日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

山賊問答

2009年11月22日 | Weblog
山賊問答

山賊
今日の収穫は、金持ち老人だった。なんの抵抗もなく、一獲千金だ。ハっハっハー。これだから山賊稼業は止められない。

じいさん
こりゃ、こりゃ。また、悪いことをしおって。いつになったら、こんな稼業から足を洗うのだ。

山賊
足なんか洗うものか。こんな山奥で、これ以外にどんな稼ぎがあるというんだ。

じいさん

そういえばそうだな。この稼業は、この山の中の村の住人にとっては命綱だからな。田もない。畑もない。山の恵みもぐっと少なくなってきたしの。

山賊
この村を横切る1本の道を通らないと、町へ通じる道がない。旅人はすべてこの道を通らねばならん。そこが獲物をとる最大の場所だからさ。
一般通行人には、難所に違いないが、この村の住人にとっては、最大の御恵みの場所だ。

じいさん
昔、われらの時代は、山賊などやらずに、その代わりに、樵をやったものだ。食うや食わずの貧しい生活だったが、それでも、平和に暮らせた。

山賊
じいさん。時代は変わったとるぜ。俺達だって生きていくためには、他人の物を無法に奪ってでも、命をつないで生きていくしかないじゃないか。
そのために、心を鬼にして、通行人の金品や命を奪ったり脅かしたりして、日々の暮らしをしている。それは世に言う道徳の範疇を超えているが、生きていくためには、悪いこととは思うが、仕方のないことだ。

じいさん
自分が生きるために、他人を殺して金品を奪うか。、、、釈然としないわい。

山賊
じいさん。もう、あんたたちの時代が過ぎて、俺達の時代になっている。そこのとこ、わかってくんな。

じいさん
うーん。、、、、自分が生きるために、悪事をはたらくか。、、、
困った世の中になってしもうたのう。