ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

日本振袖始

2020-08-29 10:16:00 | 日本の芸能
日本人なら誰でも知ってるヤマタノオロチ退治を素浄瑠璃で録画鑑賞。鶴澤清治さんは100年に一人出るか出ないかの天才と言われてるそうで、ど素人の私が初めて聴いても飽きさせません。彼の演奏は三味線をエレキギターに替えても様になりそうなロックンローラーみたいな新鮮さがありますね。テンポの速い激しく鋭く無駄のない洗練された演奏に女殺油地獄よりものめり込みました。また竹本織太夫が出雲路やと謡いだすと出雲旅行が思い出され、出雲の空をスクリーンにダイナミックなドラマを見てる様でした。



妹が伊勢神宮よりも出雲大社が好きと話していましたが私も同じ。伊勢神宮はなんていうのかなー、玉砂利の小石の一個一個までが管理が行き届き国家統制されているという印象受けました。1分の隙もない完全無比パーフェクトみたいな。かたや出雲大社はおおらかな印象でした。暴れん坊のスサノオに似つかわしい。

この機会に古事記の八俣の大蛇の章を読み返しました。以下の歌が私にとって出雲の思い出を彷彿とさせます。

 八雲立つ 出雲八重垣作る 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

旅で何に感動するかというと私はその土地で旅した季節に吹いていた風や見上げた空や雨や雲など、、、スサノオが大蛇退治の後須賀の宮を造った時その地から大雲が湧き起こった。そう、出雲に「雲立ち騰りき』という言葉の如く巨大な雲が群がり立つイメージが浮かびます。

明日明後日とレジダンスで仕事、お金を貯めていつか3ヶ月ぐらい日本の思い出の地を夫とたっぷり旅行したいという夢があるのです。その一つが出雲。昨日はレストランで働き、ばあちゃん頑張るの年だけど、神様が夢を叶える様にと仕事を与えてくださったのかなと思ってます。もちろん仇夢になっても構いません。夢をもって働いてるのが楽しいのかも。


女殺油地獄

2020-08-27 18:37:29 | 日本の芸能
1週間はあっという間に過ぎる。昨日一日だらだら過ごす。録画しておいた番組が何十本もあり見きれない。感性も鈍るばかりでハートを鷲掴みにされる芸は珍しくそれでも毎週欠かさず見続けるのは年に一本でも素晴らしい演奏なり舞台なりに出会うとふつふつと喜びが込み上げるから。

去年渋谷で上演された杉本文楽「女殺油地獄」を観た。これまでも様々な文楽が放送されているけど興味をそそられることなく最後まで見ためしが無かった、が今回初めて文楽に魅入った。ネット時代ゆえ杉本文楽についてもたくさんの情報を得られるのでほんの個人的に感じた事のみつらつら書きます。

先ず竹本千歳太夫の声量、顔面一杯の筋肉が躍動する表情の迫力にこれは朗々と歌い上げるオペラ歌手そのものじゃないかと思いました。ここでハートが鷲掴みされました。ついで素浄瑠璃で三味線を弾く鶴澤清治、お顔が文楽の人形に似てるのね、太夫と違い殆ど感情をあらわにしないけれどその演奏の切っ先良い迫力、チェンバロ演奏を聴いてるみたいです。序曲は彼自身の作曲とのことで日本伝統芸能も常に時代とともに新陳代謝するんですね。舞台演出は現代アーチストの杉本博司、油桶は江戸時代の本物を拝借し、人形の足が地についてるよう見せるためこれまでは一直線上で演じられた舞台から隠し舞台を取り外し人形が自由自在に動き回れるように演出、以前の舞台と比べると2次元から3次元へ飛躍的に奥深さができ空間の広がりを感じさせます。



ネットで近松門左衛門の言葉に出会いました。

芸というものは虚にして虚にあらず、実にして実にあらず、この間に慰みがあるものなり。(芸というものは、実と虚との皮膜の間にあるものなり)

しかりと思いませんか。私たちは毎日虚と実とを行ったり来たりしてると思いませんか。また実が虚であり、虚が実であると思うこともしばしばです。

さて本題の女殺油地獄、シネマ歌舞伎でも上演されてますが生身の人間が演じるのを直視するのは私には耐えられない、文楽という人形ゆえに殺しの場面も最後まで立ち会えると思いました。

これからカンボジアナレストランでお仕事、私は虚から現実に出向かうのか、それとも現実から虚に出向かうのか。老いと共に虚実が混濁してきてるような、、、











































考え方ひとつ

2020-08-25 21:51:25 | 暮す
昨日今日とお仕事、前回レストランマダムのこと書いたら今朝お電話があり今週働いて欲しいとのこと。明日から3日連チャン休みで喜んだのも束の間、明後日1日仕事に行きます。行くからには前向きにぐだぐだ言わず行こう。

昨日初めて組んだミシュリンヌさんという女性と色々休暇のことなどお話ししながら、1年働いたら1週間、2年働いたら2週間、3年働いたら3週間の有給休暇があり、最高1ヶ月間の休暇が取れるそうです。週3日労働でこれですよ、姉や妹が日本では考えられないとびっくりしてました。昨日やっと週4日勤務のポストの採用が決まりみんなほっとしてます。日本への里帰りのことなど話しながら、良く働けばレジダンスも従業員を失いたくないのでそれなりの対応をしてくださるとのこと、安心しました。1日7時間半の労働のうち4時間がそれこそ額に汗して動き回ります。人生でこんなに汗をかく仕事初めてです。4階の廊下の奥のお部屋にお食事を運ぶ時など速歩ですよ。夜は爆睡、寝たと思ったら朝が来てたみたいです。なんだか丈夫になったみたいと自分も感じるし周囲も感じてます。どうせ働くなら、週3回速歩ウオーキングしながらお給料をいただいてると考えることにします。レジダンスの仕事は肉体疲労の回復が早いです。レストランは同じ場所での立ち仕事なので疲労回復に時間がかかります。仕事後の水泳でなんとか続けられます。でも引き受けたのは私、ギブアップするまでは、代わりの方を見つけるまでは続けます。やはりどこか恩知らずになりたくないという浪花節的なとこありますね。

