京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

観心寺 大阪府河内長野市

2023年10月24日 09時45分00秒 | 日記
 10月18日は、Otonamiの企画で大阪府河内長野市にある真言宗遺跡(ゆいせき)寺院の寺格を有する観心寺へ。



先ずは受付で頂いた「星塚めぐり」のパンフレットを見ながら"願い事"や"厄避け"を行います。





次に観心寺霊宝館を鑑賞します。
多くの平安仏がお祀りされています。

一木造りの木造が中心で真言密教らしい量感を感じる仏さまばかりです。







次にご住職の案内で国宝"金堂"内陣へ。
中央のお厨子には国宝の如意輪観音菩薩像がお祀りされていますが秘仏の為に閉まったままです。
毎年4月17日、18日の2日間だけ公開されます。



ご覧の通り、非常に美しい如意輪さんで、日本で一番美しい如意輪観音像だと思っています。

お寺の多い京都や奈良でも金堂(本堂)とご本尊さまが共に国宝に指定されているのは少ないです。
思い当たるところでは高雄にある神護寺、嵯峨野にある嵯峨釈迦堂(清涼寺)くらいでしょうか?







次に、ご住職のご指導で瞑想体験です。
真言宗のお寺ではよく"阿字観"の瞑想法があり何度か体験した事があります。

肩の力を抜いて背筋を伸ばし、胸の高さで合掌します。自分の心に集中し、日頃溜まったストレスを解放します。

日頃、何かと力が入った生活の日々、、、
リラックス出来る時間でした。

次に呼吸法を習得。
呼吸は腹式呼吸でリラックス効果抜群です。
気持ちに焦りを感じたり、イライラ感を感じる時に30分程の腹式呼吸をすると自然に気持ちが落ち着いてきます。

禅宗の坐禅や仏教から派生したヨガ、、、全ては呼吸を整える事に意義があります。



次に、なかなか予約が取れない人気の創作精進料理店「KU-RI 庫裡」へ。

食事の準備が出来るまでの間、隣接する書院を説明付きで見学しました。
大坂城築城時に出た余材を用いて建てられた書院です。







勅使門の備わった立派な玄関です。











ここで頂けるのは、漢方養生指導士や野菜ソムリエの資格をも持つ料理長が考案する創作精進料理です。



















庫裡のかまどで蒸された季節の野菜や観心寺で節分の日に厄除けとして食されてきた伝統のあずき茶粥をはじめ、地元野菜を中心に25種類以上の食材が使われています。

味付けがシンプルだけに素材そのものの風味や旨味を感じます。

体の中が綺麗になっていくようです。

















京都国立博物館 特別展「東福寺」

2023年10月23日 09時20分00秒 | 日記
 10月10日は、京都国立博物館で開催中の特別展「東福寺」へ。



この日は前日の月曜日が祝日で開館日だったので休館日ですが、京都仲間のTさんが京博の"清風会"の会員に入っていて同伴させて頂きました。

13時から平静知新館地下一階の講堂で展覧会についての研究員の方の講演を聴講し、その後16時まで同展をゆっくりと観賞しました。



東福寺は摂政九條兼通が円爾(えんに)を開山に迎え創建した京都最大規模を誇る禅宗寺院です。

奈良にある大寺院の東大寺と興福寺から一文字ずつ貰い寺の名としました。
興福寺は藤原氏の氏寺なので、わざわざ京都に大寺院を建立する必要は無い様に思いますが、都のある京都にも大寺院を建立し、九條家の権力を示したかったのかも知れないですね。

嘉禎2年(1236)から建長7年(1255)までの間、実に19年もの歳月をかけて建立されました。
その伽藍の規模の大きさから俗に「東福寺の伽藍面(がらんづら)」と形容されます。



肝心の展覧会の内容ですが、書から絵画、仏像に至るまで凄い文化財をお持ちだったのに驚きを覚えます。


光明寶殿(宝物館)に主な文化財が所蔵されていますが、通常非公開です。

過去に何度か公開された事はありますが、今回の展覧会を観賞すると、ほんの一部の公開だった事を感じます。



東福寺と言えば、毎年3月の3日間に法堂に掛けられる"大涅槃図"です。

今回の展覧会での主役のひとり、東福寺の画僧・吉山明兆筆です。
涅槃図には珍しく一匹の猫が描かれています。

明兆が涅槃図を製作中によく遊びに来ていた猫を描いたそうです。
明兆のちょっとした"遊び心"ですね。









"目玉"は明兆筆の五百羅漢面です。
お釈迦さまの弟子である羅漢さんを各幅10人ずつ描かれた絵画で全50幅、合計500人の羅漢さんが描かれています。
今回の展覧会では4期に分けて全ての羅漢図が展示されます。












今回、唯一写真撮影が出来る場所です。

蓮弁は東福寺の塔頭寺院ではよく見るもので、かって東福寺にお祀りされていた高さ約15mの釈迦如来坐像の台座の名残りです。

惜しくも明治14年(1881)に火災で焼失してしまい、辛うじて焼け残ったのが左手の仏手と台座です。

あまり書いてしまうのも"アレ"なので、、、






京菓子司 平安殿

2023年10月22日 07時26分00秒 | 日記
 並河靖之七宝記念館を観賞後、ふらっと?(徘徊ではないです!)神宮道へ。





神宮道に店を構える"京菓子司 平安殿"本店です。



何度も書いているようにJR東海「そうだ 京都、行こう。」のオリジナルイベントは無論ですが、エクスプレスカードの特典もこの10月末で終わってしまいます。

ここ平安殿も特典協力店のひとつでなんと15%offで買い物が出来ます。






ここ本店には甘味処も併設されていて"くずぜんざい"と"抹茶セット"が頂けますが、この日はお土産を数点購入しました。
(もちろん自分用です、、、家族は何故か美味しい和菓子は食べないのです。)





