日々雑感

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神谷美恵子、魂の助言者

2009年11月29日 | Weblog
神谷美恵子、魂の助言者

今日の朝日新聞の夕刊に「神谷美恵子、魂の助言者」
と言う見出しで彼女のことが紹介されている。女史については「心の旅路」を読んでいたく感動した記憶が在る。それはハンセン病患者に対する思いである。医学が今日のように発達していなかった時代に、ライ病患者の人権は無きに等しいものであった。患者は現世ではなんの光明も見いだせず、隔離された閉鎖社会で生涯を終わらなければならなかった。いわゆる業病である。
ハンセン病療養所・長島愛生園で患者に触れて彼女が作った詩がある。

何故私たちでなくてあなた方が?
貴方は代わってくださったのだ。
代わって人としてあらゆるものを奪われ
地獄の責め苦を悩み抜いて下さったのだ。

島行きは私の実践として、自分の思想を生きるところとして、是非とも必要なのだ。あそこで通用しうる思想しかほんものであり得ない。というのが私の迷信なのだ。あそこで生まれあそこで生きられた思想をかくこと、それが私のなすべき事ではないか。と日記に記しているそうである。

社会的弱者への深い理解や愛情にあふれ、悩み、病み、苦しむ人とおなじ目線で共に歩む。そんな「魂のカウンセラー」が神谷だった。彼女は激務から病になって愛生園を去る。と新聞は紹介している。

彼女の思想や実践はマザー・テレサや、壺阪寺の長老故常盤勝憲師と軌道を同じくして、その人類愛には尊敬、敬仰以外の何物でもない。己をむなしうして他人に奉仕する魂のすばらしさは称賛以外の何物でもない、と思うと同時に私は憧れる。少なくともそう言う気持ちを持って生きたい。

人間としてみた場合、なんと崇高な魂の持ち主か。と私はただただ感嘆する。こういう崇高な人は滅多に現れるものでないが、日本人では幸い、一人は生身の人間として、そして一人は著書でこの世に存在したことを知った。

日本だけでなく、世界特にインドのハンセン病患者1000万人を救おうとして、立ち上がり、そのための組織を作り先頭に立って、慈悲あふれる活動をしたのが、奈良県にあるお里沢市で有名な寺・壺阪寺の故常盤勝憲和上である。釈迦の説いた慈悲を施すために生まれてきたようなお方である。
現在の日本の福祉の原点は戦後まもなく彼が厚生省に交渉してはじまった。つまり福祉の原点の種をまいた人と言っても過言ではない。その発想は寺が経営している、盲老人ホーム・慈母園での経験が生かされている。

新聞の夕刊は本当に読むところがなく、このような記事に出逢って久々感動を新たにした。