【~桜~小石川後楽園】
東京ドームの近くにある「小石川後楽園」は、都心を感じさせない深山幽谷を
残す国の特別史跡・名勝である。
江戸時代初期(1629年)水戸徳川家の祖である頼房が、その中屋敷として作った
物で、二代藩主の光圀の代に完成した庭園である。
東門から入った処にある内庭に一本の桜が・・・池に影を落としていた。
大泉水に浮かぶ蓬莱島の岩場から、鵜やカモが桜を眺めていた。
竹生島と蓬莱島を配し、琵琶湖に見立てている。昔はこの池で舟遊びをした
と言われている。
ソメイヨシノの先に、東京ドームホテルが覗き見えた。
都心の庭園を感じさせるビル群が、見え隠れしていた。
曇り空に同化しているような、東京ドームの屋根。
小廬山(中国の廬山を模した)の桜が、蓮池に垂れ下がっていた。
通天橋の朱色が桜を引き立てるのだが、生憎の曇りでひっそりとしていた。
11月下旬の紅葉は朱塗りの橋を引き立ててくれる。
園内の桜は数十本と少ないが、ほっとさせてくれる庭園である。
ビジネスマンや観光客が一休みするには贅沢な空間だ!
小石川後楽園は文化財保護法によって国の特別史跡・特別名勝に指定されている。
重複指定を受けているのは、全国でも小石川後楽園、浜離宮恩賜庭園、金閣寺
など、ごく限られている。
桜のシーズン、藤の花咲く頃、紅葉の季節にはゆったりできる都心の穴場である。