作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv73099/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです(青字は筆者加筆)。
=====ここから。
1998年、名門法律事務所に勤める企業弁護士のロブ・ビロット(マーク・ラファロ)は、農場を営む男ウィルバー・テナント(ビル・キャンプ)が、大手化学メーカー・デュポンの工場からの廃棄物汚染により、190頭もの牛を病死させられたという被害の調査依頼を受ける。
廃棄物について調べるうちに“PFOA”というなじみのない単語を知ったロブは事態の深刻さを悟る。発ガン性のある有害物質の危険性を40年間にもわたり隠蔽してきた企業に対して、彼は7万人の住民を原告団とした集団訴訟に踏み切る。
=====ここまで。
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クリスマスが終わったと思ったら、週明けのオフィス街は、玄関に門松が飾られたビルがたくさん。この切り替えの早さよ! で、正月が過ぎれば、次は節分の恵方巻、その次はバレンタインのチョコ、次はひな祭りの??、次はホワイトデーの??、、、とイベントエンドレスの日本です。
そのクリスマス直前に、本作を見に行ってまいりました。不正暴き系の映画も、そろそろ見飽きてきました、、、。
◆有害物質を長年摂取していました。
テフロン加工のフライパン、、、私が子どものころ、親が喜んで買っていた。以来、私も特に何も考えずに、テフロン加工(フッ素樹脂加工ともいう)のフライパンをせっせと使って来た。けれど、このテフロン加工が、実は人体に有害なものだった……がーん、、、そんなこと今さら言われても。
……という内容の映画です。
テフロンは、アメリカの化学メーカー・デュポン社の商標。デュポン社により開発され、一般家庭にも広く使用されるフライパンに使用されたもの。このフライパンのフッ素樹脂コーティングや撥水加工の原料として使用されていた「有機フッ素化合物」=PFOA(あるいはPFOS)と呼ばれる物質に発がん性が認められ、排出されると自然環境下では分解されず、生物の中に蓄積される危険性が指摘されている。
デュポン社は早い時期からこのPFOAの危険性を認識していたにもかかわらず、隠蔽、一般商材として広く売り出し、巨額の利益を得た、、、というわけ。
はぁ、、、私もいっぱいこのPFOAとやらを摂取してきたんでしょうなぁ。テフロン加工のフライパンは、一定期間を経ると表面が剥げてきますよね? 表面が剥げる=食材にPFOAが混入して人の口に入ってきた、、、ということですね。テフロンが剥げれば、また新しいテフロン加工のフライパンを買い、またPFOAを摂取し続けていた、ってことね。
しかし、怖ろしいのは、このPFOAが危険物質だと認識されたのは割と最近で、国際的にストックホルム条約で規制されるようになったのはPFOSが2009年、PFOAが2019年だそう。テフロン加工のフライパンは、それより以前から広く出回っていたはずだから、世界中の人たちが何も知らずに有害物質を摂取していたということになる。
一応、現在このPFOAを使用したフライパンは製造されていないと説明されている(こちら)けれど、例えばあのT-falのフライパンでも「PFOAフリー」と明示されたものは輸入品。公式HPでは「使用していない」とあるけれど、、、。まあ、信用するしかないわね。
……というわけで、フッ素樹脂加工のフライパンを使用している方は、PFOAフリーかどうかを気にされた方が良いかもです。
◆また“デュポン”かよ。
デュポン社と聞いて、たしか『フォックスキャッチャー』(2014)のヤバい人もデュポン社絡みじゃなかったっけ?? と思って見直したら、やっぱりそうだった。何度も映画のネタに(しかも良くないネタに)されて、デュポン社の広報の人も大変ですね(華麗に無視でしょうが)。
『フォックス~』の方はそれでも創業者一族の個人的な問題だったから、へぇー、で済んだけれど、本作の話は世界中の人々に実害を及ぼした話だから、へぇーじゃ済まない。
