街を歩くと、やたらとフリーペーパーに遭遇します。駅前で手配りしていたり、お店の前のスタンドに置かれていたり、駅構内に設置してあったり。その種類や数って、首都圏では一体どのくらいあるんでしょうか? ざっと挙げてみても…
○ お店情報では「Hot Pepper」「CouponLand」とか
○ 雑多な情報系では「ZWRO90」「TOKYO HEADLINE」とか
○ 住まい情報系では「タウンズ」「マンションズ」とか
○ 仕事情報系では「Free an」「Yumex」「TOWN WORK」「DOMO」「Job aidem」とか
○ マンガ雑誌もあったり「コミック Gumbo」なんて
その中で量が1番多いのは、やはりアルバイトを始めとした、求人関連かな? ぼくが大学世の頃は、アルバイトの求人を知る手段は、おおむね4つでした。1つは、大学が紹介するものを掲示番で見る。2つめは、学生を支援するNPOみたいのがあり(確か四ツ谷にあった)、そこへ行って掲示やファイルを見る。3つめは、大学の先輩や同級生達、あるいは同郷の友人などからの紹介=口コミ。4つめに、アルバイト情報誌。
今は、先に紹介したようなフリーペーパーでアルバイトを決めるのが主流なんでしょうか? 当時(1980年代)アルバイトの情報誌といえば確か、学生援護会の「アルバイトニュース」か、それより後はリクルートの「フロム・エー」が、書店やキヨスクで売られている程度でした。100円か200円で、この代金は丸々書店やキヨスクの収入で、出版元は置かせてもらっているだけという話だった気がします。
【商品パッケージのアンケート回答】
で、今回紹介するバイトは、「アルバイトニュース」でみつけたものかというと全然そうではなく、またまた大学の先輩からの口コミ紹介案件。仕事の時間は、前回紹介した業界新聞配布より更に短い時間です。バイト代を稼いだというより、謝礼を受け取った、といった方がいいかも知れないような内容ですぅ。
①職種
デザイン開発中の、商品パッケージの印象について、質問に答えるのが役割。
②給料
1980年頃代はじめ頃、回答する場所に行って帰る時間を含め、2時間程度で3000円ぐらい。
③メリット
印象を答えるだけなので何を覚えることも必要なく、時間あたりでみても至極割が良い。
④デメリット
同じバイトでを一定期間やったり、繰り返しやったりはできない、純粋スポットしかない。
⑤やったきっかけ
サークルの場所に溜まっていたら先輩に、「今すぐ行ってこい」といわれた。
⑥総合判定
その場限りのあぶく銭ですね、しょせん。
⑦コメント
再びというより、毎度のことサークルの溜まり場で、何をするともなくウダウダしていました。ブラックジャックやったり、サークルノートに下らない落書きをしたりして。「野球はチアガールがいたりして、応援が華やか。同じようにプレイ間にインターバルがたっぷりあるスポーツ、<すもう>には、なぜチアガールの応援を導入しないのだ?導入すると…」なんて類の、世の中に役に立つ可能性は皆無の、ジャンクな落書きです…。
時刻は夕方にならんとする頃、しばらく顔を見なかった4年生の先輩が、2人連れ立って騒がしく登場いたしました。何の生産的なこともしていないぼくらに向かい「お前ら、今からココへ行ってバイトしてこい!」と、略図が書かれている紙を示します。見ると場所は、大学からほど近い、先輩達によると「歩いて、15分程度で着く距離」です。
ウダウダしていたぼくを含む数人は、バイトの内容とバイト代を聞き、さっそくそこに電話したうえで行くことにいたしました。「××市場調査研究所」という名前の、調査会社とおぼしきその会社は、麹町の方にありました。マンションの1階が半地下のようになっていて、店舗やオフィスが入居している、そんなたたずまいのビルだったと思います。
到着すると、1人1人別の部屋に誘導され、さっそくアンケート質問に入ります。部屋の中は比較的暗く、一般のオフィスのような白い蛍光灯ではありません。壁に電球色の間接照明が配されています。最初に年齢や住所を聞かれ、その後、現在開発中と思われる、男性向け香料のパッケージを見せられます。ぼくの前にパッケージをおいて、きちんとパッケージには照明を当てて、その印象を聞かれます。
回答は、ほとんどが選択式だったように思います。高級感についてはa.~、b.~、c.~。好感度に関してはa.~、b.~、c.~、といったような。確か2か3種類ほどのパッケージを見ながら回答を進めていき、都合、60分程度の質問と回答時間だったように記憶しています。