お仕事に出かける前に今朝の野菜収穫、幸せ。




記念撮影

2020-08-23 00:15:15 | 菜園
3日連チャンのお休みは最高。昨日は編み物クラブ、今日は午前中菜園で遊び、お昼から義父母の結婚記念日のお祝いで義妹の新居建設中のお庭でパーテイー、明日は自分の隠れ部屋に引きこもる予定。

すぐ近くの園芸店が店仕舞い、毎年捨て売り価格の最終日。1、2万円する果樹や樹木が2000円まで下がります。ここで目の色を変えて買いまくってはいかんと言い聞かせる。来年に向けて菜園を拡張するつもりなので木々類は見送り、その代わりに多年草を買いました。すでに花は終わってるけど、これから植えてしっかり根づけば来年開花します。まともに買えば5千円ぐらいなのがなんと総額800円で手に入りました。それで記念撮影。我が菜園は赤、オレンジなどの暖色系の色が足りないと思うので来年はああしようこうしようと夢が膨らみます。また、野菜が豊作だったのでコンクリート板を引っ剥がし畑部分を増やします。



新聞で日本の経済悪化の記事が載りました。かたや農業従事者の人手不足とのニュースも。こちらでも似たようなもんです。日本でもケベックでも最低賃金労働ならあるんです。むしろ人手不足。個人的な考えですがどんな仕事でも経験してみると色々なことに目が開かれます。色々な人に会い、色々なお話を聞き、それは人生を豊にしてくれると思ってます。学問とは大学にゆくだけではないです。



私はカンボジアナレストランマダムから大学の授業にも勝る人生観がひっくり返るような経験してます。従業員をこき使いながら、そのもうけたお金でカンボジアの村に村民の願いだった仏教寺院を建立した。2億円したそうです。ちっちゃな寺院かと思いきやオープンセレモニーにインドの高僧を招きビデオで式典を観ながらその大きさ立派さに驚きました。建立者として歴史に残りますねと冗談言うと寺院はみんなのもので私達はもう一切関係ないし名前も記録に残さないと話してました。1月に亡くなられたお父様のお葬式で、何人もの方からこの一家が孤児院に多額の寄付をしたり、たくさんの困ったカンボジア移民を助けたことなど伺いました。一人の人間に宿る様々の矛盾、聖と俗、寛大さと残酷さ、苦悩と歓喜、愛と憎しみエトセトラ。彼女を受け入れることは矛盾だらけの自分や人間そのものを責めるのでなく受け入れることじゃないかと思いました。私は彼女と知り合い少しは寛大な気持ちが育ったことに感謝します。

レストランなんかやめちゃえ、同じ1日働くにしてもレジダンスで働く方がずっとメリットがあるじゃないかと言われましたが色々考えてレストランに残ります。レストランマダムを搾取マダムと悪くいいますがそれはお門違いです。何もかも承知で働いてるのは私でマダムになんの責任もありません。やはり得たものは低賃金とはいえお金とお金には代えられない意識変革というものがあります。

義妹の新築中の家の内部を見学しました。暖房設備が見当たらないのでたづねると床から部屋全体が暖まるようできており温度の調節も自由自在、テクノロジーの進化に驚きました。ふと思ったのよ、韓国のオンドルと呼ばれてる床下暖房と同じじゃないかと。この最新型機能設備を備えた家も20年、30年後には昔風の流行遅れの家になるのだろうか。



秋の気配

2020-08-18 21:31:14 | 暮す
日本は猛暑、こちらはすでに秋の気配で朝方はカーデイガンを羽織るほど涼しい。昨日と今日はお休み。ホスピスでのボランテイアメンバーでさよならお茶会がありました。仲間12人全員辞めることになりました。コロナのせいでボランテイアするのも面倒な事いっぱい、例えば建物に入るとすぐに新しい服に着替えなければなりません、また各患者さんの車椅子を押し移動がすみ次第消毒し次の患者さんを迎えます。何よりも新任のレクリエーション担当者が威圧的で閉鎖的な性格故やる気が萎えたというのが一番の原因。私はボランテイア後のお茶会での雑談が禁じられたことが大きいです。メンバーとの交流会なしです。これからも時々会ってお茶会(メンバー宅)しましょうと別れました。今働いてるレジダンスは自立型高齢者施設で各部屋にキッチン、バスルーム、サロン、ベッドルームあり、カフェテリヤ、美容院、プール付きプラス看護婦さん常駐で安心保証型マンションみたいなもんですね。15年住んでおられる方もいます。独身生活者でここにすみながら仕事に出かけてる方もいます。建物の前にスーパーと文化センターありで住人は自由に出入りしてます。

少しづつ菜園の始末に入りました。サヤエンドウは終わりカモミールも終わりに近づきました。今年の新しい野菜は十六ささげです。アジア野菜コーナーで見つけてよく読みもせず買ってびっくり、気持ち悪いほど長〜いんです。それとワサビという野菜、葉っぱを食べるとワサビ味です。



野菜の花は美しい、時々摘んで飾ります。さあ、プールでひと泳ぎしたのでこれから1日遊ぶ日、明日明後日と2日働くと今度は3日間の連チャンお休み。