新型コロナウイルスが凄まじい勢いで広がっている。この騒ぎで、海外旅行をキャンセルした人も多いらしい。私はもちろんキャンセルするなど微塵も考えていなかったけど、ロシアから来るなといわれる可能性はあるなぁ、、、と思っていた。が、どうやら入国拒否などということにはなっていない様子。先ほど、添乗員さんから最終確認の電話を受けたので、行けるみたい。
むしろ、この時期、超過密人口の街・東京になんぞいない方が良いのかも知れませぬ。きっともう、市中感染なんてあちこちで起きているに違いない。
というわけで、ロシア行きを目前に控え……などということではなく、これは、上映決定されてから絶対見たい! と思っていた。1週間限定上映だったから、恐らく混むだろうと思い、開館50分前から並んだ。案の定満席。まぁ、想像はしていたけど、いや想像以上に(特にフルスタリョフの方)脳髄を直撃する内容で、2本立てはかなりキツかった。
なので、2本まとめての感想を書いておくことにいたしまする。
☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆
◆動くな、死ね、甦れ! (1989年・ソ連)
作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv16754/
第二次大戦直後、雪に覆われたソビエトの極東にある炭鉱町スーチャン。収容所地帯と化したこの町では、窃盗や暴力が横行していた。そんな殺伐とした空気に満ちた町に生きる12歳の少年ワレルカ。純粋無垢だが不良ぶっている彼は、たびたび騒動を引き起こし、唯一の家族である母親への反発と相まって、悪戯をエスカレートさせていく。
そんなワレルカの前に、守護天使のように現れては、危機を救ってくれる幼なじみの少女ガリーヤ。 二人に芽生えた淡い想いは次第に呼応していくが、学校を退学になったワレルカが町から逃亡することで、彼らの運命はとんでもない方向へ転じていく…。
~早稲田松竹のHPよりコピペ~
当時54歳の新人監督ヴィターリー・カネフスキーが自伝的映画として発表し、カンヌで絶賛されたんだとか。
ワレルカっていう少年が、まぁ、何とも可愛くないガキで、ガリーヤの商売(お茶を売っている)の邪魔ばっかりする。自分もお茶を売っているんだが、「そっちのお茶にはゴキブリが入ってる! こっちは泉の水で入れたお茶だよ!!」なんてことを言う。少年特有のいけずな行為と思えば微笑ましくもあるんだが。
まあとにかく、、、舞台はソビエトの極東、炭鉱の町。多分、強制収容所とまではいかないが、強制労働をさせられる地区と思われる場所。いつもいつも寒そうである。地面は雪に覆われているか、土が顔を出していても雪の溶けた水を含んでぬかるんでいる。寒そうな風景ってのは、それだけでちょっと見ている方の心が強ばる。
人々、、、大人たちも何かこう、とげとげしい。共産主義体制下ということもあるだろうが、子供を統制しようとばかりする教師、正気を失った学者、強制労働に従事させられている者などが描かれ、見ているのが辛くなってくる。とにかく全てが“貧しい”。
ワレルカとガリーヤの淡い初恋の成り行きが、脈絡なく描かれる。本当なら微笑ましく思える設定なのに、そんな余裕を感じられない。ずーーっと切羽詰まった感じ。おまけに、ワレルカを始め大人たちも皆、いつも怒鳴るようにしゃべるので、見ていて疲れる。
そして、終盤、ワレルカの初恋にいきなり終止符が打たれる。ガリーヤが死んでしまうのだ。でも、その瞬間はよく分からない。なぜ?? 次のシーンは、ガリーヤの埋葬場面。悲しみのあまり気が触れたガリーヤの母親は全裸になって走り回っているという、、、。そして、監督の「ここでいいだろう」という声でエンドマークである。ややドキュメンタリー調だが、この辺も何だかヘンな感じである。
