ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

クリスマス

2018-12-25 07:39:15 | 暮す
 はしゃげども哀しみさそうクリスマス

 みんな寝てる。私はいつもの通り早起き。そのかわり午後は夕方からのパーテイー第二弾に向けて昼寝しよう。

今年、義家族に辛いことがいろいろ続き、いつもなら大賑わいのクリスマスイヴが、写真を撮るでもなく、面白アイデアゲームもなしで、せいいっぱい明るく振舞おうとする義妹が泣き出す場面もあった。でも子供たちは元気で恒例のトランプにはしゃいでいた。姪の3人の子供がまだ小さく、泣いたり、笑ったり、言い草が可笑しくて、こんな時は子供の存在は有り難いとつくづく思う。

なにも用意しないでいいよ、全て揃ってるからと言ってあったけど、甥も姪も枕持参でやってきた。それがおかしくて、枕投げして遊ぶのというと甥がわたしに枕を投げた。私達夫婦は義家族の中で一番つつましく暮らしている(貧乏という言葉は相対的なものだから使いたくない。使うなら贅沢貧乏、私の贅沢は菜園と編み物)。一見華やかに見える義弟や義妹の暮らしぶりをフェースブックに載せでもしたら幸福を絵にかいたように映るだろう。人生で思いがけぬ青天の霹靂ともいえるドラマの渦中にある義弟、私達は何もしてあげれないが美味しい朝ご飯だけは用意できる。

そろそろ起きて来るかな。




冬日

2018-12-23 19:09:30 | 俳句
 冬日射す 郵便箱に 小包が

 毎週土曜日、テレビの前にノート持参で俳句を学んでる。俳句12月21日の季題は冬日。よくわからないことが多い。例えば素材を生かすようにというアドバイスに、どうすれば素材を言葉で生かせるんだろうとわからない。お料理だったらわかるけど。気長にゆこう。楽しい番組で土曜日がまちどうしい。

今年はだれにもクリスマスプレゼント送らなかった。ごめんなさい。おととい郵便箱に友達からの小包があり開けて思わず笑ってしまった。なかに足袋ソックスが3足。いつだったか、足袋ソックスがお気に入りで穴が開いても繕って履いてるというのを覚えたいたのかしらと、ありがたくもかたじけない気持ちになりました。羽生弦結さんも5本足の足袋ソックス履いてるんです。前のソックスは大事に手洗いし2年間もち、穴かがりしながら履いてたけれど、一か所穴があけば、繕うかたわらから次々と穴があき、全体的に生地が弱って寿命なので捨てた。ほんにグッドタイミングなプレゼント。友達は、私と違ってとても気が付き、字も綺麗で、ラッピングなども素敵で、極めつけは貼ってあった様々な切手の美しさ。切り取って飾ることにしました。自分はつくづく何につけおおざっぱで、気はまわらないし、だらしない人間だなと自覚してるんだけど、こういった質はなおせるものなのだろうか。それとも、気質が反対故、相補い、これでいいのだろうか、などとあれこれ悩むつもりで悩まない、これが問題なのかも。

夫にクリスマスプレゼント何がいい?とたづねてもこれといって欲しいものがないという。私は羽生さんのラッキーアイテム熊のぷーさんのぬいぐるみが欲しいと言ったら買わないよと言われた。それが、まったく偶然にドラッグストアでぷーさんのちいさな手帳をみつけたのよ。500円。思わず嬌声をあげたら店員さんに笑われた。それで自分で買った。経済成長に貢献しない夫婦で、こんな老人ばっかしだったら日本経済衰退するね。お金のある人はおもいっきり贅沢しましょう。

ラジオで聞いたクリスマスのちょっといいお話を最後に。
二人の貧しい恋人同士の学生がプレゼントするほどの余裕がない。それでも彼は彼女を喜ばせたくて乗り降り自在モントリオール市内観光のバス券(日本のぐるりんパスのようなもの)を買い、素敵なカフェをみつけると降りてお茶したという。いまでも忘れられない最高に幸せなクリスマスプレゼントだったという。

明日はクリスマスイヴ。たのしいクリスマスをお過ごし下さい。
Mさん、靴下穴が開くまで大事に履きますね、ありがとう。



カーデイガン

2018-12-21 06:44:22 | ハンドメイド
 でこぼこに仕上がれど嬉しカーデイガン

 今年の課題、カーデイガンが出来上がった。あちこち間違ってデコボコで模様編みも不揃い。でも、とにかくあったかい。編み物クラブのメンバーも、下手でも自分が編んだかと思うと愛着が湧き人様がどう思おうと着てて幸せなのよねと同感。あきらめづに最後まで丁寧に教えて下さったMさんにありがとう。でなければ不器用な私には無理と諦めてた。

 ラジオで、面白いこと言ってた。ひと昔前のケベックはヴァカンスというと冬のことだった。春から夏に大いに働き、秋の収穫を終えたら保存食作りなど冬支度をすませ、春まで家にいて機を織ったり編み物したり昔話をしたり3か月ほど冬を楽しんだと。これは日本でも宮本常一のみならず、いろいろな方が昔を回想して話していることで、特に日本独特と思ったのは農民俳句が盛んだったということ。俳句のみでなく、農民歌舞伎とか能とか、芸能活動が盛んだったことに驚く。農社会の生活サイクルから工業社会へのサイクル移動は、退職まで「お勤めに出る」「雇い雇われる」世界。真冬,零下20度まで下がるケベックでも、仕事に出かけ、休日と夏のヴァカンスがお楽しみ。

