ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

ライフワーク

2020-06-29 21:56:47 | 其角ラモー
自分にないものに憧れるのは人の常。私が羨ましいと思うのはライフワークのある方。三度の飯よりも好きで、のしかかる困難も好きな道を選んだ故と引き受けてゆく。ある美術評論家の方がアーチストは貧乏とブーたれる芸術家に対して、あなたが選んだ道でしょうと手厳しかった、つべこべ言うなと、そうだよなー。地方の郷土史家によくみられるように生活のための仕事の傍ら暇を見つけてライフワークと選んだ研究をすすめる人もいる。羨ましく、そういったものが自分にないことを寂しく思ってた。が、コロナヴァカンスのお陰であれこれ脳内フラフラしながら、生きてナンボの年になり作曲家で一番好きなラモー全曲を聴くのをライフワークにしようと思いました。また、ラモーと同時代の空気を吸った時期もある、これもなぜか惹かれる其角を読んでゆこうと。ライフワークを決めるに遅すぎるということはない。

夫からも周囲からも呆れられるんだけど昔からいつも誰かかれか追っかけしてる。アレクサンドルタローさんにちょっと飽きちゃって(超有名になったらコンサート切符も高くなっちゃったし、でも長年のアイドルなのでこれからもコンサートは行きます)、代わりに数年前からおっかけしてるのは若手チェンバリストのジャンロンドー。デビューした時からCDかかさず買ってます。彼は音楽一家に生まれてませんが5歳の時ラジオから流れるチェンバロにイチコロでその道に進みます。5歳でライフワークに出会うなんて。数年前彼のコンサートに行ったのですがイメージと違いシャイで礼儀正しい若者でした。彼が弾くLES SAUVAGES 未開人、プロモーションビデオを見ると今時の若者と思いますがラモー自身かなりぶっちゃけた性格だったので、若い頃のラモーって現代に生きてたらこんなかもと思わされます。





ラヴェンダが咲き始めた リンゴジャムを作った 本箱を解体した(別な棚にする)


新しいとは

2020-06-27 21:51:26 | 聴く
ある音楽デイレクターが新しい若い才能を発見するのも大事な使命と語りました。次から次と新人がデビューするのも当たり前です。アーチストも老いてゆくのです。視聴者としては新人をいくら追いかけても次から次と紹介されついてゆけません。また、推薦のCDを買いその時はなるほど素晴らしいと思ってもハートを鷲掴みにされ何度も手にし再聴することは稀です。感動するキャパ自体も老化してるし。で、やっとこさ届いたRADU LUPUのCD毎日聴いてます。新鮮な驚きでこんな素晴らしいピアニストを知らずにいたんですね。だから生きてるのは楽しい、知らない世界がありすぎでいつも自分は世界の入り口に立ってる気がします。



最初CDを聴いた時、これはベートーヴェンなの❓別人の作曲家に思えて、ベートーヴェンでなくRADU LUPUを聴いてると思いました。なぜかこれまで聴いたベートーヴェンとは違うんです。重力なく、澄んだ清流に光が煌めきながら反射しリズミカルに大海に向かい流れるよう。深く聴く者の胸に滲み入り喜びで満たしてゆく。毎日聴く内に、LUPUはベートーヴェンに繊細で柔らかく鋭敏で優しい感性を見出し表現しようとしているのではと思いました。ずいぶん昔に夫とベートーヴェンの伝記映画 不滅の恋人 を観たんですが夫が涙を浮かべてるんですね。びっくりしました。モントリオールのHさんに言わせると男の方が女よりも遥かにデリケートで感性が鋭いと話してたこと思い出しました。女って子育てや家計のやりくりなど現実的で結構したたかですもん。男の方がロマンチストかもしれない。

なんでも新陳代謝が激しく常に新しいものが次から次と現れるけど 新しい とは初めて出会い感動するに時空はなくむしろ新しい出会いということではないかしら。アホエンオイルもそうだし次なる編み物もパン作りも私にとっては新しい。古いものでも初めての出会いはいつだって新しい。

古希も近い婆さんなのにアルバイトしたくてネットで次から次と応募し撃沈してます。理想は週10時間、最低賃金肉体労働OK。遊ぶお金欲しいです。もちろんなければないでなんとかしますけど。カンボジアレストランから先行きどうなるか分からないのでしばらくお休みとのこと。コックさんを見つけるに大変でモントリオールから呼び寄せ無料でアパートに住まわせ至れり尽くせりだったコロナ前とは考えられない状況。
 
菜園は毎日いろいろな花が次々と咲きます。夫の好きなレーズンパン焼きました。



夏の贅沢

2020-06-24 07:55:05 | 菜園
夏の贅沢は菜園でとれる野菜を口にすること。真夏日が続き勢いよく育ってる。育苗から育てたトマトは強風や寒暖差の激しい不順な天候で2苗のみ生き延び成長にまで漕ぎ着けた。トマトの周りに草茫々と生えており何だろうと引っこ抜いてみたらおったまげ〜、去年の豊作で捨て置いたミニトマトが極寒の冬を生き延び芽吹いていた。ということは普通のトマトも捨ておけば育苗などしなくても生えるのか❓しばらく放っといて様子見よう。



