こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

村のおじぞうさま、修復のためしばらく旅立たれる

2012年05月09日 | 仏教

江戸時代、各地区ごとに小さなお堂が建てられ、それぞれにご本尊様が祀られ、

地域の五穀豊穣や大漁満足、個人の健康長寿、家庭の家内安全が祈られ、

多くの人々の心のよりどころとして重要な存在としてあり続けた。

今もその慣習は引き継がれ、細々ながらも信仰の時空として存在する。

本日、ご近所のお堂に祀られるお地蔵様が修復のために旅立たれた。

明治以降、4度の修復作業が施された記録が現存するが、

今回の移動作業の中で、寛永八年(1796)に再彩色を施している記録を発見。

仏師は、大島の木寺仏師。要調査。

これらの手がかりで、製作の時期がほぼ確定できそう。

お地蔵様のたたれている蓮華座は、ほぼ壊滅状態。

しかし、十分再現できる範囲だとか。びっくり。

厨子の扉に描かれている蓮華の絵。下地の砥の粉から剥離している状態。

これは修復は難しそうだ。

さてさて、これより半年後、開眼供養の予定。

今回、このお地蔵様の修復を依頼した先は、文化財修復のエキスパート。

これまでの信仰心をそぐことのない見事な仕上がりが期待できる。

地域の人々で結成する「地蔵堂保存会」の勇断を心から支援したい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする