【城端曳山祭】宵祭
城端は富山県南西部に位置し、東西8㎞、南北13㎞の楕円形をした
狭い町である。
かつては古刹・城端別院禅徳寺の門前町として、絹織物の生産で栄えて
きた城端は「越中の小京都」とも呼ばれている。
狭い通りを大きな車輪がギーギーと音を響かせながら、通り抜ける6基の
曳山と、優雅に笛と三味線で庵唄が流れていく庵屋台・・・
今まで多くの山車行事を見てきたが、大勢の人が集まるのでもなく、
賑やかなお囃子が響くわけでもなく、大きな掛け声で山を曳くわけでもなく
地元の人達が長い伝統をマイペースで守っている姿は、実に貴いものだと
と感じた。ユネスコに登録されるに相応しい格調高い曳山祭りだった。
蓮如上人による開基から540年の「善徳寺」は、城端のシンボルだ。
以前立ち寄った時は、建物の損傷が激しく心許なかったが、今はしっかりと
補強されていた。
明日の本祭りに備え準備怠りない。東上町の「鶴舞山」
西上町の「竹田山」
京都祇園の一力茶屋を模した庵屋台、加賀藩の保護を受けた大工たちに
よって造られた精巧な屋台だ。
出丸町の庵屋台
最終点検の西下町の庵屋台
6ヶ町の各山宿での飾り山を見て歩くのが、宵祭りのハイライトだ。
曳山に飾られる「御神像」で一晩ここで過ごす。 西上町の竹田山に飾られる
「恵比寿」さん
東上町の鶴舞山に飾られる御神像「寿老」
脇に飾られた”朴の木”は山から採って来たもので、花を祭りに合せるのが
一苦労とお手伝いのお母さんが言っていた。
大工町の御神像「関羽・周倉」
朴の木が花をつけていた。
飾り山を見物する旅行者が、ガイドさんの説明を熱心に聴いていた。
財閥野村家の土蔵が並ぶ、明日の本祭りにはこの狭い坂道を
各町の曳山と庵屋台が進んで行く。
何時も感動する動きの一コマを見せて下さり、ありがとうございます。今後、足早に猛暑の時期が来ます。体調管理には十分に御留意ください。
城端の庵唄は、江戸端唄が城端に伝わり、曳山祭りで庵唄として300年間唄い継がれたもので、神楽坂に来るのは江戸に里帰りしているものです。