こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

権力やお金を多く持つことが教育の目的?・・・座談会のおしらせ。

2008年09月04日 | 教育
どんな内容の教育がいいのか、
子育てはどうあるべきか、
といった問題は、
学校と家庭と地域が互いに手を取り合い
補いあいながらというのが、今最も大切なことだと思います。
古くは、藩校や塾や道場や寺子屋の教育観が、
子育てのあり方を決定し、
その教育力が地域全体に影響を与えました。
今は、みんなで練り上げた教育観が、
学校や地域や家庭みんなに影響を与え、
子育て観や教育力を決定するのだと思います。

権力や財力、情報や文化資本などといったものを、
他人より多くもつことが人間の生きる目的であって、
教育もまたその目的実現のために存在するという考え方。
近代日本の教育は、こんな価値観でずっと進んできています。
でも、そろそろみんな気づき始めました。
これじゃあ、いつまでたっても幸せになれないと。
残念ながら、学校でも家庭でも「勝つ」ことだけを目的にしている。
どうやって勝つかというノウハウについては膨大な情報にあふれるけれども、
私たちは勝ち続けることはできないし、日常的な出来事の場合、
私たちの人生における「ここ一番」の勝率は微々たるものです。
自分の健康や寿命さえも自由にならないことを悟るべきですね。
ならば、勝ち方を勉強するよりは、
負けることからどれだけ多くの「よきもの」や「豊かなるもの」
を引き出すかに、発想を転換した方がいいと思います。
「負けるが勝ち」という言葉を、
子育ての場で有効に発してみたいものです。

******************

明日9/5(金)19:00から
長崎県北松浦郡鹿町町下歌ヶ浦免
町立鹿町中学校を会場に
「おとなの座談会」が開催されます。
ネットワークを豊かなもにすることで、
家庭や地域の教育力を高めていこうという趣旨です。
大きく四つの分散会に分かれて、
(乳幼児から少2。児童期。思春期。おやじ集合。)
子育てを中心に、座談会形式の自由な談義をします。
ちなみに、親父たちの分散会では、
冒頭に「ロープワーク」のプチ講義があります。
どうぞお楽しみに。
■鹿町町教育ネットワーク推進事業
 鹿町町教育委員会0956-77-5251

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七夕まつり、墓掃除、道の草払い、・・・「七日掃除」

2008年08月03日 | 教育
お盆を間近にひかえて、
本日は「おみがきさん」の日。
おみがきっていうのは、
本堂にある仏器をきれいにみがき清める行事。
同時に、境内各所のお掃除もかねて行う。
約40名の檀徒さん方が早朝から集って、
汗だくになりながらご奉仕なさった。
これで精霊さま方は、今年のお盆も清々しくお出かけになれる。

さて、例年8月の第一日曜日は、
町内各所において道の草払いやゴミ拾いが一斉に行われている。
戦後しばらくまでは、
この清掃作業は決まって8月7日に行われていたと聞く。
曜日は無関係。
で、この日は七夕飾りを済ませた後、
お墓の掃除をして、
そして地域の道路清掃へと向かう。
この三つの作業をこなす日が8月7日。
ちなみに道路の清掃をする意味は、
お先祖の御霊が気持ちよく帰宅できるように、
その道程の草を払っておくわけだ。
七夕祭りと先祖供養が同時に行われるとても濃い一日である。

曜日に左右されることなく、
キチッと決まった日にちを大切にする心。
大事にしたいものです。

8月6日は広島原爆投下の日。
8月9日は長崎原爆投下の日。
記念日は、日にちにこそ重要な意味を持つ。
大人の都合主義で、曜日に左右されてしまうことは、
教育上最もさけるべきことだ。
コメント (2)
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ティーンエージャーと複式呼吸法

