珍しく録画までした「ザ・メモリアル・トーナメント」の総集編を昨夜、見ていると
冷静に見られるので、ライヴの時には気がつかなかったいろいろな事が見えるんだね~
良い映画を何度となく繰り返し見るたびに新しい発見とか解釈とかに出会うのと同じだ。
そして改めて思った事
松山君、攻めすぎ
最終ラウンドは終始、超攻撃的なゴルフに徹していたんだな~。
若さだね~・・・
若さの分、自信のあるアイアンでここしかないという狭いグリーンを
これでもかというくらい狙い続けている。
最終日ですよ~優勝争いでトップにも立っているその時にですよ~。
松山英樹というゴルファーは普通の時にも大胆な攻めのゴルフを見せる。
まあそこが魅力でもあるわけだよね~。
そして粘り強く、どんなに不利になっても不死鳥の様に蘇ってくる
とにかく、日本においては規格外のゴルファーなわけだ。
今朝早くからコンビニに出かけスポーツ紙を買いあさった
なんたって記念すべきアメリカでの一勝目だもんね~、買っちゃうよ~そりゃあ
ジャック・ニクラスの談話を何度も読み「うんうん・・」と目を細め、
松山君をよく知る方々のコメントに思わず笑ったり・・・
話を戻して、超攻撃的だった今回のメモリアル・・その結果、勝ちを難しくしてしまっていた。
uspga公式サイトでも 歴代のツアーチャンピオンの中でもstrokes gain-puttingが
22番目の悪さらしい。-0.026グリーン上でパターを使う時にボールを沈めるまで
パターを使う回数が少なければ少ないほど良いわけで。
少ない選手は「プラス」になり多い選手は「マイナス」になります。
ただし、この数値で勝ったという事は「決めなければならないパットは確実に決めていた」
とも読み取れ、逆にそういう力のある選手こそ真に強い選手という事もいえるんだよな。
この歴代の悪いチャンピオンにはタイガーもマキロイも上位にいますよ
そのネガティヴな部分は松山君本人も十分わかっていて
「今回の様なプレーをしていてはメジャーでは勝てない」と頼もしい事を言っている
分っていればいいんだよ~英樹君←偉そー――
今回、スポーツ紙の梯子をして感じたのは、
松山君はホントにゴルフが好きなんだな~という事。
ゴルフしか目に入らないんじゃないかな~???
鈍感とか大物って言われてるけれど本人は幼い子供が自分の興味のあるものに
出会うと目をキラキラさせて、この世には自分とその興味の対象しか存在しないかのような
集中を見せるでしょ
松山君ってまさにゴルフの時はそれ状態なんだと思うよ。
「大物と回っても動揺しない」だから「鈍感力が良い方に作用している」とか言われてるけれど
彼にしてみれば興味の対象はゴルフそのものなので、
自分が向き合うべき事は1ホール1ホール、1ショット、1パット、コースそのものとしか
考えられないので、相手がタイガーであろうと、同伴者がどんなゴルフをしようと
影響されないんじゃないかな~
自身のゴルフ向上の為に、もちろん同伴者から盗むべきプレーがあれば
めちゃくちゃ注視してるもんね
良く言えばボビー・ジョーンズの「オールドマン・プレー」を
生まれながらに出来る人・・とも言えるのかもしれない。
その事が、悪くも作用して、他の事に関心が向かないから、
おそらく性格がとてもおおらか悪く言えば大雑把な為に
ちょっとした失敗(マナー等も含めて)をやってしまうのね。
アメリカの女子ゴルフで殿堂入りもしている岡本綾子さんも
かなりアメリカで嫌がらせを受けたと日経の「私の履歴書」で書いていた。
力のある選手だとわかると、そのような洗礼を受けるらしい
あちらは本当に実力主義なので、どうでもよい物はどうでもよく、
日本人には不慣れなポジティヴな言葉の数々で乗せてくれるけれど、
「芽が出そうなものは出ないうちに摘んでおけ」ってな感じなのかしら?