回答が終了すると、例によってバイト代を受け取り、領収書に署名をします。バイトというより、やはりアンケート回答の謝礼というのが正しそうですね。そうして一緒に来たみんなが終了するのをロビーで待って、みんなそろったところでぼくらは、トボトボと大学のサークルの溜り場にもどるのであります。街はもう、すっかり暗くなってしまった時刻。
大学では、ぼくらにこのバイトを命じた先輩達が待っていて、受け取ったお金で、飲みに繰り出そうということなわけですね。先輩達と入った居酒屋では、みんなが思っていただろう疑問を、誰かが話題にしました。
「しかし、紹介でアンケート回答者を集めるのはいいけれど、俺達みたいな貧乏男子学生(しかも毎日ウダウダしてる)の回答ばかり聞いたんでは、相当ズレたご意見の塊ということに、なっちゃわないかしらん?」
「あっそれ、やっぱみんな思ってた? いいのかな貧乏学生に偏った意見でどのパッケージにするか決めちゃって、売れずに終わっても」
なんて反応が、まあ当然出ます。しかし、世の中に何の責任も感じず、ましてや貢献するなんて夢にも考えていないぼくらは、この類のテーマでは盛りあがらず、話題は移ろいます。
「ところで野球みたいなインターバルのあるスポーツでは、チアガールなんかがいて応援して盛り上げるじゃん。なんで<すもう>は、インターバル長いスポーツ王様なのに、チアガール応援しないんだろうね?」とぼく。
「そうだなぁ…アメラグだって、チアガールいるもんね」とすかさず反応が。
「立ち合いまでの仕切りの間に、おすもうさんごとにチアガールが入れ替わって、××山ぁ~、上手投げっ!とか、○○海ぃ~、突き出しぃ!なんて、決まり手ポーズでチアリーディングがあったら楽しいよね」と、
イメージは次々とふくらみ、居酒屋での飲み会は、世の中の役に立つはずもない話題で、おおいに盛りあがっていくのでした…。
ところでこの後日、毎度のウダウダ状況時に、今度もまた先輩がやってききました。
「NHKのお笑い番組の収録に観客として入り、笑って拍手して3千円ってバイトやらない?」と、みんなを誘います。
いわゆる、<さくら>ですね。さすがにぼくはこの時は、別の用事があって行けませんでした。ザンネン。
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次回は、「リポート6.学習塾の講師」を紹介しようかな。大学生のバイトの、王道といえば王道ですよね。
○ お店情報では「Hot Pepper」「CouponLand」とか
○ 雑多な情報系では「ZWRO90」「TOKYO HEADLINE」とか
○ 住まい情報系では「タウンズ」「マンションズ」とか
○ 仕事情報系では「Free an」「Yumex」「TOWN WORK」「DOMO」「Job aidem」とか
○ マンガ雑誌もあったり「コミック Gumbo」なんて
その中で量が1番多いのは、やはりアルバイトを始めとした、求人関連かな? ぼくが大学世の頃は、アルバイトの求人を知る手段は、おおむね4つでした。1つは、大学が紹介するものを掲示番で見る。2つめは、学生を支援するNPOみたいのがあり(確か四ツ谷にあった)、そこへ行って掲示やファイルを見る。3つめは、大学の先輩や同級生達、あるいは同郷の友人などからの紹介=口コミ。4つめに、アルバイト情報誌。
今は、先に紹介したようなフリーペーパーでアルバイトを決めるのが主流なんでしょうか? 当時(1980年代)アルバイトの情報誌といえば確か、学生援護会の「アルバイトニュース」か、それより後はリクルートの「フロム・エー」が、書店やキヨスクで売られている程度でした。100円か200円で、この代金は丸々書店やキヨスクの収入で、出版元は置かせてもらっているだけという話だった気がします。
【商品パッケージのアンケート回答】
で、今回紹介するバイトは、「アルバイトニュース」でみつけたものかというと全然そうではなく、またまた大学の先輩からの口コミ紹介案件。仕事の時間は、前回紹介した業界新聞配布より更に短い時間です。バイト代を稼いだというより、謝礼を受け取った、といった方がいいかも知れないような内容ですぅ。
①職種
デザイン開発中の、商品パッケージの印象について、質問に答えるのが役割。
②給料
1980年頃代はじめ頃、回答する場所に行って帰る時間を含め、2時間程度で3000円ぐらい。
③メリット
印象を答えるだけなので何を覚えることも必要なく、時間あたりでみても至極割が良い。
④デメリット
同じバイトでを一定期間やったり、繰り返しやったりはできない、純粋スポットしかない。
⑤やったきっかけ
