ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

白装束

2018-03-29 20:21:45 | 暮す
 
 白装束 脱ぎ捨て大地 深呼吸

春雨に 雪がみるみるうちに解け黒い大地が顔を出してきた。まるで白装束をさーっと脱ぎ捨て、大きく深呼吸してるみたい。

忙しい日々が続いた。乳癌の定期検診に引っ掛かり再検査の連絡待ち。封書で送られてきて開けた夫の方が狼狽してる。当の本人はあまり心配してない。再検査で乳癌としても初期なら90パーセント治癒とあるし、義母はステージ3でも15年以上、日常生活にさしさわりなく暮らしてる。むしろ40歳そこそこで卵巣腫瘍摘出で病理検査の結果を待ってたときのほうがドキドキめそめそ、もしかしたらどうしようと落ち込んでた。卵巣を摘出しただけでOKだった。こちらで子宮筋腫もとった、骨折もした。でもすべて無料。がん検診など病院の方から定期検査の電話がありアポイントをとり、最新設備の機械で検査受けます。

癌と言えば、告知するお国柄、お隣さんは今年のクリスマスまでもつかもたないかとお医者様に診断され、心の準備ができ次第ホスピスへの入院手続きをすると言われたそうです。「生きるのが楽しいから死にたくない」と時々訪問する夫とパーフェクトお隣さんを前に泣いたそうです。30年ぶりに最初の奥様が会いに来られました。毎日、誰かが訪問してます。娘さんもときどき泊まってゆきます。薬代だけで週30万だそうですが無料です。夫に追加税金支払いの連絡がありがくんとしてますが、こういった税金が医療や教育に使われると思えば怒ることもありません。いつどうなるかわからないもの。

さて、オリンピックの羽生選手に「キャー」して、YOU TUBE見まくり。思うのよね、「人はパンのみにて生きるにあらず」と。感動とは、感動したくてするものでないので感動する場面に出会うと、生きてるっていいなとしみじみ幸せ。つい先だって16才の若い女の子と知り合う機会があり、おしゃべりな女の子だけど、どきっとするような新鮮な物の見方や考え方に咄嗟に「私にフランス語教えてくれませんか」とお願いしました。引き受けてくれました。私がテキストを用意し、わからないところを教えてもらうんです。この子、16才なのに教え方がびっくりするほど上手で思わず「あなた素晴らしい先生ね」というと、「よい生徒だから」とほめられました。いやー、だてに年をとったんだなとしみじみ。羽生選手からも女の子からも教わることあります。4月から私、ピカピカの1年生。なぜか毎年気持ちだけはピカピカの一年生で進歩なしって気もするけど。

やっとこさ生まれて初めて編んだ靴下出来ました。あれー模様が変。原因わかりました。失敗から学ぶんだ。羽生さんが転んでけがして失敗しても起き上がるのに比べたら、間違って編んだところで痛くもかゆくもない。これから靴下は手編みです。夫はらくちーん、はきごこち最高と言ってます。





チューリップ

2018-03-15 09:17:20 | 菜園
 
 とんがって芽を出しきょろりチューリップ

雪解けにチューリップが芽を出し嬉しくなる。春になったかどうか、きょろりと地上に芽(目)を出しうかがってるみたい。

菜園を始めてから冬が好きになったし、四季のとらえ方がかわった。元日を初春とも祝うが、冬は地下で春の準備をしている胎動期にあたるから初春というのかな。冬は死ではなく誕生なんだと思うようになった。秋の終わりこそが死であると。冬の菜園を眺めながら、地下で球根がぐんぐん育って、その体温が感じられるようで冬が好きになってきた。




昨日は10人のボランテイアで復活祭(イースターあるいはパーク)の準備に入り、ラモーと呼ばれる枝を200人分編む手作業をした。5時になっても終わらず皆で出前をとり9時までかかった。残業してるみたいでなつかしかった。その出前がお孫さんがアルバイトしているという寿司ショップのお寿司をということだった、が、出前に1時間かかるとのことでチキンバーベキューに変わった。出前にお寿司の名前が挙がるなんて寿司の普及力すごい。

正式にボランテイア登録してからの次のステップは「末期患者に接するボランテイアの役割」という講習会を受けることです。こういった講習会を受けるからボランテイアの方々の患者さん達への対応が見事だなと納得しました。ボランテイア慰労食事会もあり、新米だから参加に値しませんというと、そんなことないから来なさいと誘われました。

