日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

荒城の月6-44

2013年10月26日 | Weblog
荒城の月

小学校や中学校で習ったというよりはいつの間にか身についた歌である。春高楼の花の宴、、、、、、という書き出しで始まる漢詩風の詞は20代の作者のそれではない。土井晩翠なんて名前からして、かたそうな人物の作品。
で40代以降の作品だろうと想像したところが、調べてみるとこの詩は現在の東京芸大から依頼されて28歳の頃に作ったそうである。明治生まれの人は漢学の素養があったから、あんなふうに作ったのだろうが、彼は英文学者で教鞭を執っていたそうだ。

この詩にぴったりの曲をつけたのが滝廉太郎。弱冠21歳の時である。
作詞者も作曲家も現代の作品とは比べ物にならないほどその格調が違う。現代の歌は軽くなりすぎて鼻紙のように薄っぺらで、生まれてはすぐ消えていく。荒城の月の格調の高さとは比較するまでも無い。

その違いのよってきたるところは専門に勉強した人々の作品か、素人にちょっと毛が生えたくらいの作者の作品かという点であろう。それにしても21歳でよくもあんな荘厳で重々しい深みのある曲を作るものだとその才能の偉大さに思わず脱帽する。
時代が人を作るのかのかそれとも人が時代を作るのか考え込んでしまう。