前年度は全大会を優勝で飾り、全日本王者にもなったマナミ。
しかし、3.3東海地区大会においては準優勝に終わったわけで、それは高い意識で取り組んでいる本人にとっては、負けに等しい結果でもあったようです。
それならばと、4.21関東地区大会に参加を決めたわけですが、なんと大会一週間前に体調を崩し、最後の調整が出来ないカタチに。
病院での検査では、『特に異常なし‥』とのことでしたが、それでも、あまり食事もとれず、点滴まで打つ状態に‥。
ハッキリと断言してもイケないのですが、それは高い意識で取り組んできたからこそ‥結果を出してきたからこそのプレッシャーというものが、マナミの中にあったのかも知れません。
やはり栄光の裏には、それ相応の努力や苦労があるのでしょうし、精神面のコントロールを含め、試合前から自分自身の内面とも向き合うわけで、すでにマナミが闘いの中にあったということを、これらの場面からも想像はできるのです。
今回、そのような状態でも参加を決め、結果を出したマナミの決断や行動、保護者様のサポートには、私も頭が下がる思いで勉強になりましたし、これからの後輩達にも、きっと良い影響を与えてくれる、一つのカタチになったように思います。
さて、私自身は応援に行けなかったのですが、さっそくお父さんから頂いたDVDで、マナミの動きを何度も確認をしました。
その映像を観て思ったことは、やはり物事は《一日では成らず‥》という事と、《積み重ねてきたことの尊さ》ということ。
私の道場に通うようになって1年半、週3回の稽古は、普通に通っている子達と比べても、それはある意味、何年分にも匹敵するような稽古の量と内容でしたし、それだけ頑張ってきたうえでの結果だったということです。
そして今回の映像からカンタンに技術的なことを説明するのなら、今回は、いわゆる空手のカウンター技術の一つ、《対の先》の組み立てが良く出来ていて、突きにしろ、蹴りにしろ、どこで自分が攻撃に転じたら良いのかがハッキリしていて、逆に対戦相手は、自分が攻撃すればするほどマナミの攻撃を受けてしまうというパターンにハマり、何度か立ち尽くしてしまう場面もあるような、そんな試合内容でした。
これは3年前から、特に高台強化練習にて私が提唱してきた組手パターンの一つでもありますが、もちろん理論だけではダメで、その理論に則した稽古法、練習相手、保護者様の協力、そして何よりも一番にマナミの努力できる才能が必要だったわけで、そのように考えてみても、長い年月の中、皆が協力できたことは、それらを実現して行くことへの最大の理由なのだと思えるのです。
そう、それは自然界の流れの中、無意識のうちに生命と生命が支え合い、生かし合っている‥それらと同じこと。精神的な部分や技術的な部分を含め、《一つの方向性》の中、全体が一体となり、高い意識で経験を積み重ねられるなら、それが流れの中では自然界との調和ともなり、物事全体を好転させて行く、一つのキッカケともなるのです。
今回、たとえマナミが優勝することがなくても、私は一歩踏み出した彼女を心から称えたはずですし、結局、人は人生という道を歩む中で、一生懸命に物事に取り組むことでしか掴めない、そんな《気付き》の部分を求めて、心の旅をしているような気がします。
私が浜松に来て3年、サワ、タイシン、シュンヤ達に次いでマナミもまた、古からくる空手の技術の軸になるものを大切にし、また高い水準でソレらを体現できるようになりました。
でも、そのことを喜ぶこと以上に、今回の経験を通してマナミの中に、実感としての発見が、より多くあることを、心から願ってます。(^-^)
【今日の一枚】
★写真は‥マナミ。
【道場長のヒトコト】
☆『マナミ、優勝おめでと―! しかし、浜松女子部は活気に溢れている。全国的に見ても、すでにマナミやサワの時代が来ているのかも?』(^-^)v