幸福の科学側への虚偽の発言によって裁判で負け続け、合計12カ所の名誉毀損で、合計671万円もの損害賠償を請求されている大川宏洋(ひろし)氏がこのほど、『神になりたかった男 回想の父・大川隆法』という書籍を出版した。
しかし、その中身は、大川隆法・幸福の科学総裁や、総裁が説く教義、教団運営などに関して、読むに堪えない300カ所以上の虚偽や誹謗中傷が含まれていた。
●うそ:内気で暗い性格だった。人間嫌い。成績が悪かった
●真実:生徒会長、テニス部キャプテン、東京大学法学部
例えば、宏洋氏は書籍で、大川総裁の少年期・青年期について「内気で暗い性格だった」「人間嫌い」などと記している。
だが、事実とは全く異なる。
実際には、大川総裁は中学時代、生徒会長で、テニス部でもキャプテンを務めていた。高校時代は、剣道部で月曜から土曜まで週6日の練習に打ち込み、日曜にはよく試合をしていた。その一方で、高一、高二の時は、二年連続で文化祭の劇で主役を演じ、喝采を浴び、演劇部から「入部してくれ」と頼まれたという。
そうした中でも、常に最優秀の成績を維持していたのである。
また、宏洋氏は書籍で、大川総裁の東京大学の法学部生時代について、「成績が悪かった」、「超一流企業への就職にも失敗」などと記しているが、根本的に事実と異なる。
もちろん、東大法学部という時点で、抜きん出た学力であることは分かるが、実際の大川総裁の大学時代の成績は、当時の東大法学部生の平均が「優」は2個半のところ、20個以上もあり、当時、受験者の8分の1程度しか合格しなかった司法試験の短答式についても、9割正答して一回で合格している。
就職に際しても、「ある総合商社の人事担当者から『「三顧の礼」をもって迎えるから是非とも当社に』と懇願され、東大の先輩で、スタンフォード大学でMBAをとった常務から、『ウチに来てくれませんか』と頭を下げられて、男の心意気で、入社を決めました」(『太陽の法』)というのが真実だ。
●うそ:テレ朝の田原総一朗氏との対談はひどかった
●真実:サンデープロジェクトの過去最高の視聴率を記録した
宏洋氏は、「1991年に『サンデープロジェクト』(テレビ朝日)でジャーナリストの田原総一朗さんと対談をしたんだけれど、これがひどかった」と記しているが、これも全くの虚偽である。
もともと、大川総裁の同番組への出演は、田原氏の希望によって実現。当初、40分程度の予定で対談が行われていたが、生放送中に、どんどん視聴率が上がってきたため、局側が「そのままやってください。あとの企画を潰してもよいので、続けてください」ということで時間を延長して行われた。
当時は大川総裁の自在な切り返しが見事であったと評判になり、それを裏付けるように、大川総裁の出演場面では17.6%ぐらいの視聴率が出て、当時のサンデープロジェクトとしては過去最高を記録した。
●うそ:総裁に乗せられて、建設会社を辞めた
●真実:宏洋氏が、教団に戻りたいと泣きついた
宏洋氏は、「まんまと隆法に乗せられ」、働いていた建設会社を「辞めてニュースター・プロダクション(*編集部注)の社長の座に収まった」と記しているが、これもまた事実に反する。
(*)教団が運営する芸能事務所。
事実は、宏洋氏が「建設会社にいても、地方に飛ばされる」などと愚痴を言い続け、辞めたいとごねているのを見かねて、大川総裁の温情で、教団の芸能部門に配属されたにすぎない。
そもそもこの建設会社も、教団と取引のある大手で、当初、宏洋氏の給料は教団持ちで、「出向」という形で働いていた。建設会社に入る時も、出る時も、大川総裁の力を借りていたにすぎないのである。
●うそ:数百億円の赤字、強制結婚させられそうになった
●真実:裁判で負けた虚偽を、繰り返し主張する異常さ
宏洋氏は書籍で、幸福の科学について「近年は、多いと数百億円単位の赤字をだしていたはず」などと記している。
この主張は、以前、文藝春秋社から出版した自身の著作にも記しているが、これについては、最高裁で「虚偽」と確定した中の一つである。つまり宏洋氏は、そもそも事実でないことを、最高裁で負けても平然と同じ嘘を述べ続けるという違法行為を繰り返している。
