ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

バレンタイン

2019-02-15 09:07:15 | 暮す
 バラでなく赤いチューリップバレンタイン


昨日はバレンタインでした。こちらは日本と逆で男性が女性にバラとチョコレートを贈りレストランに招待します。ゆとりのある方はピアスとかネックレスとかプラス貴金属を贈ります。リタイヤ前は夫も花屋さんからメッセージ入りで20本の赤いバラをとどけてくれたりしましたが今年は思わず笑ってしまいました。バラの代わりにチューリップ(バラに較べてうんと安かったとのこと)、レストランの代わりに朝起きたらコーヒーが沸かしてあり朝食が用意してありました(スクランブルエッグ,ハム)、プレゼントは欲しかったCDを一枚買ってくれました。ささやかでもこうしてお祝いしてくれる気持ちが有難いです。






2019-02-11 19:52:40 | 俳句
 どこかしら庶民に似たり蜆かな

蜆汁って、お椀の底にたっぷり沈んでて、覗けば、ちっちゃくてガヤガヤ蜆同士がたむろしてる雰囲気しませんか。

テレビ俳句季題は蜆でした。選者のかたが芥子酢味噌であえた貝の青ぬたを紹介しました。この番組の楽しみは、季語にちなんだ、こちらでほとんど口にすることのないお惣菜を、作り方と共に目で味わえることです。「ぬた」とは、どろどろという意味とはじめて知りました。

俳句は一文字が大事とか、理屈を消すようにとか、先生方の批評やアドバイスを何回も耳にしていると自然に身についてくるのかしら。俳句作りはコツがあるんですね。ちょっとしたことなんだけど、このちょっとしたコツが俳句を生かしもすればつまらなくもするんですね。

テレビジャパンが見れるようになって、テレビっ子になりました。お料理番組で五十嵐美幸さんの鶏をいかにカラッと揚げるかをみました。ちょっとしたコツなんだけど、まねしてつくったら美味しいのなんのって。それこそ、ちょっとしたコツなんですね。夫も思わず美味しいと言いました。俳句もお料理もコツよコツ。これを伝授するのが先生なんですね。

私どうしたんだろう。俳句のあと、日本舞踊、長唄、民謡,能、歌舞伎等、日本伝統芸能紹介番組が続くんですが心に沁みてくるんですよ。前回は笛の紹介でした。お能の場合は幽玄さをだすために、わざと音階を外すようにできてるそうです。わざと外してるというところに日本文化に触れる気がしました。

ひきこもり主婦になって、日本語のテレビばっか見て夫に叱られてます。わかっちゃいるけどやめられない。購読雑誌も、読もうと買ってあったフランス語の本も手つかずで、、、どうしよう。外国語は覚えるに何年かかっても忘れるのはあっという間。どうしよう。





極寒

2019-02-08 09:37:43 | 読む
 極寒とや 貧乏神も 倒れ伏し

 橋本治さんの著書が数冊あり断捨離してなかった。再読しようと手に取ったのは「貧乏は正しい」。
堂々としたタイトルと字ずらで思わずひれふしたくなる。じっくり読もうとおもってる。橋本さん、70年の人生で最後まで学び書き続けたんですね。

 今年の冬は100年ぶりの悪天候と言われ、長く厳しく、貧乏神も行倒れで凍死するんじゃないかと思うくらい。

 最近、いろんな方とお話しして、皆さん一様に実感するのは物価高。急に何もかもが値上がってる。どの方も家計の見直しを始めたという。食糧問題が身近に感じられる。食べ物は大事にしなくちゃ。リタイヤ前は、モントリオールのクイーンエリザベスホテルのパチシエが当市に開いたケーキ屋さんで美味しいケーキを買ってきてささやかな贅沢を楽しんだが3年近く買ってない。家でつくるようになった。毎日のおやつは簡単な揚げドーナツやポテトフライ、サツマイモフライがメイン。夫がこういった単純素朴なおやつが好きでありがたいです。

 一月、二月ははちみつレモンが大活躍。お湯で割ればホットレモン,砂糖の代わりにはちみつレモンと小麦粉でドーナツに、はちみつレモンにナンプラーを入れ海老を漬け込み焼くとベトナム料理になります。

 貧困は創造の母と言われますが、できれば貧乏神を冷凍して永久冷凍保存したいです。



早春

2019-02-05 10:03:15 | アート
 治さん 好きですと飾る 早春図

橋本治さんが亡くなられた。彼が好きで、とりわけ「ひらがな日本美術史」は御本人も楽しい仕事だったとおっしゃってたように、あれこれの名作にに首をひねったり思いを巡らしたりと遊ぶ治さんの喜びがこちらに伝わってくる。共鳴する部分もあれば、また自分とは違う観方もあると思うけど、美術とは楽しむことにあり、又いかように楽しんでよしと治さんは手招いてるよう。

雑誌の切り抜きでも毎日眺めていると、飽きる絵もあれば、喜びが増して生き生きしてくる絵もある。1月は、其角の親友であった英一蝶を飾った。其角が好きだから一蝶も好きなのかと思ったりするが、一か月飾って眺めていて飽きるどころか、日ごとに絵が賑やかに晴れやかになり、さざめきまで聴こえるようで存分楽しませてもらった。

2月は何を飾ろうかとあれこれ雑誌をめくりながら、治さんに感謝の意を表して宗達の「田家早春図」にした。この絵は1953年発行の国際文化情報者刊「画報近世三百年史 第四集 1617-1639」に載せてあり切り取り剥がした。そして俵屋宗達およびこの絵について、治さんは「ひらがな日本美術史4」で紹介している。

私は昭和の生まれだが、この絵に描かれたそっくりの家を子供の頃に目にしている。今でも鮮やかに思い出すので、幼心に昭和の世に突然江戸の庶民の家に出くわしたような驚きがあったんだろうなと思う。

橋本治さんが好き。いわゆる文化人と称される人たちのなかで、ユニークで見事な生きざまだったと思う。初めて買った彼の本は10代の時の男の編み物だった。パープルの毛糸で編み、ぶかぶかだったのを覚えてるが編み上げたかどうか記憶にない。挫折したような気がする。

橋本治さんありがとう。