顔の表裏
人は誰でも表の顔と浦の顔を持っている。それは昼と夜とが一つをなしているのと同じで、自然の摂理である。
表の顔しか見せないというのは、不気味である。
自然は陰陽一対の法則によって成り立っている。
そしてほどよく、両者のバランスがとれているのが望ましい所だが、現実にはそこには明らかに、 乖離がある。
人間は知恵があるから具体的には知性と情、建前と本音をうまく使い分けている。だからこそ、平穏無事に生きられるわけで、本音をむき出しにして生きることを避けて、よしんば本音を出すにしても、オブラートに包んで上手に出す。
それが人間というものである。