ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

秋に寄せ

2018-11-22 10:57:05 | ニュース
 秋に寄せ 舞い滑る君 倭子に似て

 羽生結弦は何故かくも人の胸を打つんだろう。ロシアでのフリープログラム、涙がこみ上げた。たぶん、もし過酷な運命というのがあるならば羽生は果敢に次から次と襲う暗雲に立ち向かう。幼少からの病歴、怪我歴をたどれば、あたかも運命が、「お前に成功などさせてたまるか」とばかりに刃向かってくる。だが羽生は運命を呪いもしなければ怨みもしない。むしろ自分の力量のなさと受け止める。異星人扱いされる羽生とて人間、そう遠くない時期に矢折れ力尽き果て無念の涙を流す日が来ると思う。それでも羽生の演技をみてると遠くの未知なる地平線に向け視界が果てしなく広がる思いがする。彼はどれだけの人を勇気づけ生きる悦びを与えたことか。

 羽生にもフィギュアスケートにも全く興味のない夫がたまたまテレビに映った松葉杖姿の羽生をみて、「これが羽生か、子供じゃないか」と言った。そういえばSP(秋に寄せて)を終えてオーサーコーチに向かう羽生の顔は、これまでになかった笑顔、最初にロシアでロミオとジュリエットを演じた時の笑顔とだぶるものだった。久々に見せたその子供のようなきれいな笑顔にはっとさせられ心打たれた。私たちは才能を与えられたがゆえに課せられた試練を生きる天才の心の内を知ることはできない。



小春

2018-11-18 08:36:31 | 暮す

 招き猫 初孫むかえ 小春かな

 昨日の俳句番組のタイトルは「小春」だった。毎週土曜テレビの前にノートをひろげると、まるで俳句教室でゲストをクラスメートに授業を受けてる気分。一年間学んだら投稿してみようかな。添削していただけるんです。

ここ一年前から、家族、お友達の間でプレゼントやお土産交換やめようと私から云い出し(いいだしっぺがいないとね)、お友達にも一切お土産持ってこないよう説得。今夏、彼女に会ったとき何も持って行かなかった。お会いするのが一番のお土産で、レストランも割り勘にしようと提案した。年金生活だし断捨離続行中。せめてほんの少しの気持ちだけでもと思うなら、七味唐辛子とか爪切りとか、今欲しいものを1000円以内でリクエストしようということにした。

で、何も欲しいのがないのでリクエストしなかったけれど、お友達はちっちゃな招き猫をプレゼントしてくれた。お日様が当たると猫がお手ふりします。これ頂いたとき、もう嬉しくて嬉しくて。というのも、我が家に招き猫があり毎朝お顔を拭いて「金運よろしくね」と手を合わせてるんです。が、出てゆくばかりで「バイバイ猫」と呼んでます。笑顔が足りない猫なのよ。だから、お友達からいただいた愛嬌の良い猫ちゃんは、まるで孫猫がやってきたよう。






老いてなお

2018-11-12 08:12:09 | 暮す
 老いてなお驚くことの多かりき

ダイアナという16才の女の子と交換授業してるが、この子は私の先生だ。インターナショナルハイスクールを中退し、高校卒業資格を取得するためのリベンジ学校に通っている。ちなみに先週テレビで、このリベンジ学校を卒業した40才のかつてのアイスホッケー選手のルポルタージュがあった。ダイアナは政治亡命したコロンビア人のジャーナリストを父に、教育委員会に勤めながら博士課程で学んでいる勤労学生を母にケベックで生まれた。伯母さんはモントリオール大学で社会学を教えている。だからなのか、彼女は16才にしていっぱしの批評家で、なおかつ私の質問に答えてくれる。ひょんなことから出会ったこの女の子に感謝してやまない。

毎回1ページほどの時事問題を用意し、わからないところを彼女に質問したり討論したりするのだが、先週の授業が印象深かったので急いでメモ程度に。

テーマはGAFAM(GOOGLE, APPLE,FACEBOOK,AMAZON, MICROSOFTの頭文字)。かつての植民地政策(南北米、アフリカ、アジア)に代わり、この巨大なネット会社は全世界の人間の脳を植民地化しつつありJACQUEA ATTALIをして第七大陸を形成してると言う。脳科学者たちがマインドコントロールの為に人間の視覚、聴覚、心理学などをいかに微細に研究し成果を上げてるか、ダイアナは具体的に説明してくれた。私はおったまげー。

私たちは何気なく「ここを押してね_クリック」してるが、たったそれだけの為に色から形から視線まで研究されてる。研究成果適用あとではクリック回数増大効果が著しいという。

以下、ダイアナのデッサン。



私のような婆さんでも、あふれる情報にマインドコントロールされているのが良くわかる。例えば古い財布をいつまでも使ってると金運が悪いとかなど。資本主義経済は消費社会故、あらゆるイメージ攻撃で消費をあおらなければ成り立たない。物だけではない、生き方すらマインドコントロールされてないと誰が言えよう。









