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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑤

2024-10-05 07:57:16 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.5] 正答「正しいものの組み合わせ ⇒ イと二・・・2」・・・はて?
イ.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法36条において、第2章(単体規定)の実施を補足する採光等の技術的基準を政令に定めるとしている。
 ・設問の昇降機機械室の階段の形状は、政令の建築設備等(第5章の4)の技術的基準に従うものとする。
 ・建築設備等(第5章の4)⇒昇降機(同・第2節)⇒エレベータの機械室(令129条の9)と順に参照する。
 ・階段形状は、令129条の9第五号において、蹴上23㎝以下、踏面15㎝以上と規定している。
 ・従って、設問の記述は、正しい。
ロ.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・法28条1項において、採光有効面積は、居室について政令に定める割合以上とする事としている。
 ・その規定の対象とする居室は、かっこ書きで、政令(令19条2項)で定めるものに限るとしている。
 ・しかし、令19条2項を参照すると、設問の高等学校の職員室は記述されていない。
 ・従って、採光有効面積を、政令に定める割合以上とする本採光規定の対象ではないので、設問は誤り。
ハ.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・地階に設ける住宅の居室は、政令(令22条の2)に定める技術的基準に適合しなければならない。
 ・令22条の2第一号において、イからハまでの、いずれかに該当することと規定している。
 ・従って、全てに該当する必要はなく、設問の「かつ」という記述は、誤り。
二.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令20条2項二号に基づき、採光関係比率が「0.24」である準工業地域の採光補正係数を算定すると・・・
 ・採光補正係数は、「0.24×8-1=0.92」で、「1.0」未満となる。
 ・同二号ロにおいて、水平距離が4m以上の道に面しない開口部の場合の採光補正係数を規定している。
 ・その場合、二号の採光補正係数の算定値が1.0未満の場合は、「1.0」とするとしている。
 ・また、ぬれ縁を除き90㎝以上の縁側がある場合は、算定数値に0.7を乗じたものとするとしている。
 ・従って、採光補正係数は、「1.0×0.7=0.7」となり、設問の記述は、正しい。

なお「正しいものの組み合わせ」を求める問題なので、「イと二」を正しいとしている「2」が正答となる。

2024年10月5日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
コメント
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