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父親の違う子ら4人と母親がとあるアパートに引っ越してくる。しかし、母親・福島けい子(YOU)は、12歳の長男・明(柳楽優弥)のみを大家に紹介し、小さい二男と二女はスーツケースに入れて、長女は後からこっそり呼び寄せるという異様な引っ越しだ。
けい子は、明以外の3人に絶対に部屋から出てはダメだと言い聞かせ、ある程度まとまった現金を置いて何日も帰って来ないという生活をしていた。そしてある日、「クリスマスには帰るから」と言って、再び明に金を渡して出かけたきり、クリスマスになっても帰って来なかった。そのうち、明の手元の現金は底をつく。
実際にあった子ども置き去り事件をモチーフにし、柳楽くんがカンヌで日本人として初めての最優秀主演男優賞を受賞し注目を浴びた作品。
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なぜか分からないけど、何となく見たいと思い、『誰も守ってくれない』のDVDと間違えたら、余計に見たくなりまして。ようやく見ました。
◆まるでピンと来ない映画。
う~ん、これはちょっと感想を書くのが難しい作品です。まあ、好きか嫌いかでいえば、確実に嫌いな部類ですが、どういうところが嫌いなのかを書くのが難しいですねぇ。これといってあげつらう要素がある訳じゃないのです。
実際にあった事件がどんなもんかはよく知らないし、そこにあまりこだわるのも意味がない気がします。なんというか、、、見ている間に頭に常にあったのは「この監督さん、何を描きたいのかなぁ?」でした。見終わっても、正直分からなかった。
インタビューなどをチラッと読んだだけだと、こういう極限状態(?)に置かれてもなお生き生きとしている子どもたちを描きたかった、みたいなことをおっしゃっているようです。
ううむ、、、生き生きとしている子どもたちかぁ、、、。生き生きしている、っていうんですかね、ああいう状態を。
オムニバス映画『それでも生きる子供たちへ』(2005年)を思い出しました。一つ一つの話はほとんど忘れてしまったのだけど、みんシネにも書いたとおり、子どもって、とにかく生きることしかないんだよね。何が何でも生きようとするのが子どもであり、本作でも置き去りにされた子どもたちは、生きることだけしかない。他に考えることなんかない。せいぜい考えることといえば、母親が帰って来るかどうかくらい。
彼らにとって、日々は生きること。生活することじゃない。生きることなわけで、それを“生き生きしている”と言われても、、、。
まあでも、もっと悲惨な虐待を受けて、生きることに必死でも“生き生き”していない子どもはたくさんいるだろうことを考えれば、この4人は生き生きしていると言えるのかも知れません。
正直なところ、途中からすごく退屈してしまったんです。話自体はどんどん悲惨になるのに、ゼンゼン胸に迫って来ない。作り物だからとか、嘘くさいとかではないと思う。冗長だから、ってのも違う気がする。ただただ、何でこの作品を撮りたいと思ったのかが分からない。それくらい、見ていてピンと来なかったのです。
誰も知らない、ってのは、周囲も気付きもしなかった、という意味も含まれているんでしょうね。アパートの住民(?)と思しき大人の足下だけ映っていて、その脇を子どもたちが通っても、大人たちは気付きもしない、、、みたいな描写でしたが。それは、気付かないことへの批判なのか、そういう都会の風潮への批判なのか。
是枝作品は本作以外では、『幻の光』(1995年)しか見たことないのですよね。なんかあまり食指が動かないというか、興味が持てないというか。『幻の光』も結構良い映画だと思ったし、本作も、決して駄作だとは思いませんが、、、。
◆邦画の今後を憂える是枝氏。
たまたま、今日、ネットで是枝氏が日本映画の今後を憂えているインタビュー記事を読みました。今のままじゃ邦画は海外で忘れられた存在になってしまう、ということを語っておられました。監督が食えない仕事じゃ若い人になり手がいなくなる、とか。
でも、それをいうなら、監督も大事だろうけど、脚本家の地位をもっと上げるべきだと私は思いますねぇ。良い映画には、絶対に良い脚本・シナリオがあります。逆に、他にどんなに素晴らしい材料を揃えても、シナリオがマズければ良い作品にはなり得ない。にもかかわらず、邦画における脚本家の扱いの酷さは目を覆うばかり。監督名はでっかく書かれていても、脚本家の名前がそれと同じ大きさで書かれているのを見たことがない。
本作は、脚本がないようなものだった、ということですが、それは本作では成立したことでしょうが、多くの作品では、やはり良いシナリオありきだと思うのですよねぇ。とにかく、もっと真面目に脚本家を育てようという土壌を作るべきでしょうね。今、映画の脚本家として確固とした地位を築いている人が一体何人いらっしゃるのやら。そしてそれらの人々がどれくらい危機感を持って後進の育成の重要性を考えているのやら。
大石静氏は、私の好きな脚本家のお一人ですが、彼女は少し前まで、後進の育成など考えたこともないと明言されていました。それは自分のライバルを育てる事であり、敵に塩を送るようなことは出来ない、と考えていたとか。彼女のように(まあ、彼女の主戦場はTVドラマですが)、ある程度の地位を確立している人でも、そんな了見であることに、私は衝撃を覚えました。競争の激しい世界なのは分かりますが、だから、邦画もドラマもダメなんだろうな、と。
それは恐らく、監督業にも言えることなんでしょう、きっと。是枝氏のように、若手の育成の重要性を認識している人の方が少数派なのかも知れない。
まあでも、これから、是枝さんが旗振り役となって、監督だけでなく、脚本家の育成と地位向上に、業界全体が注力して行ってくれることを期待しましょう。
◆エンケン氏、寺島氏、若い!
柳楽くん、セリフのある演技はイマイチですけど、、、二男くんの方が印象に残りました、個人的には。さすが、長期間の撮影だけあって、みんな髪の毛が伸びて、それだけの時間経過をリアルに感じさせますね、、、。
あと、遠藤憲一が若い! 寺島進も。お2人とも真田丸にご出演ですねぇ。
それと、帰って来ない母親をYOUが好演していました。ちょっと、可愛くて優し過ぎるお母さんな気がしましたけれども。「アタシが幸せになっちゃいけないってゆーの?」と、12歳の長男にむくれて言っている姿は、正直、あまりにもバカっぽくて笑っちゃいました。笑うところじゃないんだろうけど、すみません。
誰も知らない、、、以前よりは知るようになってきていると思います。
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