★★★★★★★★☆☆
冒頭、いきなり悪ガキが仲間の女の子に罰ゲームとして「アソコを見せろ」などと、マフィアさながらの仕草で言ってのける。この子の演技が何とも堂に入っているのである。そして、女の子が服を脱ごうとしたその時、ミケーレが「自分が罰ゲームを受ける」と手を挙げる。この冒頭シーンでミケーレがどんな子かが実に端的に描写されている。
美しい自然の風景と、生き生きとした子どもたちの描写とは裏腹に漂う緊張感・・・。そして、思わず飛び上がりそうな、というか、思わず声を上げるほど驚くシーンが、、、。
その後は何か起こってしまいそうで起こらない、そんなシーンが続き、ドキドキしながら展開を見ることに。割と背景は早い段階で明らかにされていくので、謎解きの要素はあまりない。それなのにこの緊張感!
実に細かい伏線がいくつか張られており、クライマックスはその伏線が鍵になる。ミケーレは、お父さんがフィリッポを殺しに来るのが分かるのだ。だからこそ、あの暗い夜道をはるばるフィリッポを救い出しに行く勇気が持てたのだと思う。そして、思った通り、大好きなお父さんが現れた! そして、私は2度目に声を上げてしまうことに・・・。
タイトルの『ぼくは怖くない』は、ミケーレの心情であるとともに、ミケーレに助け出された後のフィリッポの気持ちでもあるのだと感じた。
冒頭の悪ガキもそうだが、子どもたちの演技が素晴らしい。特に、ミケーレを演じたジョゼッペ・クリスティアーノは圧巻。どこか『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベルと表情や仕草が私の目には重なって映り、若干、評価も甘めになっているかもだけど・・・。
余談だけれど、日本のそれと見た目そっくりの蚊取り線香が出て来て、びっくり。あの渦巻き型の。蚊取り線香のあの形って、どういうルーツなんだろうか。あれは日本からの輸出品? ちょっと調べてみようかな。原作も読んでみようかな。