2008年07月16日 | 教育
ティーンエージャーってのは、わけの分からないエネルギー
が充ち満ちあふれる年頃です。
体調や心の変化が著しく、それとともに様々な要因から、知ら
ず知らずにストレスをため込んでしう時期でもあります。
湧き出るエネルギーを充分に発散することができずに、心や体
調の変化著しい中で、悶々とした生活を送ることは、子どもに
とってはたいへん辛いことだと思います。ちょうど、蛇口につ
ないだゴムホースが水圧に耐えきれずに蛇口から抜け外れたり
、ホースの途中から破水したりするようなもの。ある者は暴力
的になり、ある者はいじめに走り、ある者は非行行動にそれ、
ある者は引きこもる。
 子どもたちは、学校生活と家庭生活が主な生活の場ですから
、家庭や学校は、充分にこの事を意識しておく必要があると思
います。子どもたちには、十二分な出力の場と機会がが必要で
す。わけの分からないエネルギーをどこにどんな風に放出する
かの問題ですね。
 中学校では、運動系の部活動にエネルギーを発散させる方法
もひとつ。ただ体を動かして汗を噴き出させればいい、という
だけでは充分な解決にはなりません。子どもたちの欲するとこ
ろは、技術的な向上とその向上が形に現れる、すなわち結果が
出せる、ということだと思います。納得の行く内容の試合がで
きるということですね。だから、指導者は一人一人の子どもた
ちの技術的な向上のための方策を考察し熟知し、それを施すこ
とのできる人です。そんな指導者の元で、子どもたちは最大限
の努力を惜しむことなく発揮し、そのこと自体に喜びを得てい
きます。家庭は、そんな子どもたちの活動の意義を理解し、よ
りよい環境作りをサポートするという大切な役目があります。
 一方、日々の勉学や文化芸術の活動にエネルギーを放出する
ことは、スポーツ以上に重要な事柄だと思います。優れた先生
方は、一つ一つの授業や文化芸術活動に、命がけで臨む気概が
見えます。先生にとっては授業こそ本命。そんな授業を受ける
子どもたちもやはりボヤッとしていられませんので、必死にエ
ネルギーをそそぎ込むことになります。そうせざるを得ない興
味深い内容の授業や指導をされる。そしてますます子どもたち
は興味と関心を注ぎ、さまざまなスキルや知識を習得していく
ことになります。
 そんな優れた環境があっても、それでもやはりエネルギーの
消費方法がわからない子どもたちも多く存在します。ストレス
の解消先が見つからなくて、悶々とした日々を送ってしまう。
これから夏休みに突入します。こんな子どもたちにとってみれ
ば、この自由で開放的な期間にどうにかしたい、何か気張らし
がしたいと思うのは当然です。そんなときに、正しい行動、望
ましい活動ができると良いんですが、えてして目先の快楽に走
ってしまいがちなのは、われわれ大人が十分わかっていること
ですね。
 来る日も来る日も、エアコンのよく効いた室内で、ピコピコ
パコパコテレビゲーム三昧の子ども。未知なる可能性を秘めた
子どもの豊かな感性や思考を簡単に蝕んでしまうのが、このテ
レビゲームやインターネット漬け。今、社会で問題になってい
る無気力な人間や、コミュニケーションのとれない社会人。そ
して、想定外の奇抜な犯罪行動に移ってしまう人間の多くが、
このテレビゲーム、携帯、インターネット三昧の人々です。短
絡的に結びつけてしまうつもりはありませんが、十分必要なマ
イナス環境が、そうさせていることだけは確かだと思います。
 子どもたちに、そのようなくだらない行動で限られた大切な
青春の一時期を過ごして欲しくない、強くそう思います。
 ちなみに、ストレスを上手にしのいでいく一つの方法として
、呼吸法があります。本当は、学校教育の一部分としてキチッ
とした形で取り入れるべき指導方法だと思うのですが、残念な
がらまだまだそこまで日本の教育は到っていません。要は、人
間本来の呼吸をしようということ。そもそも赤ん坊や幼児期ま
ではこの腹式呼吸というものを自然に行っているものなのです
が、成長発達と共に本来性が失われてしまいます。それを意識
的に補っていくわけです。お臍の下に意識を集中して、その臍
下部分にたまっている空気を、絞り出すようにゆっくりゆっく
りと。細い空気の糸の先っぽが何メートルも先の方に届くよう
なイメージで。で、充分吐き切ったら、今度は鼻の穴から空気
を吸い込み始め、丹田(臍下)にためていく。たまったら、先
ほどのようにゆっくりと絞り出していく。出し切ったら自然と
鼻から空気が入ってくると。この一連の呼吸を、ゆっくりと数
回繰り返します。そのあと、ごく自然な状態で軽く呼吸を続け
ながら心を安定に導いていく。これを、ほんの数分で良いから
やってみると、イライラごちゃごちゃした乱雑な精神状態が、
だいぶ整理整頓できてくるはずです。学校の就業時間帯のどこ
かに、この呼吸法(数息観すそくかん)を取り入れていけば、
かなり落ち着いた環境になると思います。

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輝く高校は、空気が違う。

2008年07月09日 | 教育
今朝は4人で、
地元の県立工業高校の読み語りに出かけた。
私も伴侶も、高校生相手の読み語りは初チャレンジ。
どれほど耳を傾けてくれるか、
不安と期待が入り混じるなか教室へ。

でも、生徒のみなさんは、たいへん和やかな雰囲気で出迎えてくれ、
読み語り中もつとめて熱心に傾聴してくれた。
ほほえんで欲しいところで微笑んで、
笑って欲しいところで笑ってくれる。
なんて素直な高校生なんだろう。

私の高校時代は、こんなんじゃなかったような。
大人への反抗心、
世の中を斜に眺める態度、
色気とおしゃれと不良っぽさにしか興味の向かない頭。
・・・こんな子どもたちが山のようにいたような記憶だけど、
この学校は全く違った。
和やかさは、小学校や中学校と何ら変わりない雰囲気。
落ち着いて安定感のある雰囲気は、さすがに高校生だなと思わせる。

やはり、ハッキリとした目標を持って、
日々勉学やスポーツに励んでいる子どもたちの学舎は、
空気から違って感じる。

祈健闘・野球部ナイン!!
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心を見つめる教育週間の読みかたり

2008年07月04日 | 教育
子どもの心を見つめ、子どもの心と向き合い、
「命を大切にし他人を思いやる心豊かな長崎っ子」の育成。
を目的に、県下の公立学校では、
それぞれの地域性や学校の特色を生かした取り組みが展開されている。

地元の小学校では、昨日と今日に全学年を対照にした
読みかたりの時間がもうけてあった。
朝7:55から8:35まで。
今回私は、5年生と6年生のクラス担当。

「貧乏神様さま」という本を読んだ。
調子よく読んでいっても50分くらいの長い絵本だ。
それを40分ものくらいにアレンジして臨む。
蒸し暑い中、過酷な作業ではある。
意気込みすぎて呼吸を間違えると、
過呼吸だか酸素不足だかよくわからないが、
フラッ、としてしまう。

聴いてくれる子どもたちだって、たいへんだ。
30分を超えると、飽きがくるはず。
モゾモゾしだすかも知れない。
だから、そうならないように、
物語の展開に緩急を付けながら、
できるだけ集中してくれるように、
必死に魂を入れ込む。

おかげで二日間とも、
子どもたちは熱心に40分間もの読み語りにつきあってくれた。
元々題材がよかったということもあるけど、
子どもたちの集中力とその耐久力に脱帽、そして感謝。

この両日。地元の学校へ出向いて、
読み語りということを通して子どもたちと向き合えることに、
心から感謝。                  合 掌
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