しかも、隠蔽の悪質さは、どこぞのソーリがやらかした泥縄ですぐバレる様な改竄、、、なんていう稚拙なやり方ではなく、極めて巧妙かつ卑劣。徹底的に隠蔽するし、バレたらバレたで、徹底した嫌がらせで対峙してくる。営利目的企業とはいえ、アンタらに倫理観とか良心とか1ミクロンもないんかい??と言いたくなるようなザマ。見ていて、日本の水俣病を思い出してしまった。
本作では、マーク・ラファロ演ずる弁護士ロブがほとんど一人でこの巨大企業に立ち向かう。途中から事務所の理解も得られるようになったが、実態解明は、ロブがひらすらコツコツと積み上げた証拠によるもの。
どうにか、地域住民の検査にまでたどり着いたものの、あまりに検査数が多くて分析に7年もかかり、ロブは窮地に追い込まれる。デュポンを訴えた住民の代表の家には放火までされる。
7年経ってでも、PFOAと人体への影響の関連性が証明されたから良かったものの、その後もデュポンの嫌がらせは続き、何だかんだと今でもデュポンとの係争は続いているらしい。
◆その他もろもろ
孤独に闘う弁護士ロブを演じたのはマーク・ラファロ。マーク・ラファロは『フォックス~』ではデュポンに殺される役でしたね、、、。デュポンと因縁がありますな。不正を暴く系だと、『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)でも熱血新聞記者役だった。
こういう系の映画は、大体主役が、弁護士か記者だよね。……まぁ、そういう職業だから仕方ないんだが。
ロブの妻はアン・ハサウェイだが、存在感なし。あんまし賢い女性ではないような、、、。実際のロブの妻は、最後にちょこっと出てくるが、見た感じはもっと知的に見えたなぁ。……ってこれ、私のアン・ハサウェイに対する偏見ですね、多分。すみません。
ロブを途中から援護射撃する事務所の所長を演じていたのが、ティム・ロビンスなんだが、これが最後にクレジットで見るまでゼンゼン気が付かなかった。ちょっと容貌が私の知っているティム・ロビンスと違い過ぎで、、、。私が知っているのは『ショーシャンク~』で止まっているからかな、、、? いや、それにしてもすごい変わり様でビックリ。
テフロン加工のヤバさとか、デュポンの卑劣さとか、イロイロ教えてもらっておいて言うのもナンだが、正直なところ、冒頭に書いた通り、不正暴き系の映画はちょっと食傷気味になってきました。今さらだけど、何か、ワンパターンなのよね。不正の内容が巨悪であればあるほどスリリングではあるけど、ストーリーは定番・類型的そのものだもんね、、、。しかも実話ネタばっかだし。実話ネタだからこそ面白いとも言えるけど、実話=実際にあったこと、ではないもんね。
こういうのは嫌いじゃないけど(というか好んで見ている方だと思うが)、なぜか、本作を見終わった後は、ちょっとウンザリ感を禁じ得ませんでした。何でかな、、、??
そのフライパン、PFOAフリーですか?
すねこすりさん、今年もどうぞ宜しくです!^ - ^
テフロン加工のフライパン!!
かなり安く売ってたりするのはPFOAが使われているんでしょうね!
ワゴンに積まれてたりするやつとかねー!(*´-`)
私も、そんなん知らんと安いフライパンも買ったりしてましたわ!
どないしてくれんねん!!ですよ!!(>人<;)
でも、会社が使ってないと公言しててもなんか信じられない!!
どうすりやいいの??
すねこすりさんの総括も読みたいです!
お正月は、何か映画観に行かれるのでしょうか??
私は多分「ドライブマイカー」を観に行く予定です
❣️
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今さらテフロンヤバいとか言われても、もう手遅れ感が半端ないです。
ホント、おっしゃるとおり、メーカーの言うことを丸ごと信じることも難しいですよねぇ。
PFOAに限らず、結構、知らずに有害なものを体内に摂取しているんだろうな、と思っちゃいました。
ドライブマイカー、良さそうですよね。でもたぶん、私はDVDかなー。
元日早々から、映画館ハシゴして3本見たので、少々疲れました
今年も良い映画に出会いたいですね。
フキンさんのブログも楽しみにしています~♪