ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

師走

2019-12-02 07:47:29 | 観る
 小銭手にコンサート切符買う師走かな

 昨日のバザー、私個人としては満足する売り上げでした。1万円近い。翌日の今朝、新聞を見て嬉しさに胸がドキドキ高鳴りました。リュカドウバルグが来月モントリオールで演奏します。バザー売り上げ小銭を握りしめ即切符買いました。一番前の席です。

 年金生活になり、生活が苦しくなりコンサート行かなくなりました。夫はめったに行くわけでもなし、あまりけちけちしないで楽しみなと言うけれど、なんかせこくなっちゃってね。それがいきなり目の前にリュカさんの顔が、こりゃ行かなくちゃ。ついでに久々に美術館にも足向けてみよう。同じ週に大好きなイアンボストリッジリサイタルもあり行きたいのはやまやまだけど二つのコンサートは金銭的に渋ります。

 


 さて、バザーの準備しながら、リサイクルアクセサリーに目覚めちゃって、リサイクル大好きなのに何故いままで気が付かなかったんだろうと不思議な気がしました。リサイクルアクセサリーのみでなく人生のあれやこれや人間目覚めるにすんごく時間がかかることってあるんですね。材料費なんて100円ショップで200円ぐらい買い、後は手持ちの古い安物のアクセサリーをばらし、手持ちのアクリル塗って作りました。これがね売れたんですよ。うっそーてなもん。


 お菓子は、ドーナツ、チーズケーキ、カレオダット完売、一番手間暇かかるマドレーヌは6個しか売れませんでした。甥姪のクリスマスプレゼント用に編んだ3点の帽子のうち1点が売れました。来年も参加するかどうかは編み物クラブメンバーと相談して決めます。手作り物は労多くして益ほとんどなしで、そこんとこ受け入れないとやってられません。月火と2日間、レストランオーナーに急用があり不在で一日10時間労働でしたが、たった2日でバザー売り上げ2倍の収入があります。これ考えるとね躊躇する気持ちわかります。でもバザーにお出しするということになると少し気合が入り副産物があるんですね。リサイクルアクセサリに目覚めたことと、自分なりのお菓子レシピができたこと。


むらさきしきぶ

2019-10-30 23:26:12 | 観る
 羽生舞いムラサキシキブ実をむすび

 羽生選手カナダスケート優勝。すごいですね。いまだに毎日一回は羽生選手の追っかけしてます。今回の紫の衣装、落柿舎で見た紫式部の実を思い出しました。実を結ぶとはこれまでの苦労というか研鑽というかが実を結ぶと言う意味で、まだまだ納得がいかないと、自分にとても厳しい羽生がやっと自分なりに100パーセントとは言えないけれど充足したと言わしめたスケートでしたね。羽生、すごいなー。気障でもやっぱすごいしかっこいい。ラッキーアイテムのクマのぷーさん買おうかな。
 
 今週も連ちゃんで日曜日から4日間働き、なんとか1カ月分の在庫ストックにこぎついた。予期せぬことがあるから1カ月の在庫を確保しておきたいとのこと。ヘロヘロ、家に帰るやいなやバッタンキューでよだれ垂らして寝てた。来週からはこれまで通り週20時間労働。もっと働いて欲しいとの要望だが、急を要する以外は楽しいと思える時間以上働きたくない。今回初めてタピオカを作らされたり、鶏の解体をさせられたりした。レストランで働くとは何でもすることなのよといわれ、目まぐるしかったけれど覚えることは山ほどあり、新鮮でもあり、体力の衰えを感じさせられもした。来週の月曜日まで4日間お休み。菜園の始末や、来月はじめて参加する読書クラブの課題図書を読んだりとすることいっぱいある。

 オーナーマダムと雑談しながら心に響いたことがあった。仕事中、モントリオールに住む娘さんからしょっちゅう電話がくる。なんてことない無駄話。夕方になると学校帰りのお孫さんがレストランの片隅で宿題してる。共働きのご両親ゆえ、家に帰って一人でいるよりはと時間をつぶし、忙しい時はレストランのお手伝いしてる。私が若い頃夢見たような家庭。子供がいて孫がいて、、、そのことを言うとマダムはこういった。人生、なにもかも手にはいることなんてないのよ、あなたは子供さんもお孫さんもいないけれど良い旦那さんがいる。私は親孝行の子供や孫に恵まれたけど夫が去っていた(愛人と暮らしてる)。すべて人生でおきることを受けいれ、あるものに感謝しなさいねと。マダムはいまだに夫を愛してる。そのことは会話の端々から痛いほど伝わる。強制収容所で、難民キャンプで、地獄を潜り抜けてきた二人、移民としてカナダにわたり生活保護からスタートし、今は2つのレストラン、貸倉庫、貸事務所、貸アパート、モーテルを経営している資産家。さらに土地の値上がりを予想してモントリオール近郊に2億円で農地を買った。糟糠の妻は働くことしか知らない人生なのよと言う。今日は、5年前にご主人が買ってくれた毛皮について話してくれた。小さい方なので、サイズ調整にあっちを切りこっちを切りと時間もお金もかかったとのこと。夫がねどうしても私に着せたかったのと言う。

 肉体労働で明け暮れてると、音楽も文学も煙と化し、ただ横になり眠りたいだけ。でもマダムのお話をうかがってると、どこかから歌曲が流れ和歌が立ち上るようだった。
 

春かおる

2019-03-31 09:43:52 | 観る
 上げ潮の若き才人春かおる
  
 時差の関係でに日本の伝統芸能番組はこちらでは土曜の朝放送。あたかも週一、劇場に足を運ぶ気分で待ち遠しく、ひととき芸の世界に遊ばせていただき幸せです。昨日は4人の若手邦楽家の紹介で、邦楽との出会いが高校時代とか大学時代とか、あるいは看護士として現役で働いているという経歴もさることながら、すばらしい演奏で、自分の表現力のなさ故、ただただ瞠目させられとしか言えません。