昨日から室内外のプールオープンで今朝7時行ってきました。私たち夫婦だけ。内にある銭湯に似たジャグジー風呂も二人だけ。いろいろ規則が面倒になったけれど貸切状態で朝一番に飛び込み泳ぐのは爽快。外にはプールの他にジャグジー風呂(こちらは日本の露天風呂に似てる)が二つあリますがコロナの影響で広くするために工事中。着替えとか面倒で散歩のほうが楽、行きたくないとごねてた夫も母ちゃんに尻叩かれ行けば1日のスタートを切るに血流も良くなり調子が良いと満足。

カーテン縫い上がったけれどいまいちピンとこなくて別な布でもう一丁。うーんどこかしみったれた感じ、労多くしてしょぼい雰囲気。ロンドン帰りの楽しい貧乏暮らしのセンスが羨ましい。まあ、とりあえずこれでゆこう。



ランチ:カニ炒飯と菜園サラダ。若い青物野菜は柔らかく美味しい。


予定は低めに

2020-06-22 09:52:36 | 暮す
これからの暮らし方モデルは、さて今日は何をしなくちゃならないか、何をしたいかの順番を決める。先ずパンがなくなったのでパンを焼くがトップ、ついで古いカーテンを切って洗濯するが2番(縫うのは明日)、パン発酵中に終わった。その後昼食支度が3番。スケジュール低め設定なので全て終えてちょうどお昼になった、気分よし。午後は気がむくままにお昼寝したり、寝転んで雑誌読んだりブラブラ、何しろ暑くて何もしたくないので何もしない。簡単な夕食を終えてから涼しくなりがぜん元気になる。菜園に出てるときが幸せ。ここになんの花植えようかなーとあれこれ思い浮かべる楽しいひと時。夜9時近くまで明るく草取りしながら遊んでられます。



今日のランチ:菜園でとれたイタリアンサラダという葉物、大根、にんじん、キューリの千切り、錦糸卵、蒸し鶏、タレにアホエンオイルを加えたサラダ風冷やし中華。



それにしても暑い、33度まで上がった。3ヶ月前に注文しておいた中古CDがイギリスからやっと届いたが暑くて聴く気力なし。中古本や中古CDって結構需要があり売れるそうです。CDなど通常だと定価で2500円するのが郵送料込みで1000円ぐらいで買えます。おまけに新品同様というより新品じゃねーかと思うことしばしばです。

流行

2020-06-20 21:36:17 | 暮す
洗面台ペンキ塗りしながら永井荷風の日和下駄が浮かんだ。その中に人間の審美眼が変わって行くという箇所があり印象に残っていた。江戸の風景が時代の波に取り壊され消えゆく様を哀惜しながら記録にとどめ、明治、大正、昭和と生きた荷風は、江戸の街に似つかわしくないと批判的だった明治の煉瓦造りの建造物がやがて古び美しく映るようになったと、美を感じる目が移りゆくことに驚いている。

不動産業をしている義妹夫婦は流行に敏感だ。住宅展示会は欠かさず、インテリアのお店はマメに訪問し時代をキャッチしている。二人の目から見たら我が家の浴室は築60年前でストップしている。リノベーションの参考にインテリア雑誌を買ったが予算的にも自分の好み共々とてもついて行けない。そこで新旧入り混じったハイブリッド。業者の方に相談したら配管は取り替えてあるので洗面台はこのまま、床のタイルも欠けておらず大丈夫と言うことでそのまま使用。洗面台の戸も引き出しも取っ払った。カーテンを掛けておしまいにするつもり。3段引き出しの収納場所など必要ない。思えば旅行するとき、洗面道具一式(タオル、歯ブラシ、石鹸)があれば足りる。あれこれ取り置きの古いカーテンをひっくり返しながら水色を見つけたので洗濯して短く切っちゃおう。



あたりを見まわしながら好きで飽きることのなかった壁紙がなぜかうるさく感じた。所々ハゲ掛かってるし、これ寿命と、思い切って剥がした。しみじみ模様を眺めるとやっぱり好き、そこで残ってる切れ端を思い出に額に入れようかな。



以前、荷風の審美眼が変わるという言葉で真っ先に浮かんだのはシャツ出しルック、出始めの頃はだらしなく見えたが、そのうちカッコよく見えるようになり、そのうち自分も真似するようになったっけ。確かに審美眼は変わる、好きな色が変わってゆくように。そして姪や甥からダサい趣味をからかわれるわけも納得。でもいいのよ、好きなのは好き、ただ流行に乗るに10年かかるっていうこと。その時はすでに新しいものに変わってても。

一昨日から夫が3泊4日オタワに出張で食事は適当。豆乳ポタージュと果物で済ませてる。大好きな柿が一箱500円、産地は南アフリカ。