サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

冬季デフリンピックに メディアではなく一観客として来た理由

2024年03月04日 | デフリンピック

トルコ・イスタンブールに到着、これから冬季デフリンピック開催地エルズルムに向かいます。

デフリンピックに来るのは今回で3度目、過去2回は全て夏季大会です。
最初は2009年の台北大会、女子サッカーチームに帯同する形で映画「アイ・コンタクト」撮影のためでした。
2度目は2013年ブリガリアのソフィア大会。ペン記者としての参加でした。
男女サッカー、女子バレー、ハンマー投げ森本真敏選手、水泳茨隆太郎選手を取材し、サッカー、バレーに関してはweb記事を書きました。単行本にまとめるつもりで出版も決まっていたのですが、担当者の辞職により本の企画が消えてしまったのはとても残念でした。その影響もあって自己負担率97%でした。
実は今回の前にも行く予定だった、幻の3度目のデフリンピックもありました。
2022年のブラジル、カシアス・ド・スル大会です。
とある女子サッカー選手を対象とした短編ドキュメンタリー撮影のために渡航予定でしたが、ブラジルの新型コロナウィルス感染拡大を受け、資金の一部を出してくれることになっていたところからNGが出て渡航断念。

今大会からフットサルが冬季競技として正式に採用され、男女フットサル日本代表の生観戦&応援がベースですが、他競技もできるだけ観れたらと思っています。

今回は初めてメディアとしてではなく観客として渡航することになったのですが、それは何故か?
経緯を書き記しておきます。

デフフットサル女子日本代表チームは2011年のデフフットサルW杯に参戦するべく立ち上げられ、初参加の大会は9位に終わったものの、その後、6位(2015年)、5位(2019年)と順位もあがり、本気で世界一を狙えるチームへと成長進化していきました。
2023年11月のW杯は、映画「アイ・コンタクト」に出演していた選手たちや2013年ブルガリアデフリンピックに帯同取材していた当時の選手たちの、いわば集大成とも言える大会であり、選手たちの熱い想いを受け長編の可能性も探りつつ最低限10分ほどの短編ドキュメンタリーを作る予定で、2021年夏より代表チームの撮影を始めました。

しかしながらブラジルデフリンピックに関する以下の記事に関しての、日本ろう者サッカー協会とのやり取りのなかで昨年5月の撮影を最後にストップせざるを得なくなりました。

Paraphoto ブラジルデフリンピック 未完の闘い
https://www.paraphoto.org/?p=36311

ブラジルデフリンピックでは、日本選手団に新型コロナウイルス感染が広がり、選手団全体が棄権するという形で大会を終えました。
日本にいる身からすると何が起こっていたのかよくわからず、デフサッカー選手やスタッフに取材して事の顛末を把握し、上記の記事の2倍ほどの長さの記事をまずは書きました。

そして、選手、スタッフ、及び日本ろう者サッカー協会に記事を読んでもらいました(一昨年9月)が、協会が難色を示したため取材した内容は、試合の感想や日本選手団医療スタッフへの感謝の言葉も含め、全て自主的に削除しました。
ですから現状の記事(昨年5月アップ)は、ネット上で読める各競技団体のSNS等や、全日本ろうあ連盟のHPや質問に対する返答のみを元にして記事を書いたことになります。
そのちょうど同時期(昨年5月)、デフフットサルW杯に向けて撮影を続けていたものを長編映画「アイ・コンタクト2」にしようと決意を固めて、いろいろと準備を進め日本ろう者サッカー協会にも映画化を打診しましたが、私の振る舞いや言動、記事の内容に問題があったとのことで、断られ、映画のみならずその後の全ての撮影取材も拒否される状況となってしまいました。
私としては記事に関しての一連のやり取り等についても、日本ろう者サッカー協会の意向を最大限尊重し誠意をもって対応してきたつもりでしたし、到底納得できるものではありませんでした。
その後、常識に照らし合わせて何度振り返って考えてみても、あるいは第3者に意見を求めてみても、納得できませんでした。
もちろん私の方で反省すべき点もあるでしょうし、私の振る舞いや言動に問題があるというのならば具体的な説明がほしいと連絡をしましたが、その後は無視されています。

結果として、昨年11月に開催されたデフフットサルW杯の撮影は叶わず、世界一となった、その場に立ち会えなかったのは本当に残念でした。

そして冬季デフリンピックが迫ってきました。女子フットサル日本代表チームを応援したいという思い、ことに2007年より(あるいはブルガリア大会から)見続けた女子選手たちを、肉眼で見届けたいという思いを抑えられず、今回のデフリンピックには観客として渡航することにしました。 

もちろん大会主催者側に申請すれば取材は出来ますが、協会から取材拒否されているなか、その選択が良いとも思えず、そうはしませんでした。

私は過去、拙著「アイ・コンタクト」(岩波書店・2011年)のなかで、デフサッカー女子日本代表サポーター第1号宣言をしました。
その当時の選手たちもフットサルに場を変えて残っていますし、応援する気持ちに変わりはありません。

こちらの状況はともかく、デフフットサル女子日本代表には是非とも優勝目指して突き進んでほしいと切に願っています。
もちろん男子フットサルチームもしっかり観ます!



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