 トップバッターは琴、「PRIZM」の演奏に、ドビュッシーの曲をクラヴサンで弾いているような邦楽とは思えない西洋クラッシックを聴いてるようでした。伝統芸能が時代と共に新たに再生する場に居合わせたようでした。舞台衣装もご自分でデザイン縫製されるんですね。


 2番手は尺八、尺八演奏がオーボエの音とだぶりました。尺八もご自身で製作されるんです。

 3番手は日本舞踊。清元の演奏に合わせ踊ります。私はバロック音楽が好きで良く聴くのですが、ガボットとか、メヌエットとか、ジーグとか、もともとはダンス曲なんですね。今は曲だけ聴いているのですが本来は踊りと切り離せなくて、それも肉体を酷使しなくても誰でも練習すれば踊れるゆったりした人間の身体リズムにあった踊り。こちらに移民した当初は、昔からの朗らかなヌーヴェルフランス時代のダンスを普通に踊っていました。その光景を目にすることは少なくとも義家族からは消えました。

4番手は沖縄琴、沖縄琴は柔らかくのんびりしているのが特徴とのこと。看護士として老人ホームで働きながら全国邦楽コンクール初出場でいきなり金賞という快挙。老人ホームでもたびたび演奏するとのこと。このような生き方もあるんですね。生活のための生業と芸との二束わらじ。

 今回の放送に、伝統芸能イコール民族芸能としてあった思いが、いや、西洋音楽も民族芸能ではないかと思いました。時代はヨーロッパ文化ヘゲモニーから目がさめつつあるのな。

50代に比べ60代ブログが激減するのは、体力、視力激減で、あれも書きたいこれも書きたいでも、ざっと演奏家の名前を記録するだけでもおつむがついてゆかずまにあわないんですよ。文がまずいぶん、映像で補おうと思ってたのですが、それもめんどくさくなったので、これからは適当に簡単に書きます。



春よこい

2019-03-24 10:40:15 | 観る
 乱れ舞う花をひきつれ春よ来い

 羽生結弦さん、銀メダルおめでとう。いやーもう3日間、心臓ばくばく。羽生さんを絶対王者と呼ぶけれど、王者の名を体現してるのはネイサンチェンですね。いい意味でのエリート、泰然とした風格あります。4回転を、ぶんぶんさり気なく飛んでる。まだ19才だよ。今回の競技はネイサンチェンに軍配あり。脱帽。

 でも、病気や手術、大けが、震災を潜り抜けてきた叩き上げド根性がある羽生さんの魅力は失せない。時々なんでこんなに世界中の人を惹き付けるんだろうと考えたりするの。案外、「そのまんま羽生」という彼の丸腰な生き方かなと思う。言う事為す事、そのまんまむき出し。無様に転んだり、生意気な発言したり、がきみたいなとこありますね。

 イチローの引退で、羽生さんにもいつか一線から身をひかざるをえない日がそう遠くない日に来ると思うけど(フィギュアの最盛期は22才あたりまでとか)、さわやかにすがすがしく引退してほしいと願います。

 言葉ではいいあらわせないけれど、羽生さんから何かとても大切なこと教えていただきました。これからも追っかけるぞー。

えぎじびしょんで舞い踊った「春よ来い」、身体がどんどん研ぎ澄まされてゆく感じ。ケベックはやっとこさ春の風を感じるようになりました。
 

阿蘭陀万歳

2019-03-07 07:52:33 | 観る
 ことほぐは万蔵歳蔵オランダ生まれ

 年が明けたと思っていたらもう3月。書きたいこと山ほどあれど老化で追いつかづ。今週は来客が続き、昨夜は義父母を夕食に招待、今日の午後は日本人とケベック人の二人の訪問、明日は義弟が泊まるであれこれの用意、といってもすべてにおおざっぱなので適当にしてます。超簡単なレシピですませます。昨夜のメニューは人参入りマッシュポテト、ズッキーニのソテーに鳥の照り焼き、デザートはフルーツゼリーで美味しいと喜ばれました。早い、安いは得意ですがプラスいつでも美味しいを目指します。ときどき失敗しても知らんふりしてお出ししてるので。

さて、とても感動した阿蘭陀万歳について、せめてメモとして残しておこう。日本伝統芸能テレビ鑑賞は全く未知の世界故、眠くなる時もあります。またどんなに名人芸といわれてもピンとこないものもあります(楽しめるキャパが不足でいつかわかる日まで気長にね)。今回は引き込まれ、ときめき、最後はおもわづ画面の前で拍手しました。

常磐津の声にがっつりハートを鷲掴みにされ、太夫と才蔵を演じる二人の役者に見惚れました。昭和8年の創作なんですね。漂流し日本にたどり着いたオランダ人が生きるために万歳を覚え糧とする。郷愁にとらわれる場面ではおもわずほろりとしました。二人の役者の何と素晴らしいこと。YOU TUBEで観れないのが残念です。長崎でもおくんち祭りで披露されるとのことですがレヴェルが格段違います。極上の芸とはこういうものかと感嘆します。

地唄 常磐津 千東勢太夫(すばらしい CDを手に入れたい)
太夫 花ノ本寿(年齢を知ってびっくり 若ーい)
才蔵 花柳大日翠 (若手の女性 あの若さでこの芸 ありがとう)



来週は源氏物語の京舞です。葵の上と夕顔。手元にある源氏本で予習しておこう。

生きてるとこんな出会いがあるんですね。ネット時代に感謝です。