日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

ただ呆然

2010年03月28日 | Weblog
ただ呆然

バイクには乗るなと注意した。それでも最後には、絶対乗らないでくれと、懇願調になって頼んだ。

、しかし、彼はある日、天国の住人になってしまった。

お通夜の日。僕は彼の亡骸を前に,悔しさと悲しさで涙を流した。

本来自分でできることは完全に成し遂げたかどうか自問した。これ以上できないというところまでは努力したつもりである。
ところが結果がこうでは,それはつもりの域を出ない。

体を張って彼をつなぎ止めておくと言うことは不可能だし,この事故は、避けられないことであった。と自分なりのいいわけをした。

かわいそうに、彼のお母さんにとっては、ひとり息子を失った。この息子が、いなくなると、彼女の人生もまた、なくなってしまうような惨劇である。そして、彼はすでに鬼籍入ってしまっている。

枕もとに立っている僕。座っている母親は、と見ると彼女は悲しみの涙を流さない。あまりにショックが大きすぎると涙も出ないのだろうか。悲しむと言う感覚はどこかに消え失せて、ただ呆然とした表情で,顔は蒼白、おそらく頭が真っ白に、なっていたのだろう。

こういうことって、人生にはあるんだ。なんの因果のめぐりあわせか知らないが、人生には、こういうことがある。
人間にはどんなことでも、おのずと限界がある。まして、教師が生徒に対する指導力なんていうもは限界ばかりで、直ぐに壁に突き当たる。
僕は自分の非力をつくづく感じた。いや思い知らされた。