サークルの場所に溜まっていたら先輩に、「今すぐ行ってこい」といわれた。
⑥総合判定
その場限りのあぶく銭ですね、しょせん。
⑦コメント
再びというより、毎度のことサークルの溜まり場で、何をするともなくウダウダしていました。ブラックジャックやったり、サークルノートに下らない落書きをしたりして。「野球はチアガールがいたりして、応援が華やか。同じようにプレイ間にインターバルがたっぷりあるスポーツ、<すもう>には、なぜチアガールの応援を導入しないのだ?導入すると…」なんて類の、世の中に役に立つ可能性は皆無の、ジャンクな落書きです…。
時刻は夕方にならんとする頃、しばらく顔を見なかった4年生の先輩が、2人連れ立って騒がしく登場いたしました。何の生産的なこともしていないぼくらに向かい「お前ら、今からココへ行ってバイトしてこい!」と、略図が書かれている紙を示します。見ると場所は、大学からほど近い、先輩達によると「歩いて、15分程度で着く距離」です。
ウダウダしていたぼくを含む数人は、バイトの内容とバイト代を聞き、さっそくそこに電話したうえで行くことにいたしました。「××市場調査研究所」という名前の、調査会社とおぼしきその会社は、麹町の方にありました。マンションの1階が半地下のようになっていて、店舗やオフィスが入居している、そんなたたずまいのビルだったと思います。
到着すると、1人1人別の部屋に誘導され、さっそくアンケート質問に入ります。部屋の中は比較的暗く、一般のオフィスのような白い蛍光灯ではありません。壁に電球色の間接照明が配されています。最初に年齢や住所を聞かれ、その後、現在開発中と思われる、男性向け香料のパッケージを見せられます。ぼくの前にパッケージをおいて、きちんとパッケージには照明を当てて、その印象を聞かれます。
回答は、ほとんどが選択式だったように思います。高級感についてはa.~、b.~、c.~。好感度に関してはa.~、b.~、c.~、といったような。確か2か3種類ほどのパッケージを見ながら回答を進めていき、都合、60分程度の質問と回答時間だったように記憶しています。
回答が終了すると、例によってバイト代を受け取り、領収書に署名をします。バイトというより、やはりアンケート回答の謝礼というのが正しそうですね。そうして一緒に来たみんなが終了するのをロビーで待って、みんなそろったところでぼくらは、トボトボと大学のサークルの溜り場にもどるのであります。街はもう、すっかり暗くなってしまった時刻。
大学では、ぼくらにこのバイトを命じた先輩達が待っていて、受け取ったお金で、飲みに繰り出そうということなわけですね。先輩達と入った居酒屋では、みんなが思っていただろう疑問を、誰かが話題にしました。
「しかし、紹介でアンケート回答者を集めるのはいいけれど、俺達みたいな貧乏男子学生(しかも毎日ウダウダしてる)の回答ばかり聞いたんでは、相当ズレたご意見の塊ということに、なっちゃわないかしらん?」
「あっそれ、やっぱみんな思ってた? いいのかな貧乏学生に偏った意見でどのパッケージにするか決めちゃって、売れずに終わっても」
なんて反応が、まあ当然出ます。しかし、世の中に何の責任も感じず、ましてや貢献するなんて夢にも考えていないぼくらは、この類のテーマでは盛りあがらず、話題は移ろいます。
「ところで野球みたいなインターバルのあるスポーツでは、チアガールなんかがいて応援して盛り上げるじゃん。なんで<すもう>は、インターバル長いスポーツ王様なのに、チアガール応援しないんだろうね?」とぼく。
「そうだなぁ…アメラグだって、チアガールいるもんね」とすかさず反応が。
「立ち合いまでの仕切りの間に、おすもうさんごとにチアガールが入れ替わって、××山ぁ~、上手投げっ!とか、○○海ぃ~、突き出しぃ!なんて、決まり手ポーズでチアリーディングがあったら楽しいよね」と、
イメージは次々とふくらみ、居酒屋での飲み会は、世の中の役に立つはずもない話題で、おおいに盛りあがっていくのでした…。
ところでこの後日、毎度のウダウダ状況時に、今度もまた先輩がやってききました。
「NHKのお笑い番組の収録に観客として入り、笑って拍手して3千円ってバイトやらない?」と、みんなを誘います。
いわゆる、<さくら>ですね。さすがにぼくはこの時は、別の用事があって行けませんでした。ザンネン。
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次回は、「リポート6.学習塾の講師」を紹介しようかな。大学生のバイトの、王道といえば王道ですよね。