I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

カマキリの眼

2006年10月28日 | いろんなお話

                    マクロで撮ったカマキリ。カメラ目線と思いきや…!?

栗林慧(くりばやし さとし)さんってご存じですか?

長崎では長崎の銘菓長崎物語のCM(←知らない方はクリック!)でお馴染みの栗林さんは、長崎県北松浦郡田平町に栗林写真科学研究所を構える昆虫カメラマン。子どもの頃から「いつか自分が虫の眼になって、その世界を表現したい」という夢を追いかけ、自らレンズや機材を発明し、昆虫たちの姿やありのままの自然を写真を通して表現してきました。その成果が世界的に評価され、栗林さんは今年10月16日にレナート・ニルソン賞(スウェーデンの写真家レナート・ニルソンを記念して1998年に設けられ、科学分野で優れた写真を撮った人に贈られる賞)を日本人で初めて受賞したのです! 御歳67歳。もちろん今も現役のカメラマンです

                  

このカマキリを発見した時、いつだったかテレビで栗林さんが「カマキリはとっても表情が豊かなんですよ」とおっしゃっていたのを思い出し、かなり接近した上でさらにデジタルマクロを使って撮影してみました。するとカマキリの表情がこんなにもはっきりと写っていたのです ちゃんと黒目があるのが分かりますか?目線を辿ると、どうやらカメラより私の方が気になっているようです。カマキリから見たら私はかなり巨大な生き物ですからね。私たちの目の前に恐竜が接近してくるのと同じくらいの恐怖感かも知れません

                   

こちらはオンブバッタ。カマキリと同じように接写してみようと思いましたが、これがなかなかうまくいきません。近づくとすぐにピョンと飛び跳ねて逃げてしまうのです

                    

怖いモノ知らずのバッタくんは、姪っ子の靴の上に飛び乗ってしまいました バッタに近づけるのはこれが限界。これ以上近づくと、またまた飛び跳ねて逃げてしまうのです。以前チョウにも接写を試みましたが、近づくとやはりすぐに飛び立ってしまうので無理でした

では、カマキリはなぜあんなに接写することができたのでしょう?

その答えは彼らの身の守り方の違いにありました。カマキリは跳ぶことがあまり得意ではないので、敵が近づいてきた時にカマで威嚇するのに対し、バッタは得意の跳躍で逃げていきます。だから私でもこんな風にカマキリの表情を捉えることができたのでしょう。昆虫たちも生きるためにそれぞれいろんな技を身につけているのですね

ところが、栗林さんはそんなバッタやチョウの表情でさえも実に生き生きと捉えているのです 興味のある方はぜひ栗林さんの写真集をご覧になってみてください。普段は決して見ることのない昆虫たちの姿や昆虫の目線で見た自然の風景を楽しむことができますよ。私にはそんな技術はありませんが、長崎を拠点に頑張っておられる栗林さんを見習って、これからも自然の素晴らしさをお届けすべく、様々な場所でステキな瞬間をカメラに納めていきたいと思います

栗林慧さんのホームページはコチラ→KURIKEN~自然世界の不思議を見よう~