こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

他力の風

2008年03月31日 | 仏教
”天は自ら助くる者を助く”この有名な格言で始まる「自助論」は、
イギリスの著述家サミュエル・スマイルズが19世紀半ばに書いた。

というくだりが、今朝の新聞コラムにあった。
この格言で思い出すのが、お経の中に説かれてある
以我功徳力(イガクドクリキ)
如来加持力(ニョライカジリキ)
及以法界力(ギュウイホウカ イリキ)
・・・という文句だ。
私自身の精進努力(功徳力)、
仏様から常にいただいているパワー(加持力)、
そして私を包んでいる多種多様な関係性、社会環境のエネルギー(法界力)、
これら三つの力がそれぞれに作用し、相関し、
そして一体となって様々な物事が成就(ジョウジュ)したり、
繁栄したり、豊かな人生になったりするというわけだ。
他にも、「他力の風」とか、「他力は自力の母である」という
現代の言葉も思いつく。これは、他力本願という浄土門の説く教えを
正しく伝えるすべとして生まれた優れた表現だと思う。
五木寛之さんらしい。

4月2日は、九州内の若いお坊さんたちとともに沖縄へ出向き、
平和祈念堂を会所に「戦没者慰霊法要」を営む。
沖縄を取り巻く諸問題、チベット暴動と殺戮、・・・

一人一人の思いと行動が社会の環境をととのえ、
そして仏の力が働きかけるとき、
世界中に他力の風が吹きわたってくれることを信じて、
祈りのつかの間を過ごしたい。


コメント
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