パトリック・ジュースキントという作家がいる。その人が書いたもので原題は「Das Parfum – Die Geschichte eines Mörders(独語)」と言い、邦題では「香水 ある人殺しの物語」と訳されている。
なにやら物騒で怪しげな本である。
「ユピテルとアンテイオペ」という絵画の一部をカバーの絵として使っているのが目に留まる。そして表紙と裏表紙の見開きには次のような絵があります . . . 本文を読む
来週の日曜日に友人が主演を務める演劇を観に行きます。
有名なギリシャ悲劇の「オイデイプス王」がその演目です。
その悲劇のあらすじは知っていましたが、きょう書店に出掛けて、改めて岩波文庫版の「オイデイプス王」を買い求めてきたところです。
一応、原典にあたっておくのが、その劇の制作者や出演者に対する礼儀だろうと、思うからです。
この悲劇の内容については多くの先達の解説や劇評がありますので、ここでは . . . 本文を読む
先日のわたくしのブログで、唐十郎氏の言われた言葉に触れました。
彼の当時の著作が図書館にある事を知り、県立図書館に出掛け借りてきました。
前もって秋田県立図書館の蔵書を検索していきました。
ですが、公架してあるとされる場所には無くて、図書館の職員にその図書のありかを調べてもらいました。そしたら公架されている場所ではなく、書庫の中に所蔵されている事が解りました。
貸出禁止の図書でないとの事なので . . . 本文を読む
わたくしは文学作品というものをあまり読まないできた。
それは、文学などというものは、大学生や若者が読んでもわかるものではない、とずうーっと思ってきたからである。
作者が作品を書いた年齢にならなければ、分かるまいと思っていたのである。
ところで、大方の文学者が作品を書いた年齢を、自分がとうに過ぎてきている事に気がついたのである。
しまった、と思っても時すでに遅しなのである。
それに趣味の方面に興味 . . . 本文を読む
来週の土曜日、「秋田県民族学会」の総会と忘年会が開催されます。
わたくしは民俗学の事は全くの門外漢なのですが、数年前より高校の同窓生よりその会合に参加してみないかと誘われていたのです。
民俗学などと言う学問分野は、地道で根気のいる調査や研究を必要とするようで、そんな分野など自分にはとても不向きなので敬遠してました。
ですが、これまで何度も誘われていたこともあり、今回重い腰を上げて見ることにしま . . . 本文を読む
先日の記事の続きです。
前回投稿したものより、今回はもう少し内容に立ち入ってみたいと思います。
まずはこの戯曲の簡単なあらすじから紹介しましょう。
登場人物は以下の3人です。
フィンランド人の原子物理学者ニールス・ボーア、彼の妻のマルグレーテ、ボーアのかっての門下生であったドイツの原子物理学者のハイゼンベルク、の3人です。
時は1941年、場所はフィンランドの首都のコペンハーゲンに在ったニール . . . 本文を読む
マイケル・フレインという劇作家がいます。
この作家の代表的な戯曲が「コペンハーゲン」ですが、難解な対話劇という評価が多いのです。
ハヤカワ演劇文庫にこの戯曲がありましたので、購入しました。
ざっと目を通した印象では、とにかく難しい言葉の連続で取っ付きにくいと思いました。
劇の進行というのは、普通では何かの事柄を巡って、登場人物がとる言動を記述されるものだと思っていると、これは少し違います。いや . . . 本文を読む
現在、「るつぼ」(クルーシブル)という芝居が都内で上演されているとのことです。友人が東京まで出かけて観てきたそうです。
いつぞや、テレビで堤真一と松雪泰子がこの芝居を宣伝していたのを見たことを思い出しました。
この芝居の原作がアーサー・ミラーだったと知ったのはごく最近です。
アーサー・ミラーと言えばアメリカを代表する劇作家です。
彼の作品では「セールスマンの死」が有名なものとして挙げられます。 . . . 本文を読む
アーサー・ミラー「るつぼ」が書かれた時代背景については先日のブログで触れておきましたが、今日はこの劇の内容について、少し触れてみたいと思います。
まずこの戯曲はすごく読み易いのが特徴です。劇中の登場者が多いのですがこれは「セイラム魔女裁判」という史実に基づいているからなのだと思います。また、幕間の途中に作者によるト書きが詳細なのもこれの特徴です。
登場人物が多いのにも関わらず、劇中で主要な位置 . . . 本文を読む
動物の世界では雄の容姿が雌のそれより美しいのが普通です。
特に鳥のクジャクの雌雄を見比べると、雄の立派さに比べると雌のほうはいかにもみすぼらしい姿をしています。
動物の世界での雄の美しさが何故必要だったのか、を考察したのがこの本です。
著者は長谷川真理子さんと言いまして、「行動生態学」と言う分野の研究者とのことです。
この本によると、クジャクの雄が美しいのは「雌に伴侶として選んでもらうため」に . . . 本文を読む