また宏洋氏は、命の危険があって女優から教団に出家した女性と「結婚させられそうになった」という主張を、文藝春秋社の著作でも、今回の幻冬舎の著作でも記している。
だが、この"結婚強制"についても、東京地裁が2023年5月、「真実であると認めることはできない」とし、宏洋氏と文藝春秋社の共同不法行為であるとして、330万円の損害賠償を命じている。
このような人物の虚偽をまとめた書籍を出版した幻冬舎には、重大な問題がある。
本づくりに欠かせない、ファクトチェックすら怠っているずさんな内容
その他にも、宏洋氏は書籍の中で、教団の「組織図」を掲げているが、実際の組織とは全く違うもので、大学を出た妹について、「その後教団の副理事長兼総裁理事長に就任した」と記しているが、教団には、そのような役職は存在しない。
また、宏洋氏は、大川総裁が「心不全」などで入院した際(2004年)のことについて、「手術に成功して一命をとりとめた」と記しているが、全く事実ではない。当時、大川総裁は、手術を受けることなく回復している。
さらに言えば、宏洋氏は書籍で、「僕は子供のころからずっと隆法の本を読んでいたので一応教義を説明することはできる」と主張しながら、その20ページ後ろでは、「七次元界は……なんだっけ、忘れた。歴史上の偉人がいるんだったかな?」などと、多くの信者が知っているような基本的な教義すら覚えていないレベルだ。
そもそもこれらのことは、大川総裁の書籍に書いてあることであり、少し調べればそれが間違いであることに気づけたり、正確に記述できたりするレベルだ。宏洋氏も、書籍の編集に携わった人々も、本づくりには欠かせない基本的な作業である「事実確認(ファクトチェック)」などを怠っており、虚偽や誹謗中傷を書きなぐっただけのずさんな内容であることがよく表れている。
事前に、「幻冬舎は宏洋氏と連帯して法的責任を負うことになりかねない」と注意喚起されていた
実は、この書籍が発刊される前の告知が行われた段階で、教団側は事前に、発刊元の幻冬舎に対し、宏洋氏がこれまでの裁判で負け続けていることからも分かるように、彼の発言には多くの虚偽が含まれている問題について注意喚起し、次のように指摘していた。
「宏洋氏著の書籍を発行するにあたっては、相応の裏付け取材と内容の検証が必要のはずであることや、幻冬舎が十分な裏付け取材を行うことなく、宏洋氏が一方的に記載した虚偽事実に基づき、幸福の科学の『信仰の対象』である大川総裁と幸福の科学を誹謗中傷する記述が存する書籍を発刊し、大川総裁と幸福の科学の社会的評価を低下させたような場合には、同社は著者である宏洋氏と連帯して法的責任を負うことになりかねない」(幸福の科学グループ広報局の見解)
日本国憲法で「言論の自由」が保障されているとはいえ、それが「嘘をつく自由」であってはならない。
大川総裁は、次のように説く。
「まず、『信教の自由』があって、そのあとに『言論の自由』『出版の自由』というものが出てくるのです。民主主義には『言論・出版の自由』が付き物ですが、本当は、その前に『信教の自由』があるわけです。
『信教の自由』から『信仰告白の自由』が生まれ、そのあとに、『言論の自由』『出版の自由』などの『表現の自由』が出てきたのです。こういう流れになっているので、『信教の自由を認めさせる』ということは、民主主義にとって、非常に大事な原点であるのです」(『朝の来ない夜はない』)
「言論・表現の自由」をはき違え、間違った言論で多くの人々を間違った方向に導いていくものであれば、その責任は、著者の宏洋氏だけではなく、書籍の発刊に携わった人々にも及ぶ。
幸福の科学は、現時点で世界169カ国以上に信者が広がっているが、その教祖にして「御本尊」であり、「信仰の対象」である大川隆法総裁や、その教義などに対して、繰り返し虚偽を述べ、誹謗中傷するようなことは許されない。
【関連サイト】
幸福の科学グループ広報局の見解
https://happy-science.jp/news/public/11465/17862/
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