 農生活はそんなに過酷なものだろうか。年貢を納めなくて良いし、地主もいない。なのに、農業の後継者は激減するばかり。アメリカ人の可愛らしい女性が日本の里山に惚れ、日本の農家に嫁ぎ子供を4人産み育て生活しているルポルタージュを見た。家の中は賑やかで、ごちゃごちゃで、昼食は自家製の味噌煮込みうどんを食べていた。職場は建物の中でなく外の自然。夫に「いい若者が、ごちゃごちゃ社会に不平不満ごたくならべんで帰農という道があるんじゃないか」と言うと、「ネット社会で何不自由なくものが手に入り快適に育った若者には無理だし強制できないよ」とのこと。

 大学でビジネスを学んだ甥が年収400万で社会人スタートをきったが半年もせず辞めた。理由は、人出不足であれこれ下っ端がする雑用をいいつけられたから。自分はこんな最低の雑用をするために勉強したんじゃないからと言うのが理由。親が買ってくれたシェアハウス(といっても借りは返すけど)の家賃収入があり生活に困らないが、内心「いつまでもあると思うな親と金、ばっきゃやろー」と思う。また一方、空気や人心を読み、ビジネスの才知にたけた、こういった若者が金満家になるのかなとも頭をよぎる。仕事での最初の研修会はトロントで「いかに組合結成を阻止するか」だったという。

 編み物を始めてからお金を使わなくなった。なんでも自分で作れるんじゃないかと思ってしまう。また、その方が楽しい。洋服もだんだんに手縫いしようと思う。来年から夫の年金が万単位で下がることになったから昔の知恵を頼りにいろいろ工夫しながら暮らそうと思う。

以下、生まれて初めて編んだカーデイガン。似合おうと似合わなかろうと、お気に入りのレトロなワンピースにあわせた。


 
あらためてMさんありがとう。



 

17才

2018-12-19 07:01:20 | 暮す
 寝すぎたと 遅刻をわびる 17さい

おとといがダイアナとの今年最後の交換授業の日。クリスマスの義弟家族の滞在までしばしのんびり。普段手を付けない棚や引き出しの断捨離掃除しよう。

授業はおしゃべりで2時間が過ぎた。若い子と話すたび、いつのまにか自分は時代遅れになり、おばあちゃんになったんだなと客観的に自分を観れてありがたい。アップルプロを買って嬉しくてたまらないダイアナはいろんなこと説明してくれる。授業を書きとるノートは紙も鉛筆もいらない。充電可能なアップルペンシルでなんだって自由自在。学校から指定された本はダウンロードで買った。だから学校に本を持ってゆく必要なし。いろいろ話しながらダイアナの口癖は「あなた達老人世代は、、、」だ。

ダイアナ曰く、ブログなんてとっくの昔に時代遅れ、おじいちゃんおばあちゃんの世代だって。

フェースブックは、おじちゃんおばちゃんの世代だって。

インスタグラムも時代遅れになりつつあるんだって。


話がいろいろ飛んで、なんでエリート校インターナショナルスクール中退したのと聞いたら生徒間の競争意識が激しく、先生方も生徒をあおりそれが嫌だったとのこと。こういった話は何度か耳にした。かつての生徒だった二人も熾烈な競争を強いられる学部が嫌で進路を変えた。

17才の誕生日を迎えたばかりのダイアナは不眠に苦しみ、13才からお薬を飲んでいる。そしてぽつんとこんなことを言った。「自分はこの世に役たたづで無能と感じる」と。一回、メールも電話も連絡なくすっぽかした時があり寝過ごしたとのこと。後でお詫びのメールが入り、ごめんなさいと海苔持参でやってきたことがあった。目を覚ましたら時間で、あわてて駆け込んだり、遅刻したときもある。ケベック人の行動に慣れた私は、相手に期待しないので、休んだり遅刻してもがっかりすることもなく、他にすることいっぱいあるので別なことしてる。つまりAプラン、Bプランというやつ。傾向と対策。

ダイアナは役たたづと思ってるかもしれないが、私には大いに役に立つどころか感謝もん。子供がいないので孫がいない故、こうして孫世代とお付き合いできることをありがたく思う。御礼を述べると、私にぴったりな今彼女が使っている教科書があるから来年からそれを使おうということになった。討論や議論をいかに組み立てるかという本で、ぱらぱらめくりながら、なるほどこんな授業を受けてるからケベック人は口が達者なんだなと思ったし、夫からも、私が感情的にものを言うと「自分の考えをきちんと組み立て説明しろよ」と言われるのも納得。今更遅いよと、ロジックに感情で応戦してるけど。感情は論破する。

時々、いろいろめんどくさくなって、ボランテイアも交換授業も辞めて、残り少ない人生、自分の好きなことだけして暮らしたいという気持ちがよぎる。ダイアナが役たたづで無能と感じるなら、役たたづで無能と自覚する年になってこそ解放感と自由を感じるのが老いの特権かも。



オリオン座

2018-12-13 08:21:44 | 暮す
 むだ歩き 嘆くなかれと オリオン座

来客が続き、あれこれのおよばれがあり忙しかった。昨夜、ボランテイア慰労会で来年の1月9日までクリスマスヴァカンス。

私は早起きでだいたい4時起床。起きがてら、ふとまだ暗い外をみたらオリオン座が窓いっぱいに大きく輝き迫ってみえて驚いた。こんなに近くに見たのは初めて。

意図的にあまり過去を振り返らないようにしているけれど(カウントダウンに入った人生、過去のこと悔やむ時間がもったいなくて)、それでもふと思うのよ、「むだ歩きばっか、なんとちゃちでちんけな人生か、できることならやり直したい」と。でもオリオン座がほんとたくましい輝きで、なんだかはっぱかけられてるみたいで全てOKと言ってるみたいだった。

冬は明けの空が美しい。7時頃の西空は水色と淡い桜の花びら色。東の空はこれも淡い水色とオレンジ色。自然は美しい。