ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

行く秋や昭和歌謡に聴き惚れて

2021-10-20 21:02:38 | 日本の芸能

昨日から3日連チャンでお休み 夫は2日間出張。

休日1日目はテレビっ子 あとは適当に家事したり気が向くままに過ごす たまたま観たNHKの歌コン番組(昭和歌謡に恋して)に聴き惚れました 歌い手さんが素晴らしかった ジャリタレが歌ったら名曲も生きなかったと思う。 

宮本浩次 初めて知りました ミックジャガーを思い出しました 舞台を駆け回っても様になってる 上手い。

石井竜也 以前 彼の歌唱力に魅かれた記憶あり名前覚えてましたが上手いですね〜 井上陽水の声とダブります。

Little Black Dress  この方も初めて知りました スタイルよし 顔よし おまけに実力ありでいつの時代もスターは誕生するんですね。

昭和歌謡 歌い手さんによって歌詞もメロデイーもかくも新鮮に聴こえるとは 良かったー 思わず一人で拍手。

次いで観たのは これもたまたま目に入ったNHKスペシャル番組 横綱白鵬のデビューから引退までを追ったドキュメンタリー(孤独の14年)。

何回か泣きました。からっきし相撲に関心ないのですが 父が大ファンで夏場所など仕事から帰り甚平(時にステテコになる)に着替えると烏龍茶(父は下戸で一滴も酒を受け付けぬ体質 私は飲んベー)枝豆 鳥の唐揚げなど前に一喜一憂してました。鉛筆持って印つけてたけど興味ないのであれが何なのか未だにわかりません。でも初めて 何故 父がというよりたくさんの日本人が戦後の昭和経済高度成長期に相撲に夢中になったのかわかった気がしました。

さて 菜園じまいの最後は咲き残ってる花を切り取り家に飾ること 今年初めて植えたダリア 好きな花ではなかったのですが見事に咲いてくれて来年も植えます。

歳をとるのは悪くない 若い頃は興味もなく好きでもなかった色々なことにひかれるようになり門戸が広がる気がする。

 

 


模様編みほどくが如く枯葉散る

2021-10-15 04:20:42 | 雑誌CLASSICAより

紅葉シーズンも終盤に向かい日毎に樹々が裸になりつつあります。

積読になってる雑誌CLASSICA 月一回自分に課した今月のCD9月編を今書いてます。もうどうでもいいやと放棄するのが怖い 疲労のとれたわずかな時間を見つけ取り掛かる。バッハ特集は常連でこれまで幾度となく特集ありましたが 今回数多ある記事の中で目をひいたのは中国人ピアニストZhu Xiao-Mei(シュ シャオメイ)の短い談話。

何年前になるのかな 彼女のコンサートに行きました。私にとっての贅沢は一番前の席を予約し演奏家の一挙一動 顔の表情 手の運びに間近にお目にかかれること。その日の為にチケット代 交通費 ホテル代を貯金しドキドキしながら公演日を待ち侘びる喜びよ。新しいシーズンのプログラムが発表されるや否や一番前の席を獲得すべきパソコンにへばり付きます。だからいつだって最前列をゲット。

ところが彼女のコンサートは 「席の予約はできません当局が指定します」 ということで一番前の席と同じ料金払いながら確か4列目か5列目だったと記憶してます。多分 中国政府関係者や中国の実業家が手を回し先に買い占めたんだろうなと思ってましたが 実の所多額の寄付をしたんだろうと確信しました というのも先週モントリオールのバッハ祭から封筒が届きました。プログラムの案内かと思いきや寄付のお願いでした。内容は切符から得る収入は総経費の25パーセントのみ 他は政府からの助成金で成り立っており コロナ下 大幅な削減で台所事情が苦しいというものでした。モントリオール在住の中国人富裕層にもこの封筒届いたんだろうなー。

こちらで学芸員の資格取得のため大学で学んだとき初日にうけた授業の先生の最初の言葉が脳裏をよぎりました。「ミュゼオロジーを学ぶことは政治を学ぶことである」と。ノーテンキな私はびっくらこいでしまいました。文化や芸術は政治とは一線をかくする別な世界と思ってましたから。授業を通して見たり聞いたりした世界は私のような単純脳細胞の田舎者が生きて行ける世界じゃないです。でもこの先生の授業を受けられたことに大いに感謝します。今でも先生の発した色々な言葉が浮かびます。美術史家で気骨のある先生でモントリオール美術館長のポストオファーを蹴り誰に媚びることなく好きな研究続けてます。コロナ直前に起こったモントリオール美術館内紛は理事会が館長を解雇し解雇された館長が名誉毀損として億の損害賠償を訴えるというもので今だにゴタゴタが続いてます。

