ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

俗人の哀しみありや氷面鏡

2023-01-12 09:39:54 | 暮す

4日間のお休みの間、日本食材店で頂いた本を読んだ。森毅、山本夏彦、桐島洋子、宮尾登美子、瀬戸内寂聴、etc。読みながらハッと気付かされることがあった。それは老いと共に肉体のみならず感性も感情も劣化してゆくんだと。上記の作家さん達のなんと奥深く、おおらかで、凛としており、なおかつユーモアがあり味のあることよ。常々、人格を磨くようにと注意されてる私は俗人そのもので、職場も色々とりどりの俗人が忙しなく動き回る娑婆そのもの。俗人には俗人の喜怒哀楽があり、別に感性も感情も磨かなくてもいいじゃないかとも思うけど、このような作家さん達の生き様や考えに触れると自分の貧しさに赤面してしまう。読書は大切だ。

積読だけで定期購読を止めようかと思ってた雑誌CLASSICAが日本の若き新人ピアニストMAO FUJITA賛美に4ページを割いていた。最近は何を観ても聴いても感動することが無くなり食指が動くこともなくなったがCDを買う気になった。なにもかも瑞々しく頭や心に入って来る時代はとっくの昔に終わってたのよ、そのことに今更ながら気づくなんて。ただで手に入るものなんてないのよ。感性も感情も拡げるには努力がいる、それは楽しさを味わうための努力。

今読んでる課題テキストにこんな言葉が引用してあった。夢が現実であり現実は夢であると。例えばコンサートでピアニストを観ていると彼は音楽という実在する国に住む住人に見える。思わず惹き入れられる読書の世界は現実よりも現実の迫力があり、むしろ自分が暮らしている現実がチャチな夢幻に思える時がある。ともあれ芸の世界は私たちを幸せにしてくれる。

昨日は久々の仕事で、新人さんがお休みとのこと。今日はお休みで明日は仕事。辞めてないのを願うのみ。週2日勤務にしたい。今回の4日連ちゃんお休みでつくづく読書や音楽を聴くことの楽しみを大事にしなくちゃと身につまされた。


冬来りなば春遠からじ

2023-01-09 00:08:01 | 暮す

すっかりご無沙汰しています。

忙しくて無我夢中な日々が続きました。職場で従業員に骨折者、コロナ感染者、離職者と続き仕事仕事でした。幸いに4日ポストに応募があり(以前この職場で働いていたとのこと)、学生アルバイトさんが一人見つかり4日間のお休みをいただけました。お休みのありがたみをしみじみ満喫しています。と言っても冬のセッションの課題レクチャーに取り掛かっています。秋のセッションより厳しくなり私はなんて馬鹿なことをおっぱじめたんだと思う反面、読み始めれば面白い。今期は哲学の授業かと思うような内容で、耳にはしたことのある哲学者 ウイットゲンシュタインやバシュラールなどのテキストがあります。読みながら内心、人間は単純に幸福になってはいけないのかい、深遠な哲学思考の中にのみ真実があるのかい、などとツッコミ入れながら読んでます。

私は自分を単純まるバカと思ってるので、なんで人生こんなに複雑にするんかい、それとも私が単細胞すぎるのかいなどと、とにかく世の中は不可思議に見えます。

年々、身体の衰えを感じるし、レジダンスの方々の身体的心理的劣化を目にするたび、私はまだ歩ける、それだけでもありがたく心から感謝します。したいことは山ほどあるのに時間も体力もお金も追いつかないです。疲れたら休息しなきゃならないしね。この世が楽しみに溢れた世界に見えてます。厳しい冬の到来とかつては思っていたのが、実は大地の下で春が胎動しているとわかり私が日々変化してるようにあらゆる物が動いていると感じれて、このムーブメントのなかに私たちは生きていると体感してます。

明日のことはわからない、高齢者なので、いつすっ転んで寝たきりになるかもしれない。だから今が最高と思って暮らそう、そう思う。 年寄りの冷や水の2023年所感です。

授業が最優先でブログは時間があり気が向いて書きたいときだけ書きます。ほんに数人の読者さんですが読んでいただけるだけで気恥ずかしいなー。