ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

パンチングレスの消音器の自作(失敗の巻)

2010年09月15日 07時22分09秒 | バイクカスタム
これまでに数種のサイレンサーを試してきているのは、当ブログをご覧の方々には既におなじみの事とは思うが、こりもせずまたサイレンサーを作ってみました。
今回、料理する素材は下記の物。

青色の円筒形の物はチタンの巻きパイプ(青色の保護フィルムが貼ってある)、スチールのパイプ、それにあまりもののエンドパイプである。

まず、消音器の中にはいるパイプを上のように加工する。


次に、前後の蓋になるフランジを製作しそのパイプを熔接する。
排気の出口と入り口がオーバーラップするように、組み立てる。消音器の中に収めるものはこれだけである。


パンチングパイプもなければグラスウールなどの吸音材も使わない。シンプルで経年変化のない構造を目指した。

消音器のシェルとなるチタンの巻きパイプにこれらの部品を前後から差込、ビスやリベットで外周を留めれば完成である。





バイクに装着したのが上の2枚の写真です。

かんじんの音質やエンジンの吹け具合は次の通り。
アイドリング状態では純正マフラーにも劣らないほど静粛、エンジン回転を上げてみると金属的な反響音が耳につく。
エンジンの出力特性は純正マフラーと似た感じである。2500rpmの低回転域からでもするすると加速していく。だからと言って、高速域がだめかと言えば、そうではない。100キロ以上の速度でも100+αのスピードまで普通に加速し巡航も可能であった。

エンジン特性的にはほぼ狙い通りの性能をえる事が出来たが、音響的には失敗作であった。金属的な反響音がひどすぎる。

この原因については、次のように考えられます。この消音器の基本的な消音構造は消音器内部での排気の膨張と反射を行わせることによる干渉消音をねらってみた。
そのため消音器その物の容積を出来る限り大きくし、内部のスチールパイプも細くて長い構造とした。排気ガスが長い時間消音機内に滞留するようにし、後から入ってくるガスとの干渉を起こさせ消音させようと考えた訳です。
この仕組みは消音と同時に、どの回転域でもトルクがやせないと言う副次的効果ももたらしましたが、同時に音響的には金属的な反響音の増大を招いているようです。排気ガスが膨張と反射をすることによって薄いチタンのシェルそのものを振動させ、金属的な反響音を生じさせているのでは無いかと考えられます。
板厚の薄いチタンのシェルではこのような膨張、反射を利用した干渉消音型の消音器は無理な構造なのかも知れません。
やはり、内部圧力が大きくならないストレート排気の構造がこのチタンシェルにはあっているのでしょうか。

あーあ、またも失敗してしまった。こんなことに手を出したおかげで、一体何本もの消音器を作ればいいのでしょうか。(まだ、4本目じゃ無いかといってくれた人もいました。)


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