《ニュース》

米IT大手メタはこのほど、フェイスブックやインスタグラムなど同社の運営するSNSにおける「ファクトチェック」機能を廃止するなど、"検閲体制"を大転換させることを発表しました。

 

《詳細》

同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が7日、公式サイトに動画を公開し、新指針を明らかにしました。

 

同社は2016年から、偽情報対策としてファクトチェックの取り組みを本格化しました。その一環として、新型コロナ中国武漢研究所流出説や、ハンター・バイデン氏の汚職疑惑などに関する記事や投稿を検閲。2021年にはトランプ氏のアカウントを停止し、その後もコロナワクチンの危険性を訴えるものや、LGBTQ推進批判などに関するコンテンツを制限してきました。

 

こうした姿勢には保守派を中心に批判が相次ぎ、ザッカーバーグ氏は議会公聴会に召喚されて厳しい追及を受けることもありました。

 

動画のなかでザッカーバーグ氏は、「複雑なコンテンツ管理システムは誤りを犯しました」「最近の選挙では、再び表現の自由を優先する文化的転換点を迎えたように感じます」「私たちは誤りを減らし、ポリシーを簡素化し、表現の自由を回復することに集中します」と表明。

 

第三者機関に委託していたファクトチェックは政治的に偏向しているため廃止し、代わりにXの「コミュニティノート」に似たシステムを導入するとしました。「コミュニティノート」とは、運営側が情報の正誤を判定するのではなく、ユーザー同士が誤情報と見られるものにコメントをつける機能です。

 

さらに、移民やジェンダーなどの問題に関するポリシーや制限があったが、「異なる意見を封じ込める方向に進み過ぎた」ため、見直しをかけること。削除すべきでないコンテンツを検閲してきたフィルターを緩和すること。さらには、コンテンツ管理を行うチームを、左派的風潮が強いカリフォルニアから、テキサスに移すこと。米政府と協力して、他国でも進んでいる検閲の流れを阻止すること、などを発表しました。

 

同社における歴史的とも言える大転換に、左派系からは批判する声が相次ぎ、保守派からは政権移行に伴う露骨な転向や免罪を求める行為を懐疑する声も上がりましたが、トランプ氏は「素晴らしい」、イーロン・マスク氏は「これはクールだ」とコメントするなど、歓迎姿勢を見せています。

 

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