昨夜はケルト音楽のコンサートに行って来た。
このすみだトリフォニーホールは新日本フィルの本拠地でもあり音響が素晴らしい事でも
有名だ。またプログラムがオーチャード・サントリーホールと同一も物でも多少お安く
鑑賞でき穴場的ホールである。先月はアルゲリッチも来ていたがさすがアルゲリッチ
トリフォニ―でもチケットがかなりの高額でとても手がでない金額でした。
それでもこのホールは我が家からは歩いてもほど近く、近くにこの手のホールがあるとは
とても幸運な事だ。
ここはあまりお宜しくない席でも音響に問題が無いと聞いたので今回はB席、3階の後ろ
の席を取ってみた。
うわさ通り音響にまったく問題はなく、これからもこのレベルの席でいいな。
さて昨夜の出演者。まずデンマークはフェロー諸島からのヴァルラウン。この女性ボーカルは
まるでヴィヨークのようだった。裸足で歌っていたし。それにしても古典楽器が紡ぎだす
サウンドは魂にドーン!ときましたよ。古典楽器とエロクトロニックの融合がどういう訳か
日本の祭りを彷彿とさせる。木管は尺八のようであり弦は津軽三味線、ドラムは和太鼓。
昔NHKで岡林信康が自分の音楽を追求したら「エンヤトット」のリズムに行きついたとかで
到底鑑賞に堪え得ない音楽を披露していたが、皮肉な事にこの北ヨーロッパから来た
グループは私の奥底に眠る「エンヤトット」を揺さぶり起こしてくれた。遥か悠久から脈々と
続くDNAが世界を一つと認識させてくれる。しかし日本のミュージシャンにありがちだが
結局自分たちのやってきた音楽は欧米のコピーでしかないと気付きオリジナルを求めると
日本のフォークに行きつきしかし安易でしかないその発想は成功した事がないのでは
ないだろうか?
お次はラウーというUK(スコットランド)のグループ。BBCフォークアワードを3年連続獲得
したという実力若手グループ。ギター・アコーデオン・ヴァイオリンというシンプルな構成にも
かかわらず、重厚で迫力のある音を作り上げていた。これも素晴らしかった。
トリはルナサ。アイルランドのグループでバグパイプの簡易てきなパイプが加わる。
このパイプが欲しい!このグループは日本でも人気のあるケルト音楽の第一人者だ。
今回一番心に残ったのはヴァルウランのマーチング太鼓。あの古典的な太鼓の音が
かけねなしに心に響いた。最近ヨーロッパ系ロックでもマーチングドラムを多く取り
いれているバンドがみられる。何と言ったら良いか?とにかくグルーブ感がある。
またUKバンドが私は好きだが、彼らの底辺にある今回のケルトの音楽にふれ、日本人に
受け入れやすい要素が理解できた気がした。
好きなUKバンドの一つカサビアンの「エンパイア」。カサビアンのPVはとても暴力的な
ものが多いがこれは大英帝国が歩んできた道のアンチテーゼなのだろくか?