見ている間は疲れたのだけれど、実は、見終わって時間が経ってからの方がじわじわと胸に迫るものがある。もう一度見てみないと分からないところもたくさんあるし。ワレルカが可愛くないガキだと思っていたが、ラストから遡って思い出すと、イメージがゼンゼン変わってしまうのも不思議だ。
☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆
◆フルスタリョフ、車を!(1998年・仏露)
作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv31472/
主人公はモスクワの病院の脳外科医にして赤軍の将軍、ユーリー・クレンスキー。大富豪の長でもある彼は、病院と、家庭と、愛人のところを行き来する日々を送っている。決してアルコールを手放すことはない。
時は1935年、反ユダヤ主義の色濃い時代、将軍はスターリンの指示のもとKGB(秘密警察)が企てたユダヤ人医師を迫害する計画に巻き込まれてしまうことになる。気配を察して彼は逃げようとするが、すぐに捕らえられ、強制収容所で拷問を受ける。ところが突然解放されて、スターリンの側近ベリヤに、ある要人を診ろと言われる・・・。
タイトルの「フルスタリョフ、車を!」というのは、ソビエトの独裁者スターリンが息を引き取る直前、側近を通して命じたという言葉。映画は、そのスターリンの死の1953年に始まり、約10年後で終わる。
~早稲田松竹のHPよりコピペ~
いや、もう、この映画は、ホントに見終わった後、脳が揺れている感じで気持ち悪ささえ感じた。
とにかく、もう、徹頭徹尾“訳分からん!!”なんである。ネット上である人が「クストリッツァの『アンダーグラウンド』を彷彿させる」と書いていたが、私はそれには明確に異を唱えたい。言いたいことは分かる。『アンダーグラウンド』も、最初から最後までフルパワーで疾走する映画なので、めちゃくちゃ疲れるのは同じ。でも、本作よりも分かりやすい、、、というか、ちゃんと見る人が分かる様に作っている。私は、『未来世紀ブラジル』を見たときと同じ感覚になった。見終わって疲弊しまくって、気持ち悪くなる感じ。
本作は、シーンとシーンのつながりに脈絡はなく、もう完璧に見ている者は置き去り。おまけに、こちらも登場人物たちが皆、怒鳴るようにしゃべるのである。このようなしゃべり方ってのも、この灰色の空が重く垂れ込めた鉛のような社会で抵抗する、、、というか必死に生きるためには、自然にそうなるものなんだろうか。
本作は、理解しようとする映画ではない。とにかく目の前に次々に現れるものをただただ見る映画である。理解しようとするから、無駄なエネルギーを使って疲れるんだと思う。……でも、私の脳ミソは、大して働きが良くもないのに、映画を見ていると理解しようと足掻くのである。だから、疲れる。
もう一度見たいとは、正直言って今は思えないのだが、しかし、死ぬまでにもう一度くらいは見てみたいとも思うのもまた事実。ヘンな映画だ。
……というわけで、まともに感想を書くことができません。
学生時代に見に行きましたよ、二本立て、って
何十年前の話だか。
ロシア、もう出発されたでしょうか。
私は次のお出かけは4月なんですが、入国拒否されないか、ますます心配になって来ました。
レス遅れまして失礼致しました。
今、成田で電車待ちです。
ロシア、気に入ってしまいました! また行きたい!!
食べ物がどれも美味しくて、人も良くて、街並みも美しく、ソ連の印象を引きずっていた私には色々目からウロコでした。
検疫が厳戒体制でしたが、無事に旅程を終えられてホッとしています。
早稲田松竹は、コロナの影響でしばらく休館だとか…。
早く収まってほしいですが。
よかった♬
旅行記、すごい楽しみです♬
ロシアも歴史的暖冬だそうで、凍死の心配など杞憂でした(^^;
無事に帰ったものの、このコロナ災禍。
明日からの満員電車がユーウツです。
旅行記…いつになるやら、ですが、ぽちぽち書いていきます♪