私が浜松地区で指導をするようになって3年半がたちました。
指導を始めて一年もたたない頃、入会してきたのがケンシンです。
基本的には人見知りをするケンシンなのですが、そのような中でも仲良しになったカイトウとは、ともに空手の稽古を頑張ってきました。
道の途中、いつしかその友達も遠い地に引越しをすることになり、稽古前の時間など、壁にもたれながら、まわりの子供達が遊ぶ姿を静かに見つめる、そんなケンシンの姿が目立つようにもなりました。
そのような状況も続けば、すぐに空手をヤメたくなる子も多いのですが、おそらく遠い地で、空手の稽古を頑張っているであろう友達にも負けないよう、あきらめることなく空手を続け、一つの結果を出すまでになったのです。
通常、少年黒帯を取得するまでに5年~7年ほどかかる子が多い中で、彼は3年かかっていない。浜松地区の昇段者としては、おそらく最速なのでしょう。
ウチの道場だけでも週3回の稽古をし、コンスタントに審査会や大会に参加し、技や感覚を鈍らせなかったのも効果的だったのかも知れませんね。
頑張ること‥それは人によっても生活のカタチは違うので、その枠の中で精一杯ヤることが大切なのですが、頑張るということの基準も人それぞれ微妙に違ってきたりもします。
しかし‥とは言っても、やはりケンシンの頑張りは‥
『イヤ、それだけヤってきたんだ!』
と言えるもの。
全日本新人戦優勝、全日本4位入賞、全国茶帯T優勝と、その成績は輝けるものに。
それでも、組手になるとかなり強気なケンシンですら、高台強化稽古では、何度も涙する場面があったほど。
泣けるほどの稽古を重ねてきた‥そういうことなのです。
少年空手と考えても、年間を通して、これだけの緊張感の中で稽古を続けることはタイヘンなのですが、このような結果を出せた一番の要因としては、物事を中途半端にしなかった本人の努力と、御両親の御協力のおかげだと、私は思ってます。
そんなケンシンが、黒帯を受け取る時に言いました‥
『良い時代に入会できました。井口先生の指導と、強い先輩や仲間達のおかげだと思います。ありがとうございました!』
あの人見知りのケンシンが、素晴らしい言葉を。
一つのことを一生懸命に続けることと、その中から何かに気付くということは、こんなにも子供を成長させるのかと思うと、あらためて大きな感動を覚えます。
だから、これからも沢山の子供達の成長の瞬間に出逢いたいですし、成長を促進させる方法論ひとつ、私自身、更に勉強して行きたいと思ってます。子供達のヤル気に負けてられないですからネ(笑)
最後に、そんなケンシンのヤル気に満ちた言葉を御届けします‥
『今後の目標としては、弐段を目指して頑張ります!』
☆ケンシンおめでとう!☆(^-^)v