以下がラモー編み。


忙中閑あり

2018-03-11 22:01:42 | ハンドメイド
 義父母の引っ越しのことであれこれ忙しい日が続いたが、毎日少しづつ編んでた前回と同じパターンの2枚目のセーターが出来上がった。姪の子供のプレゼントに買ったが気に入り我が物にしたカエルのぬいぐるみとお揃い色。一昨年初めて買った毛糸を使用。

このセーター着て、ぬいぐるみを抱いて自撮りしたら、ホスピスの患者さんを思い出した。車椅子に座りいつもぬいぐるみを抱いている。

生きていれば「ああ、情けない、なんて自分はあほなんだろう」と自分の愚かさに胸が痛む過去がありすぎるほどあるけど、ホスピスでボランテイアはじめてから、「そんなことでクヨクヨしてたら時間がもったいないよ、今度から気をつければいんだから、恥をかくのも後悔するのも、失敗するのもボケてないからこそ」と少し元気になる。

オリンピックの羽生選手の金メダルフィギュアを観ながら感動するね。何回も何回も失敗してもあきらめず自分のミスを矯正すべく精進してきた。私は年ばかり取ってもいろんなこと未熟で、尊敬する友達から人格を磨くことの大切さをそれとなく示唆されてきた。羽生選手の金メダルへの道のりはミスがあるからこそ生きがいもあるって励まされる。

2枚目のセーターでもミスがあった。今度はここに注意してと自分のミスの原因がわかってくる。ミスの原因がわかるのも失敗してこそ。さて、これからいろいろ忙しくなるが、忙中閑ありで、次は靴下編みにチャレンジ。

カエルとおそろいのセーター。ちょっと派手だったかなー。





春一番

2018-03-08 09:28:54 | 暮す
 
 電線が ゆれて鳥呼ぶ 春一番

今朝は吹雪、3日前は春一番が吹いた。電線が揺れて、小鳥たちを乗せるのを待ちわびているようだった。

ここ1カ月、義父母のことで家族との話し合いがあった。決まる時はあっという間に決まるもので、3日前、家を売り高齢者向けレジダンスに入居することが決まった。私達夫婦の家で同居するか、あるいは私達夫婦が家を売り義父母と同居するか、あれこれ話し合い、最終的にたぶん一番良い選択だったと思う。

レジダンスと言ってもベッドルームが二つ、キッチン、バスルームにサロン、バルコニー付きで、庭は公園かと思うくらい広く、病院、野球場、公営プール、スーパーも近くベストな場所。義父母は4回訪問し、私達は2回訪問して、私と夫は「自分達も家を売ってここに引っ越そうかと」と思うくらい、快適で広々としたレジダンス。冬が厳しいお国柄、真冬でも屋内で不自由なく暮らせるよう、図書館もあればサンルームもあれば、様々なイヴェントや運動ができる体育館ほどの集会所もある。我が家からも車で15分とすぐ行ける。常勤の看護婦さんがおり、食事も自分たちでお料理したくなければ食堂で食券を買って食べれる。義父母と一緒に昼食をいただいたが、スープ、サラダ、メインデイッシュ、デザート、コーヒーととても美味しかった。

義母は思い出のたくさんある自宅を売ることが決まり何回か泣いた。義父は重荷になってきたプールや芝生の管理から解放される、それだけで一日も早く引っ越したいとルンルン。義父は5年位前から引っ越したかった。

義母がベッドカバーを新調しようと去年からあちこち探しているが気にいったのがなく、モントリオールに義父母と4人で行ってきた。車中、あの気丈な義母がはじめて弱音を吐いた。「もう私にエネルギーがない」と。

いま、家具など処分にはいり、ちまちましたものは我が家でガレージセールすることになった。去年もガレージセールしたが、商売上手の義妹や義弟が奮闘して結構売った。また、家族でワイワイと楽しかったので今年も楽しもうと思う。

ホスピスで正式にボランテイア登録をした。初日はショックだったホスピスも慣れたというか、死に対しての感覚が変わってきた。先週、まともにお話ししていた患者さんが亡くなり今週はもういない。
そして次の患者さんが入居する。毎週、誰かがこの世にさよならしてる。このホスピスは何処もかしこも陽光がさんさんと降り注ぎ、明るく、ボランテイアの方々は陽気で、なんていうのか、死はお休みと言って眠りにつき、そのまま目がさめない、ただそれだけのように思えてくる。

1カ月間、義家族と、たくさんたくさんのことを話し、今は皆でこれで良かったと安堵した。
夫とレストランよりレジダンスの食事のほうが美味しいねということで、週一回は義父母と食事しようと話してます。老人食が好きになってきた私達もシルバー世代に突入した。