2018-11-06 19:42:28 | ニュース
  身をよじり 飛び散る汗が 玉と化す

 羽生弦結さん金メダルおめでとう。中国では魔王とよばれているとか。魔的な底知れぬ深海を思わせるパワーありますね。あの飛び散る汗、透明そう。彼がもたらす経済効果ってすごいですね。バスクリーンからチョコレート、オルゴール、味の素スープ、、、ぬいぐるみのぷーさん売れまくり。私もクリスマスプレゼントにお願いしようかな。たくさんの方がコメントしてますが、生きててよかったなんて言わせしめる感動を与えるスケーター、生き方にまで影響を及ぼす何かがあるんですね。私もね、彼から何か大切なものをいただいてる気がしてます。

 たった数分の羽生の演技を観に日本から飛行機に乗ってヘルシンキまで飛び観戦するファン。それだけのものがあるって解説者がコメントしてました。観客のほとんどがオバサン。いつも思うんだけど文化芸能ってのはオバサンでもってるんじゃないかしら。来週来る友達も羽生ファンでピョンヤンオリンピックのテレビ中継に数珠もって祈ってたんだって。大笑いよ。彼女、その前はヨン様、ヨン様の前はケビンコスナーだった。

 羽生のブログサイト見まくってたらピンポーンとなって、病気の右お隣さんが見えた。お医者様に、最期が近づいてると言われ、これから一日おきに看護婦さんが派遣されるとのこと。ホスピスに入るのを断ったんです。この医療サービス無料です。春に、生きるのが楽しいから死にたくないと泣いてたお隣さんは、夏に私の菜園に遊びに来て、あの花も、この花も好きな花だから棺に入れてねとジョークしてた。また、半分に痩せこけ洋服がだぼだぼになり新調したズボンを見せてくれた。父が亡くなる数カ月前もそうだったが、死が近づくとすでに魂が抜かれてるような浮遊してるような印象を受ける。寿命というのは決まってるとよく言われるが私もそう思う。

 50代の頃はまだまだ人生がどこか無限なような気がしないでもなかったが、還暦過ぎたら自分の死が確実にやってくるという事実を実感するようになった。といっても平凡に暮らしてるだけ。死ぬまで生きてるだけのこと。お隣さんはやせこけた身体で調子のよい日は庭の落ち葉を掃いている。84才の義母は心臓が60パーセントしか機能しなくても、がんで卵巣も子宮もとっても、新しいパソコンを買って覚えるに夢中になってる。クリスマス用の洋服をショッピングしてる。左隣のパーフェクトおじさんは夫がめまいがするとちらっと話したら血圧計持参で計りに来た。お節介パーフェクトおじさんの存在は有り難いと思えるようになった。90才の実母は、ご近所に住む40代の女性が400円会費で老人お楽しみ食事定例会をスタートし楽しいという。私はカーデイガン編みに四苦八苦しながら、自分の不器用さ物覚えの悪さが面白い。夫が編み物の何が面白いんだいと聞かれて答えました。

 昨日何食べたかも忘れてる、読んだ本も忘れ、聴いた音楽も忘れ、頭がスカスカ空っぽになってゆく感じ。毎日脳細胞がぷつんぷつんと死んでってる気がする。でも、頭がだめなら手があり足があるということで、編み物は手で覚える悦び、モノが出来上がる喜びがある。何回も編んだりほどいたりしてると身体が覚えるから、これが楽しい。

 

 



芋蒸かす

2018-11-05 09:10:12 | 旅する
 空色のペンキ塗り終え芋蒸かす

 来週、友達が娘さんと見えます。今朝、物置部屋をゲストルームへと変身終了。ナイトテーブルを探しながら例のごとくガラクタ屋さん巡りをし、おとといやっと見つけました。以前、杉でできた素晴らしい物件に出会いお値段も2000円と欲しかったのですが、チェストとセットで6000円でないと売らないとのことであきらめました。チェスト必要ないので。質は格段に落ちますがで、おととい500円で手に入れ、リニュアールしました。お部屋のペンキ塗りまでする気力がなく、釘のあとや、汚れた壁の部分隠しにあれこれのチラシを張り付けたり、額を飾ったりして何とか学生さん向け風ルームになりました。クリスマスに、モントリオールに住む義弟の中学生の男の子と高校生の女の子(こちらの部屋は出来上がってます)が泊まるのでそのことも頭にありブルー系でまとめました。12月はじめに甥の大好きなアイスホッケーの選手のポスター加えれば準備万端。

後ろの壁には、今夏姉のお友達ご夫婦からお土産に頂いた中国旅行土産の羽織を飾りました。布団カバー以外はオール中古で、偶然に見つけたクッションは300円、カバーを洗濯してアイロン掛けたら新品みたいになりました。アンチックというよりはガラクタ趣味、夫は呆れかえってますが、最近の物価高は著しく、家計を見直してるので、ガラクタ買いは寄付になるよねと賛同するという変身ぶり。そうです、このナイトテーブルを買った日に目にした、ガラクタ売上金で運営される貧困層のための食堂は満席でした。

この変身に総額いくらかかったというと3000円ぐらいです。ベッドカバーは大手衣料スーパー閉店の時に80パーセント引きで買ってあったもの。以下、変身写真。