でも、それが立派に伸びて実を結ぶと、心からリスペクトしてくれるらしい。
なので松山君も私から言わせれば「いちゃもん・・」としかとれない事で
散々わずらわされた。
今回も最終ホールでドライバーのシャフトが折れた事で、
日本のゴルフ協会理事の川田太三まで「3勝、4勝するにはもっと洗練されないと」
と地面を叩こうとした行為に注文をつけたらしい。
他の有名プロ(無名でもね)の行為見てる人が言ってるんだよ???
日本人だって、ふがいないプレーの時に用具にもっとひどく当たる有名選手いっぱいいるでしょ?
昨年、実際に松山君のプレーを近くで見て、まったく感情を激しく出すタイプでは
ないもの。
あの紳士的な振る舞いで有名なアダム・スコットだって、あの程度は打ちつけてたよ~。
official World Golf Rankingの記事でも
「 Matsuyama, playing without a driver after the head snapped off
when he gently slammed it to the ground following his tee shot on the 72nd hole,
drove into a bunker and missed the green left. But he got up-and-down from the rough,
flopping his third shot to 10 feet before sinking the par putt for the win.」
「優しーーく地面に振り下ろした」んですよ~
今回の松山君はドライバーを叩きつけたってほどではない事はわかるはず・・
なのでこの件を中島常幸は「アクシデントに動じない懐の深さ、おおらかさと持っている」
と評しているわけよ~。
まあね、日本人のお偉いさんですら、こんなトンチンカンな発言をする人もいるわけだから、
天然の松山君はアメリカでも誤解を受ける事も、多々あるでしょう・・
口も上手くないしね・・英語も赤ちゃんほどにも話せないだろうし・・
しかしね、こんな記事がスポーツ紙にあった。
松山君は優勝の労を労う為にスタッフと共に韓国料理店に行ったら、
なーんとそこにはプレーオフで破った相手ケビン・ナがいたんだって~
バツが悪くなった松山君が多少、オロオロしたんじゃない?
ケビン・ナがその様子を察してレストラン・スタッフを大きな声で呼び
「僕達の会計を(10人くらいできていたらしい)あちらに回しておいて!」
ってジョークで松山君の緊張をといてくれたらしいの。
ケビンも良い人だ~
そして、実際に接した人々が少しづつ松山君の素直な性格を知り、
そして誰にも文句のつけようがない実力を持てば、今はいっぱい試されることも
多い分、世界はきっと松山英樹という選手をいっぱい愛してくれるようになるでしょう
プレジデンツ・カップの同僚であるアダム・スコットとキャディのスティーブも
彼をとても大切にしてくれているもの・・
アダムはもちろんナイス・ガイである事はもちろんだけれど、
松山君を認めているからだと思うよ。
アダムのキャディ、 スティーブは長年タイガーのキャディを務めていた事で有名。
そしてアダムのキャディになりアダムをメジャーチャンプへと導いた人。
なので選手を見る目は凄い物があると思う。
そのスティーブまで気を使ってくれるとは一流は一流がわかるのでしょう。
それにしても、私の想像を凌ぐ速さで進化している松山英樹。
準メジャーと言われるメモリアルで初優勝を成し遂げちゃう松山英樹。
ゴルフの帝王、ジャック・ニクラスが松山を評した言葉・・
「この先、10年、いや15年に渡って世界で活躍するプレーヤーの
競技人生の始まりを我々は見ているのだと思う」
これはかつてジャック自身がプロ転向のその年に(’62)に全米オープンで
優勝しその時に多くのメディアが「スターの競技人生の始まりに我々は立ち会っている」
と表現された事をそのまま松山に捧げたものらしい。
何度もいうけれど、こんな選手が日本から出てくるなんてね~ファン冥利につきるわ。
さあ、スター誕生の瞬間を目撃し、浮ついた2日間を送ったけれど、
私もしゃきっと、自分の生活に戻ろう!
再来週まで寝不足はないしね