さて Zhu Xiao-Meiはバッハを演奏しない日はなくバッハは彼女の生命の糧でもあります。彼女の伝記は以前CLASSICAでも取り上げられており自伝も出版されてるのでネット検索すればすぐわかります。文化大革命中 5年間強制収容所で過ごされた経験があります。彼女が煉獄で破壊された心をいかにバッハにより癒されていったか想像することすらできませんが 彼女とバッハの関係をチベットの高僧Milarépa (ミラレパ)とMarpa(マルパ)の関係に例えてます 初めて知った名前です ネットで検索しました 自分に襲いかかる悲劇にどう対峙するか仏教の教えの真髄とはこういうものなのでしょうか。

テレビで偶然にも彼女のコンサートが放送され涙を拭う姿があちこちで見られました。バッハの眠るライプチッヒ トーマス教会での演奏です。

バッハといえば私にとってピカイチはグレングールド。来る日も来る日も彼のピアノを聴き 酒に溺れた辛い日々から立ち直れたのも彼のおかげです。と言うことで二人のバッハを久しぶりに聴きながら 実のところ身が入らなかった。と言うのも私は今元気いっぱい 生きてあとなんぼの人生ゆえ生きてるのが楽しい。そりゃ色々あるけど 落ち込んでも回復が早い。

あとね この特集で面白かったのはバッハって勉強は出来ないし 乱暴者だし 素行悪かったのね。あと20人という子沢山 つまり精力絶倫。歴史的に何かを残す人ってやっぱどっかぶっ飛んでますね。品行方正学業優秀の芸術家って完璧な演奏してもつまんないもの。

明日は仕事 歴史を学び色々な方の人生を伺うことで励まされること大いにありますね。

 

 


立ち仕事終えての帰路や釣瓶落とし

2021-10-02 17:57:58 | 暮す

急に秋が深まり夏ものをしまい秋冬物の出番です。

先日夫が3日間出張で不在中 一緒に働くアフリカトーゴー出身のアゾさんを朝食に招待しました。食後一休みし 職場に近いアパートに引っ越したいと言うので一緒に探しにゆきました。同じ移民として働く辛さ(私は年季が入ってるのでへっちゃらだけど)を少しでも分かち合えたらと思ったのですが とんでもない 刺激を受け逆に励まされたのは私の方です。

トーゴーは失業率が高く 高学歴でも職に就けずアゾさんも生きるために仕事さえあればなんでも働いてきたそうです。秘書 農業 絨毯機織り ホテルでの皿洗い エトセトラ。高校教師の夫と一人娘さんをもうけながら離婚 工業デザイナーとして働く10年ほど前に移民した弟夫婦を頼っての移民です。今 仕事を見つけ間借りしている弟さん夫婦の自宅からアパートに移り できれば来年早々にでも娘さんを呼び寄せたいと書類の準備してます。

彼女もあちこちに履歴書出しても返事さえなく やっと採用されたのが今の職場。真面目で気質が穏やかで言われるがままにOUI OUIと働くアゾさん。辛くないかと聞くと 全て覚悟してきているし私は働くために移民したからとのお返事。彼女が受けている屈辱を知っているので  (人種差別だよね 私は年齢差別だけど) あれこれお局さん達やクソガキ(小生意気な高校生アルバイト)について話しながら 彼女 こう言ったんです。

私は誰も怖くない 自分が受けた教育(父親は部族の首長とのこと) 生きた経験は あの人達に遥かに勝ってるからと。

そういえば 彼女は礼儀正しく年配の私が教えられること多いです。お局さんとクソガキへの対応戦略を話しながら学ぶこと多いにあり 昨日早速実践したら効果大です。一回 強気でお局さんに言い返したら上下関係から同等までレヴェルアップです。おまけに結構仲良くなったりして 冗談言い合える様になりました。いつまでも舐められっぱなしは良くない。平和主義も良いけれど偶にはガツンと言い返さないと。

というわけでなぜか彼女から元気を貰い菜園の後始末はかどりました。球根を掘りあげ ケールの葉をオーブンで乾燥させ ゼラニウムを取り込んだりエトセトラ。

働くばかりもあれかなーと読みたい本や聴きたいCDをあれこれ注文し届いても全て手付かず やっぱ年だなー。