あなたの思いが、あなたとあなたを取りまく世界を創りあげていきます。
近年、脳科学のお話しが、ネットなど様々な媒体を通して私たちの耳に入ってくることが多くなってきました。たとえば、他人に対して怒りの言葉を発した時、その言葉は他人に対して発せられたものであるにもかかわらず、発言した人の脳は自分が怒りをぶつけられてしまったと勘違いしてしまい、後々なんともイヤ~な気持ちになってしまうという事実。面白いですよね。
しかし、このことは数千年の昔から仏様が説き示しておられたことなんです。
仏様は、人の心には無意識の深層があって、思いや行動、発言といった私たちのエネルギー(業・カルマ)が、そこに貯蔵されていくんだと説かれます。 だから、私が罵詈雑言を発したり、相手を恨むような思いを抱いたら、それがそのまんま貯蔵されて、そして少しずつ嫌な私を形作っていくんです。嫌悪感ばかり抱くネガティブ人間の固まりになってしまう。 逆に、優しい言葉や温かい言葉を他人にかける人は、それがそのまんま自分の心の深層に染みこんでいって、少しずつ温かい人になっていくと。要するに、人間は自分の心で思ったとおり、行動したとおりの人になっていくんです。すべては心が創造していくんです。
よくある行動ですが、ストレスを発散するために何か刺激のある享楽に走ったり、最初からストレスをためないようにと、やりたい放題言いたい放題な生き方をする人が居ます。(私もいささか)でも、これでは本当のストレス解消になっていないんですね。これ、大きな勘違い、幻想なんですよ。逆にストレスを増幅しているはずです。
思いやりの言葉で話をし、慈しみあふれる行動をして、明るくポジティブな心で過ごしたならば、それはそっくりそのまま自分に反映してきます。その結果、自然と苦しみやストレスが解消して、安らかな気持ちがくっついてくるんです。誰もが認める一流といわれアスリートに明るくポジティブな人が多いのは、なんだか解るような気がします。
せっかくなんで、この話題にかかわる仏様の言葉を付けておきましょう。・・・
1、ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも、汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人に付き従う。
---車をひく(牛)の足跡に車輪がついてゆくように。
2、ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人に付き従う
---影がそのからだから離れないように。
「法句経」1.2より