ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

むらさきしきぶ

2019-10-30 23:26:12 | 観る
 羽生舞いムラサキシキブ実をむすび

 羽生選手カナダスケート優勝。すごいですね。いまだに毎日一回は羽生選手の追っかけしてます。今回の紫の衣装、落柿舎で見た紫式部の実を思い出しました。実を結ぶとはこれまでの苦労というか研鑽というかが実を結ぶと言う意味で、まだまだ納得がいかないと、自分にとても厳しい羽生がやっと自分なりに100パーセントとは言えないけれど充足したと言わしめたスケートでしたね。羽生、すごいなー。気障でもやっぱすごいしかっこいい。ラッキーアイテムのクマのぷーさん買おうかな。
 
 今週も連ちゃんで日曜日から4日間働き、なんとか1カ月分の在庫ストックにこぎついた。予期せぬことがあるから1カ月の在庫を確保しておきたいとのこと。ヘロヘロ、家に帰るやいなやバッタンキューでよだれ垂らして寝てた。来週からはこれまで通り週20時間労働。もっと働いて欲しいとの要望だが、急を要する以外は楽しいと思える時間以上働きたくない。今回初めてタピオカを作らされたり、鶏の解体をさせられたりした。レストランで働くとは何でもすることなのよといわれ、目まぐるしかったけれど覚えることは山ほどあり、新鮮でもあり、体力の衰えを感じさせられもした。来週の月曜日まで4日間お休み。菜園の始末や、来月はじめて参加する読書クラブの課題図書を読んだりとすることいっぱいある。

 オーナーマダムと雑談しながら心に響いたことがあった。仕事中、モントリオールに住む娘さんからしょっちゅう電話がくる。なんてことない無駄話。夕方になると学校帰りのお孫さんがレストランの片隅で宿題してる。共働きのご両親ゆえ、家に帰って一人でいるよりはと時間をつぶし、忙しい時はレストランのお手伝いしてる。私が若い頃夢見たような家庭。子供がいて孫がいて、、、そのことを言うとマダムはこういった。人生、なにもかも手にはいることなんてないのよ、あなたは子供さんもお孫さんもいないけれど良い旦那さんがいる。私は親孝行の子供や孫に恵まれたけど夫が去っていた(愛人と暮らしてる)。すべて人生でおきることを受けいれ、あるものに感謝しなさいねと。マダムはいまだに夫を愛してる。そのことは会話の端々から痛いほど伝わる。強制収容所で、難民キャンプで、地獄を潜り抜けてきた二人、移民としてカナダにわたり生活保護からスタートし、今は2つのレストラン、貸倉庫、貸事務所、貸アパート、モーテルを経営している資産家。さらに土地の値上がりを予想してモントリオール近郊に2億円で農地を買った。糟糠の妻は働くことしか知らない人生なのよと言う。今日は、5年前にご主人が買ってくれた毛皮について話してくれた。小さい方なので、サイズ調整にあっちを切りこっちを切りと時間もお金もかかったとのこと。夫がねどうしても私に着せたかったのと言う。

 肉体労働で明け暮れてると、音楽も文学も煙と化し、ただ横になり眠りたいだけ。でもマダムのお話をうかがってると、どこかから歌曲が流れ和歌が立ち上るようだった。
 

2019-10-24 20:28:14 | 旅する
 発句せず柿に食らいつく嵯峨野かな

 昨夜1カ月の里帰りから戻る。水害の影響か飛行機は空いていて3シートに私一人だけ。仰向けに身体を3席分伸ばして7時間ほどぐっすり眠り、残りの5時間は映画二本観てるうちにあっという間にモントリオールに着いた。翌日、どれ家を片づけてと思っていたら早朝にレストランオーナーから電話があり直ぐ働いて欲しいとのこと。在庫が底をつく直前とのこと、古希もそう遠くない婆さんを雇っていただいてるという弱みからお土産を持って参上。5時まで仕事。終えてから即プールでひと泳ぎしたら疲れが吹っ飛んだ。明日も働く、木金土と8時間労働、時差ぼけから早く回復しそう。

 良い里帰りだった。色々あった。最後の一週間は旅に出て、東京ではお友達に会い、田舎でもそうだが里帰りのたび会ってくれる人がいる幸せをしみじみとありがたく感じた。
 
 今回の旅は長野の戸隠神社を予定していたが水害でホテル予約を直前にキャンセル。もし一日旅行日を早めていたら長野市に軟禁状態だったと思う。その代わりに東京滞在を延長した。嵯峨野2泊、明日香2泊、東京3泊。

 日本滞在中、正岡子規の文庫本をアマゾンで取り寄せ読みながら句作をと思っただけで、詠んだのは一句のみ。毎日片道45分かけて母がいる介護施設に運動がてら歩いて通い、あたかも母の遺品整理をするかのように廃棄業者を手配しあれこれ処分したり、東京や九州から来た姉妹と数日過ごしたり、甥の子供と遊んだり、親戚に会ったり、限界集落に住むお友達の家に泊まったりとあっという間に過ぎた。

 滞在中、皮ごと食べれる柿が美味しくて毎日のように食べた、一個100円ぐらいでどこでも手に入った。嵯峨野の落柿舎を訪れたとき、辺りに柿の木をたくさん目にした。そこでは俳句を詠み投句するようになっていたのでどれ一句と思い用意してある紙とペンで書いたが恥ずかしくて破いた。なにしろ柿にむしゃぶりついてる自分のいぎたない口元が浮かんだので。

 眠くなったのできょうはこれで。去年の里帰り旅行記も終えぬ間に今年の旅行記も半端で終わりそう。これでいいのだ。