"そすいもち"

「京ブランド認定品」で羽二重餅ときな粉の香ばしい風味とが抜群に美味しいです。
冷蔵庫で冷やして食べるのもまた、格別です。





"インクライン"

琵琶湖疏水を運航して来た疏水船が蹴上船溜でインクライン(傾斜鉄道)に乗せられ南禅寺船溜まで運ばれます。





"疏水アーチ"

明治時代に主任技師を務めた田邊朔郎が設計した水路閣にちなんだお菓子です。

ラム酒の香味とアーモンドプードルとの風味が絶妙に美味しいです。

さすがに老舗だけあり、どの和菓子も美味しいです。
また、琵琶湖疏水にちなんだネーミングもいいですね。



店内に飾られている書は武者小路実篤の作品です。



店外に掲げられている大きな木額(看板)は、陶芸家で人間国宝でもあった富本憲吉の作品です。

お店の人曰く、書体からか?なかなか「平安殿」とは読んでくれないそうです。

最近もKBS京都テレビの「あんぎゃでごさる」の"老舗あんぎゃ"で紹介されていました。







帰りは三条通を西へと歩きます。
途中、白河に架かる橋のたもとに古い石標が、、、、京都で一番古い石標だそうです。





並河靖之七宝記念館

2023年10月21日 07時40分00秒 | 日記
 10月15日、"まいまい京都"で革島医院を見学後に東山岡崎にある「並河靖之七宝記念館」を訪ねました。







約1年の保存修理がようやく完了し、今年4月28日からリニューアル開館されています。





七宝は見た目は磁器や陶器に絵付けした物に見えますが、本体は銅などの、金属や陶磁器の素地の器胎にガラス質の釉薬を載せて焼成し研磨したものです。

主屋一階では8分位の制作のビデオを流されたていて、その技法の繊細さがよく分かります。

並河靖之の作品の図柄の輪郭線には金属の線が施され、その仕上がりは光沢のある釉薬の色味と並河の独創的な器形が特徴的です。







こちらの魅力は並河靖之の作品は無論ですが、顧客を招いて商談に使われた主屋や七代目小川治兵衛(植治)が作庭した素晴らしい庭園にも魅力が溢れています。











琵琶湖疏水の水を取り込んだ第一号が並河邸です。
七宝制作には大量の水が必要で"工業用"に認可された第一号です。

ちなみに"防火用"に認可された第一号が山縣有朋の別邸"無鄰菴"です。

その後、"南禅寺別荘群"とよばれる別荘の庭園にも琵琶湖疏水の水が引かれましたが、全て"防火用"としての認可でした。









"おくどさん"は既に取り除かれていますが、京町家の台所らしい空間です。





並河家の西隣が代々"植治"のご自宅で、おふたりは懇意にご近所付き合いされていたそうです。
そんなご縁で植治が作庭されたのでしょう。

今も11代目が住まいされています。






便利堂 世界唯一、多色刷コロタイプ工房潜入ツアー

2023年10月20日 08時23分00秒 | 日記
 10月14日は、"まいまい京都"のツアーでコロタイプ印刷で超有名な便利堂の工房を見学しました。
"まいまい京都"では新企画のツアーです。





コロタイプは、今から約170年前にフランスで発明された写真古典印画技法です。
コロタイプの「コロ」はギリシャ語で膠(にかわ)を意味し、ゼラチンを使用する事に由来します。

感光剤を混ぜたゼラチンをガラス板に塗布して乾燥させ、版を作ります。

続いてネガフィルムをゼラチン版の上に置いて紫外線で露光すると、ゼラチン版に像が焼き付けられます。

その凸凹に油性のインクを詰めて紙に刷ると、コロタイププリントが完成します。





見せて頂いたのはコロタイプ印刷で作られた古い絵葉書ですが、どの写真も色褪せする事無く当時の写真が維持されているのが凄いです。
(フィルム写真だと100年も経つと映像が消えてしまいます。)



コロタイプ印刷の原理は知ってはいましたが、実際に印刷機のある工房を見学するのは初めてです。









山本所長が大変に熱心な方で、年代物の印刷機?を実際に動かして印刷し、工程を教えて頂きました。

モノクロは工程が少ないですが、カラー刷りとなると版画の原理と同じ工程で色を重ねて行きます。

奈良法隆寺の金堂壁面(焼損前)のコロタイプ写真や高松塚古墳で極彩色の壁面が発見された際のコロタイプ写真は便利堂が担当されています。







金堂壁面の撮影風景です。









高松塚古墳の石室内部を撮影した実際の写真機です。
石室内部は狭いのでファインダーを覗くスペースが無く、鏡を写真機に取り付け、映った映像を見て撮影されたそうです。













次に、山本所長の指導で実際にコロタイプ印刷のワークショップです。

アクリル板に転写された"雪の渡月橋"を印刷します。(本来はガラス板を使いますが、破損の危険がある為にワークショップではアクリル板が使われています。)

先ず、ネガがプリントされたアクリル板に水を満遍なく馴染ませます。
暫く時間を空けてスポンジで水分を取り除きます。
次にゼラチンをアクリル板に同じように馴染ませます。

約10分後にゼラチンを同じようにスポンジに吸着させます。

和紙をアクリル板の上に載せてローラーにかけて圧力をかけまて回します。

引き出された後は和紙をゆっくりと剥がせば完成です。



見事にコロタイプ印刷の写真が出来上がりました。

便利堂の工房見学とワークショップ、、、
コロタイプ印刷を勉強する貴重な経験でした。