映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ブレハッチのシューマンとショパン

2024-02-27 | 番外編

◆ワルシャワ・フィル @サントリーホール 2024.02.08

 昨年も2月に来日していたんだよね、、、と思ったら、鑑賞記録を書いていなかった、、、ごーん。何で? まあいいや。昨年はモーツァルトが良かった。

 で、今回はリサイタルだけじゃなくて、ワルシャワ・フィルと共演、しかも、なんとシューマンの協奏曲とな!!色めき立って、速攻チケット取りましたよ。今回は、抽選応募したので、席は選べず。結果として、1階席の前方真ん中と、本来なら一番良い席なのだが、何せサントリー、、、ピアノはねぇ。

 待ちに待った2月♪ あー、やっとブレハッチのショパン以外のコンチェルトがライブで聴けるんだわ~~~、とワクワクしながら行ってまいりました。

 会場に入って、見れば席は結構空いている、、、がーん。これなら、発売日当日に座席選択で買えば良かった、、、とショック。何で??昨年11月のシャハムも後方ガラガラだったし、ブレハッチでこんなに空席があるなんて信じられん。誰とは言わんが、普通に上手いだけのアイドルピアニストが即完とかの一方で、ブレハッチがこれだなんて、、、もう世も末だな。

 グチはともかく、、、ブレハッチ君、相変わらず良い姿勢で颯爽と舞台に現れました。椅子を調整したときに、ギギィ、、、って割と大きな音が出たせいか、ニッコリ(?)ほほ笑む。

 ……始まったよ、シューマン。……でも、え? え?? ……えーーーーっ!

 彼は、ショパンコンクールで優勝して、デビューした当時からずっと「中庸」と言われてきたのだ。つまり、奇をてらった演奏はしない、小手先で主張しない、ということ。しかし「中庸」なんて言われていたのがウソみたいな、超スリリングな個性的シューマンに衝撃を受けてしまいました。

 とにかく驚いた。コースギリギリを狙って猛スピードで疾走するF1みたい。そういや彼はスピード狂だそうだけど、、、。

 こんなシューマンありか!と呆然。しかし、手に汗握りながらもなぜか不快さはまるでなく、あっという間に終わってみれば、私の持つシューマンのイメージは跡形もなく破壊された感じである。もう、ルプーやリヒテルを聴いても物足りなく感じるかも知れぬ。いや、彼らの演奏も素晴らしいのだが。

 オケとは崩壊寸前だったがギリギリのところでキメていたのも、ある意味スゴい。あれは指揮者の技か。

 あまりに衝撃が大き過ぎて、何と言うか、、、あんまし他のことを覚えていない。アンコールはショパンだったけど、ボーッと聴いてしまった。大げさではなく、マジでこの後何日も引きずった。それくらい、衝撃的なシューマンだった。

 それにしても、サントリーはピアノはダメだ。まだ2階席の方がマシ。もう絶対1階席は取らない。

 あ、、、メインのブラームス2番は、洗練され過ぎず、野暮ったさも回避しつつ、良い意味で田舎っぽさ感じられて、なかなか良かった。この曲はキレイ過ぎない方が良いのよね。Vaの最後尾にピエール・ニネみたいな長身小顔のお兄さんが居て、眼福でした。


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◆リサイタル @東京オペラシティコンサートホール 2024.02.22

 8日のシューマンに脳髄直撃されてボーッとしたまま、、、というのはちょっと大袈裟かもだけど、でもまだ衝撃から覚めやらぬまま、この日を迎えましたとさ。

 この日は、何と完売。割と直前で売り切れたっぽい。というのも、2日前に行われたミューザに行かれた方が、こちらのチケットをミューザで買ったとTwitterに書いていたので。

 まあでも、確かに行ってみれば人が多くてビックリ。CD販売(買った人は公演後にサイン会に並べる)に長蛇の列が出来ており(いや、サイン会は8日のサントリーホールでもあったんだが、この日の方が圧倒的に人が多かったように思う)、見ただけで疲れるので早々にロビーから逃げる。

 席は1階前方中央寄り左側のブロックだった。これも先行抽選にしたので、席は選べなかったけど、まあまあかなと。

 で、いよいよオールショパンプログラムが始まった。前半は全部マズルカ。やっぱりこのホールはピアノの音ちゃんと聞こえるんだな~、とサントリーと比べると感じる。ブレハッチのクリアな美音がストレートに耳に入って来る。

 嗚呼、彼はショパンが一番好きなんだなぁ、、、と聴きながら思う。マズルカってのはポーランド人のための音楽なのかもね。車窓から見えたずーっと先まで地平が続くポーランドの景色が浮かんでいた。

 私は、聴いただけでマズルカの作品番号〇ね!と言えるほど聴き込んでいないが、56だけは曲と作品番号がちゃんと繋がっている。……が、ハレ?? これは56ではないのでは? と思ったけど、彼は前にも当日に曲順を変更したことがあるので、今回もそうなのか、、、と思っているうちに前半終了。

 休憩中に掲示など探したけど、曲順変更の案内などは出ていないし、うぅむ、、、。相変わらず、CD販売前には長蛇の列で、これ絶対、並んでいる人全員買えんやろ、、、。

 で、後半もマズルカから始まるかと思ったら、いきなりソナタから始まってビックリ! いや、別にいいんだけど。

 この曲はちょっと変わっているけどかなり好きである。有名な3楽章もいいけど、私はやはり1楽章と、あっという間に終わってしまう4楽章が好き。その4楽章、これまで聴いたことのあるどの演奏よりもグッときた。あの、音と音の境目が分からないような、水流のようなフレージングは、やはりブレハッチ。相変わらず美しくクリアで触れたら切れそうなのに、触れると滑らかで心地良い音に脳内占拠される。で、ホントにあっという間に終わってしまった、、、。

 最後にマズルカで占めて、アンコールでマズルカ56の2、3を披露。どうやら、ミューザでちょっとしたハプニングがあった模様。それを踏まえてのことだったみたい。

 2週間前のシューマン・ショックは緩和され、やはりブレハッチだったなぁ、、、と噛みしめながら、サイン会に並ぶ長蛇の列を横目に、足早に家路につきました。そして、先日のスピード狂炸裂シューマンは何だったのかと、帰路、改めて考える。もちろん、分からん、、、。

 正直なところ、昨年のリサイタルの方が、私は満足感が大きかった。オールショパンプロというのは最初から分かって聴きに行ったわけだが、やっぱし、私としてはショパン以外も聴きたいわけで。ドイツものなら、そりゃ何と言ってもブラームスが聴きたいし、シューベルトももちろん。ラヴェルやドビュッシーももっと聴きたいよねぇ。

 まあでも、やはりドイツもののコンチェルト、できればブラームス1番かベートーベン4番あたりを聴きたいかな。シューマンみたいに弾いたら、どっちの曲も本当に破綻すると思うが、それでも敢えてギリギリのコーナリングみたいな演奏も聴いてみたいかも。プロコかラヴェルも、彼なら面白く弾いてくれそうな気がする。あのシューマンなら、プロコとか絶対イイと思うんだが、どーでしょう。

 


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