ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

高齢者ドライバーによる事故に思うこと。

2019年04月21日 19時19分35秒 | なぜ?どうして?
高齢者ドライバーによる事故が絶えません。ペダルの踏み間違いによる暴走事故で命を落とされる事案が頻発しています。
これらの事故の根底にあるメカニズムについて考えて見ます。

車を進行させる働きをしているのはアクセルペダルで車の進行をやめさせる機能を担っているのがブレーキペダルであるのは誰もが知っていることです。
そして両ペダルは隣り合わせに位置しています。右がアクセルで左はブレーキです。共に右足で操作するようになっています。アクセルペダルとブレーキペダルが両隣にあることの利点と欠点は何でしょうか。利点は一つの右足では同時には二つのペダルを踏むことは出来ないということです。ブレーキペダルを踏んでいるときにはアクセルペダルは踏めないのです。このことは何を意味するのでしょうか。それは車の「進行」と「進行をやめさせること」は同時には出来ないことを意味します。ですから隣り合わせに位置する両ペダルの配置には車の進行と進行させないと言う観点から見ると合理的に見えます。スピードを落とそうと判断されたときには即座に右足をずらせばそれが可能になるのです。
ところがこの合理性には致命的な落とし穴があります。
ペダルが隣り合わせに位置することによる操作者による「踏み間違い」が付きまとっているのです。
これは今の自動車の操作系を採用している限りでは避けられない事故とわたくしには思えます。
ところでわたくしは頻繁にではありませんがバイクに乗ることがあります。
バイクに乗っている人はだれでもが知っていることですが、バイクと自動車の操作系はだいぶ異なっています。
バイクでは進行をさせるときは右手でアクセルグリップを手前側にひねることにより行います。そして減速や停止時のブレーキ操作は右足のブレーキペダルと右手のブレーキレバーによる操作で行います。
車のように一つの右足で増速と減速の動作をするようなことは行わないのです。
バイクの操作はこのように車に比べると複雑です。

ヒトの脳は行動を継続するときにはそれまで取って来た行動と同じことをとり続けようとするものなのでしょう。ですからパニックになったときには、それまで取って来た「アクセルを踏み続ける」行動を継続するのだとも考えられます。

ヒトは複雑な方と単純な方のどちらかをとっさに選択するときには単純なほうを選びがちです。「アクセルを踏み続けること」の方が脳にとっては採りやすい選択なのです。
この単純さがこのような事故の遠因になっているような気がするのです。

このような事故に接するとバイクの複雑な操作系にも利点があると思ったりもしまいます。


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