテロに対する非難声明ばかりでなく、テロ撲滅への体制固めが着実に進む結果となっている。報復の連鎖が我が国の国民へ及ばないことを願っているが、これも先が見えないエルピスである。

 イスラム国の誕生には様々な説が飛び交っている。中東戦争にまで遡る説や、イラク戦争の失敗で、対立関係にあった米国が撤退した後にサダム・フセインの失脚後、反勢力の進めた政策が、貧富の格差や、若者の雇用不安を引き起こし、多くの若者が、アルカイダなどと一緒になり、過激なイスラム教勢力を生んだとされる。既に過激派が関与するテロは中東からヨーロッパやアフリカにも飛び火していて、ドイツやフランスでも過激派ばかりではなく、移民として入植したイスラム教徒の二世や三世に対する排斥運動が始まっている。

 潜伏するゲリラが一般人と見分けが付かないのは、現実に、自爆テロが発生し、止める有効な手段がないために、一般人を巻き込む被害は拡散している。穏健なイスラム教徒が多い中、少数とはいえ過激なイスラム教徒が混在し、見分けがつかなければ、危険性の排除は難しくなる。もはや、一国で対応するには困難な状況を生んでいる。情報が簡単にどこでも発信や受信ができるようになった反面、ガセネタも多くあり、的確な情報を選別する能力も必要になってきていると言われている。

 もはや他人事では済まされない不安定な時代を迎えているといえる。