映画友が教えてくれた特集。日本ではほとんど名前を知られていない監督とのことで、私も今回初めて知りました。監督の経歴は、特集公式HPをご覧いただきたいのですが、ハンガリーに生まれて孤児となり、ソ連で養父母に育てられるという、、、それだけでのけぞりそうな生い立ちなのですが、今回見た2本の映画は、その生い立ちとは切っても切り離せない作品となっていたと感じます。
ほかにも見たい作品があったのだけど、時間切れ、、、。また特集企画してくれないかしら。そうしたら、今回見そびれた3作見に行きたいです。
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◆アダプション/ある母と娘の記録(1975年)
作品情報⇒https://meszarosmarta-feature.com/#program
《あらすじ》 43歳のカタは工場勤務の未亡人。彼女は既婚者と不倫関係にある。カタは子どもが欲しいのだが、愛人は一向に聞き入れない。とある日カタは、寄宿学校で生活するアンナと出会い、彼女の面倒を見ることにした。次第にふたりは奇妙な友情を育んでいく。
~上記リンクよりコピペ~
何とも不思議な人間関係にフォーカスした作品。子供を欲しがっている中年女性が、偶然知り合ったアンナという近所の女子学生と親しくなっていくのだが、アンナはその両親に愛されていないという設定。お互い、家族愛に飢えている者同士。
が、このアンナ、そもそもカタと知り合ったのは、アンナが彼氏との逢瀬を楽しむ場所として、カタの部屋を貸してくれ、と言って来たのがきっかけで、カタの家の一部屋で彼氏とセックスしているのである。で、コトが終わると、2人でカタに挨拶して帰って行くという、何とも珍妙な関係性である。終盤でアンナはその彼氏と結婚するけど、その結婚式はやや不穏で、彼らの将来に暗雲が垂れ込めていることを暗示している。
……という具合に、全編、やや暗いし、ラストシーンはカタの念願かなって養子を引き受けて自宅へ帰る場面なのだが、それもあまりハッピーな感じではないのである。
家族愛を渇望しているのは、当の監督本人であろうと思うが、決して、家族を美化しておらず、むしろ突き放したような描写は、やはり家族の持つ欺瞞性にも切り込んでいるとも見える。
アンナも一見トンデモ女子学生なんだが、性根の悪い子ではなく、カタの不倫相手も身勝手ではあるけれど、悪人とも言い切れない。本作に出てくる人たちは、基本、みんな特に悪人ではない、普通の人々である。それでも、人と人との関りはままならぬ、、、ということが描かれているのだと感じた次第。
技術的なことは分からないが、75年にこのテーマか、、、と、少し驚きはある。当時の東欧の人々はこれをどう見たのだろうか。
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◆ふたりの女、ひとつの宿命(1980年)
作品情報⇒https://meszarosmarta-feature.com/#program
《あらすじ》 1936年。ユダヤ人のイレーンは、裕福な友人・スィルヴィアからある相談を持ち掛けられる。スィルヴィアは不妊に悩んでおり、イレーンに自身の夫との間で子どもをつくってほしいと言う。そうして生まれた子どもに莫大な財産の相続が約束されたのだが、彼らの関係は悪化の一途をたどる。その頃世界ではファシズムが台頭し……。
~上記リンクよりコピペ~
若きユペール様の出演作、ということで見た次第。
不妊、代理出産、、、という単語、80年当時の、少なくとも日本ではほとんど表で口にされることはなかったと思う。私はまだガキんちょだったから知らなかっただけかもだけど。今でもそうなのだから、当時はなおさら、子を産まない女に対する世間の風当たりは強かったのだろうが、それにしても、夫に他の女とセックスさせてまで子を持つって、ほとんど強迫観念だよな、、、と思って見ていた。
自分のエゴで赤の他人に夫の子どもを産ませておいて、その女性に夫が心を許したからといって激しく嫉妬し、果ては恨むという、、、仕方ないような気もするが、ユペール演ずるイレーンにしてみれば理不尽極まりない。
イレーンは、最終的に、ユダヤ人であることを密告されて拘束され、連行されるシーンで終わる。なんか、終盤で一気に別の映画になった感じもある。
ユペールが若くて可愛らしかったけど、全般にちょっと退屈だった。ストーリー的にも、ユペールが出ていなければ見ようと思わなかっただろうから仕方ないのか、、、。
まだまだ、知らないけれど良作を撮っている監督っていっぱいいるんだろうなぁ。こういう特集、どんどん企画してほしいものです。
存じ上げなかった監督さん!世界には私の知らない才能ある監督さんいっぱいいるんだろうな~。日本未公開なままの秀作佳作もたくさん。そういうのを発掘してくれる映画祭や企画、もっと増えてほしいですね。
イザベル・ユペールは今も昔も働き者でいろんな国の映画に出てますが、こんな旧作もあったのですね。若き日の彼女、可愛いですよね。イザベル・ユペールの70・80年代の出演作特集とかやってほしいわ~。
ユペールは若い頃から今に至るまで切れ目なく沢山の作品に出演しているのが、ホントに凄いです。
それだけ気力・体力が持続するのも凄いけど、何より、何歳になってもオファーが絶えないってのが凄い!!
こういう企画はありがたいですね。
今日も今日とて、フドイナザーロフ特集に行って「ルナ・パパ」見て来ました。
なかなか面白かったです。
たけ子さんのオゾン版の感想、楽しみに待っております♪