クジャクの雄はなぜ美しい？

動物の世界では雄の容姿が雌のそれより美しいのが普通です。
特に鳥のクジャクの雌雄を見比べると、雄の立派さに比べると雌のほうはいかにもみすぼらしい姿をしています。

動物の世界での雄の美しさが何故必要だったのか、を考察したのがこの本です。
著者は長谷川真理子さんと言いまして、「行動生態学」と言う分野の研究者とのことです。

この本によると、クジャクの雄が美しいのは「雌に伴侶として選んでもらうため」に、本来必要でないと思われるきらびやかな羽を発達させてきた、との説明がされています。

多くの鳥や動物の雄は「雌にアピールする」ために、その容姿を美しくしたり、鳴き声をきれいにしてきたのだそうです。
早い話が、メスのほうに雄を選ぶ選択権があるのです。
この場合、単に容姿が美しいだけではだめなのです。
美しい雄は同時に繁殖力や体力的に優れているとかの優生的な遺伝的要素がその雄に備わっていることが選ばれる条件となっているのです。
動物の雌は「力強く美しい雄との間に生まれる子供は、生存能力が高い」という事を知っているのだと、著者は言っております。

クジャクの雄が美しく存在するのにはやはりちゃんとした理由があったのです。

そこで、今度は人間社会に目を転じてみましょう。

人間の世界で動物とは違っていて、現在では逆転しています。
女性が着飾るのに対して男性の服装は「ドブネズミ」とも揶揄されることもありますね。

結婚しない男女が増えているとの統計があるそうです。
私の親戚にもいわゆる適齢期になっても未婚の女性がおります。
彼女が言うのには、結婚生活をしなけらばならない必要性を感じないそうです。
言葉を換えれば、一生の伴侶として選ぶに値する対象が少ない、という事なのでしょうか？
これはどういう事なのでしょうか。
魅力のある男性がいないという事なのでしょうか。

結論めいたことを言えば、思いたくはありませんが、今の男性の生き方が美しくないからでしょうか。
自分の心性を美しくありたいと努力する男性が少なくなっているのでしょうかね。

それにしても、相手が勘違いをしたかもしれませんが、よくぞ、自分に来てくれた伴侶がいたものだ。
いまだったならば、絶対に無理だったでしょうね。